「大秦帝国-QIN EMPIRE-」41話・42話・43話のあらすじとネタバレ感想。衛鞅は万が一に備え、贏駟を太子に立てるべきだと強く進言しました。渠梁も改心した贏駟を認め、正式に太子として復位させます。そんな中、渠梁を名医に診てもらうと、名医は「活力の病」と診断し……。
41話:活力の病
過去に新法で裁かれた者たちの現状を調べた結果、流刑地にいるはずの公孫賈が別人と入れ替わっていることが判明します。
入れ替わった別人は、薬で喉を焼かれ喋ることができない状態でした。
衛鞅は公孫賈を捜索するよう命じます。
贏駟を連れて宮中に戻ってきた渠梁は、贏駟の記した竹簡を衛鞅に見せ、どう思うか尋ねました。
実は贏駟は秦の各地を巡りながら、新法や政策についての私見を竹簡に記していたのです。
竹簡を読んだ衛鞅は「見事です」と感心し、贏駟を太子に立てるべきだと強く進言しました。
渠梁も改心した贏駟を認め、正式に太子として再任命します。
任命後に開かれた朝議では、渠梁は病のため公務から離れることを宣言し、これからの国事はすべて太子と衛鞅に任せることを大臣たちに伝えました。
その後、名医の存在を知った衛鞅は、渠梁の病状を診てもらうため熒玉を通じて名医を宮中に呼び寄せます。
渠梁を診察した名医は「活力の病」だと診断を下し、内臓に問題はないが長年“気”を消耗し続けたことですべての臓器が衰弱しているのだと病状を説明しました。
42話:恋煩い
渠梁を診察した名医は、病の原因が国事に精魂を傾けすぎたことにあると説明しました。
また、もう1つの原因が“恋煩い”であることも告げます。
渠梁の余命が半年だと知った衛鞅は激しく動揺しながら景監のもとへと飛んでいき、要塞の守備強化を命じました。
また、太后は渠梁の余命が短いと知りショックで気を失ってしまいます。
熒玉も取り乱していましたが、衛鞅は熒玉を落ち着かせ、渠梁の想い人に心当たりはないか尋ねました。
すると熒玉は、渠梁が長年想い続けている玄奇の存在を明かします。
熒玉は渠梁の思いを叶えてあげたい一心で、身重の体を押して玄奇を探しに向かいました。
そして、玄奇を見つけることができた熒玉でしたが、玄奇と宮中に戻る途中で落馬し流産してしまいます。
宮中に到着した玄奇はついに渠梁と再会を果たします。
そなたに会えたから死んでも悔いはないという渠梁に玄奇は「わたしを妻にしてください」とお願いするのでした。
玄奇と渠梁の婚儀が無事に執り行われる中、病床に伏している太后は熒玉に、密命の入った小箱を渡して息を引き取ります。
43話:太后の密命
太子に対する不安が拭えない渠梁は衛鞅に「そなたに君位を継がせたい」と言い出します。
しかし衛鞅は、自分が君主になってしまえば、せっかく苦労して果たした改革も“野望の道具”だと誤解され民の信頼を失ってしまうと言い、今の立場でこそ新法と秦国を守ることができるのだと言葉を返します。
その後、衛鞅は太子のもとを訪ねました。
太子は改正を加えれば新法は更に完璧になると意見を述べましたが、衛鞅は法治の基礎を固めるには少なくとも3代は法を変えてはならず、秦が天下統一を果たし太平の世となった時に初めて変えられると述べます。
そんな折、来訪した六国の特使たちがそれぞれ、秦に逃げた自国の民を返してほしいと願い出ました。
これに対し太子は、100万を超える民が秦に流れてきたのは新法に魅力を感じてのことであり、民は自らの意志で秦にやって来たのに、それを返せとは道理に外れた要求だと突っぱねます。
一方、渠梁は熒玉から太后が遺した密命を渡されました。
密命には「贏虔は国の大きな災いとなる。密かに殺せ」と書かれていました。
渠梁は動揺しつつも、公室の血を継ぐ者として私心を捨てねばならないと決断します。
渠梁は太后の密命を実行すべく宴の席を設けることにし重臣たちに強制参加を言い渡しました。
これに対し甘龍は、渠梁が贏虔を殺すつもりだと察知します。
甘龍を通じて自分が殺されることを察知した贏虔は、死んだように見せかける方法を怪しげな名医から聞き出すのでした。