「大秦帝国-QIN EMPIRE-」37話・38話・39話・40話のあらすじとネタバレ感想。秦国では河西の大勝利と改革大成を祝う大典が行われました。秦国が天下の弱小国だった時代は終わり、諸国からの特使が次々と祝いに訪れます。
37話:次なる目標
秦国では河西の大勝利と改革大成を祝う大典が行われました。
戦に参戦した将兵は全員が昇格し、衛鞅には商君の称号が授けられます。
大典には周の天子の特使も祝いに訪れました。特使は天子からの命を以下のように読み上げます。
「秦公(渠梁)は改革を断行して国を豊かにし新都を築いた。この功績は大きい。これにより、秦公 渠梁を西方諸国の盟主とし天子の代理としての権限を与える」
さらに、六国の特使も続々と祝いに訪れます。
これは、秦国が天下の弱小国だった時代が終わったことを意味していました。
その後も喜びに溢れる秦国内では、昇格した者たちのもとに次々と祝いの品が届きます。
しかし、昇進に対して私的な贈与を行うことは違法であるため、衛鞅は私的な贈与を禁じる命令を下しました。
そんな矢先、渠梁が病で倒れてしまいます。見舞いに来た衛鞅に渠梁は天下統一の志を語りますが……。
38話:天下統一の志
渠梁は衛鞅に、天下統一を目指すのは可能だろうかと尋ねます。
衛鞅は今の代では無理でも、法治の徹底さえしていれば可能だと考えを述べました。
渠梁は更なる20年を共に歩もうと乾杯を求めるも、衛鞅は新法の礎が根付いた今が去り時だと引退を願い出ます。
その後、渠梁は景監に衛鞅がやり残したことはないかと尋ねました。
すると景監は、かつて衛鞅と結婚を約束した白雪の存在を明かします。
「白雪様は、商君(衛鞅)と熒玉公主の結婚前に身を引きました。今は子とともに崤山で暮らしています」
それを聞いた渠梁は、今まで気づいてやれなかった申し訳なさに苛まれるのでした。
そんな中、商於で問題が起きてしまいます。
衛鞅を讃える民が、衛鞅の屋敷や石像を建築し、貢納を申し出ているというのです。
衛鞅はこの問題を解決するため自ら商於へ出向くと、その道中で支援物資を運ぶ隊列を見かけました。
聞けば これらは黒林村に運ぶ物資で、県令が独断で黒林村への支援を決定したとのこと。
しかし、独断での支援は法に反するため、衛鞅は県令を呼びつけ黒林村へと向かいました。
すると、裕福だったはずの黒林村は変わり果て、村長をはじめとする村人たちも堕落しきっていました。
村が落ちぶれてしまった発端が、一人息子を亡くした村長が酒に溺れたことにあると知った衛鞅は村長の処刑を言い渡します。
すると、村長の夫人が突然倒れてしまい、絶望した村長は自ら崖に身を投げてしまうのでした。
その後、衛鞅は商於での問題を解決し帰路につくと、景監が渠梁の命令を伝えにやってきます。
その命は、衛鞅の引退を認め、白雪に会うことも認めるというものでした。
39話:残りの人生
引退の許しを得た衛鞅は、白雪と息子が暮らす崤山を訪れました。
そしてついに、2人との対面を果たします。別れから実に13年もの歳月が流れていました。
彼女たちと和やかな時間を過ごした後、衛鞅は引退の許しを得たことを白雪に話し、残りの人生は永遠に離れないと誓います。
しかしそこへ突然、仮面をつけた男が衛鞅を襲撃しに来ました。
腕利きの白雪が追い払ったことにより難を逃れるも、声に聞き覚えがあった衛鞅は仮面の男は公孫賈だろうと見当をつけます。
かつて 太子の教育係だった公孫賈は、太子が大罪を犯した際に連座で罪を問われ、額に入れ墨という刑罰を受けました。
今は流刑地にいるはずですが、どう脱出したのかと衛鞅は疑問に思います。
そんな中、渠梁が重病で倒れたとの知らせが届きました。
国の後継者がいない状況で渠梁が倒れてしまった今、衛鞅までもが引退してしまえば改革反対派の貴族たちが動き出すに違いありません。
白雪の後押しもあり、衛鞅は秦に戻ることを決断しました。
40話:世継ぎ
秦に戻った衛鞅は渠梁が原因不明の重い病だと聞き、すぐに渠梁のもとへ。
衛鞅は渠梁の身を心配し、一刻も早く太子(贏駟)を探し世継ぎを決めるべきだと説得します。
その後、熒玉の懐妊が判明する中、衛鞅は景監や車英らに、贏駟を探し出すよう命じました。
また、新法によって裁かれた者や降格になった者の現況をつぶさに調べるよう指示します。
これらは、万が一の有事に備えて国の安定を図るためでした。
一方、白村に滞在中の贏駟は、友人となった白山という青年から衝撃の事実を知らされます。
なんと、白山の父親はかつて太子(贏駟)に殺されたというのです。
当時、白村の村人たちは作物を貢納しましたが、中身が砂とすり替わっていたため太子の怒りに触れ殺されてしまいました。
白山は「太子はすり替えの事実を確かめもせずに村人たちを殺したんだ!」と憎しみを露にします。
自分こそがその太子であり、村人たちを殺した張本人である贏駟は、白山の話を聞いて動揺せずにはいられませんでした。
その後、贏駟の居場所を知った渠梁が贏駟を訪ねてきました。
渠梁は、当時宮廷から追放したのは贏駟を守るためだったと心情を明かし、贏駟を宮廷に連れ帰ります。