「大秦帝国-QIN EMPIRE-」44話・45話・46話のあらすじとネタバレ感想。視察のために函谷関を訪れた渠梁は吐血して倒れてしまいました。死を悟った渠梁は真っ先に衛鞅の手を握り、彼への遺言を残します。
44話:法治か人治か
大臣強制参加の宴が開かれました。
病のふりをして長年引きこもっていた甘龍は、数年ぶりに顔を合わせた渠梁に、改革は続けるべきだが衛鞅の仁なき執法は目に余ると批判します。
するとそこへ、贏虔が急逝したとの知らせが届きました。
急いで贏虔の屋敷へ向かった渠梁は、横たわる贏虔の遺体を見て涙を流します。
その後、渠梁は景監を呼び出し、内密に頼みたいことがあると言い、以下のように話しました。
「宴での甘龍の言葉を聞いて衛鞅の身が心配になった。衛鞅に災いの種を残してはならぬ」
そこへ、衛鞅が駆け込んできました。
どうやら、渠梁が贏虔を暗殺しようとしたことを知ったらしい衛鞅は「人治で処罰を下すのは看過できません」と渠梁を批判します。
渠梁からしてみれば、嬴虔と甘龍の暗殺を命じたのは衛鞅を守るためでした。
しかし、法を犯したわけでもないのに改革反対派の甘龍らを殺してしまえば、それは法治ではなく人治となってしまい、衛鞅が目指す法治に反することになってしまいます。
また、衛鞅は、法治に背くことが国を滅ぼすことに繋がると言い、人治による改革反対派の粛清をただちに中止するよう訴えました。
根気よく訴えかけた結果、渠梁は衛鞅の考えを受け入れます。
その後、渠梁は視察のために函谷関を訪れました。
視察には衛鞅、車英、太子、玄奇も同行しています。
到着してほどなくすると、渠梁は吐血し倒れてしまい……。
嬴虔は怪しげな医師から「死んだように見せる方法」を聞き出していたので、実は生きている可能性が高そうですね。ともあれ、渠梁は自らの手で嬴虔を殺さずに済んで良かったです。
そして渠梁は、衛鞅を守るために嬴虔だけでなく甘龍のことも暗殺しようとしました。しかし、法を犯したわけでもないの甘龍を殺してしまえば、それは法治ではなく人治となってしまい、衛鞅が目指す法治に反することになってしまいます。
衛鞅を守るための行動が、衛鞅の志に反するものになってしまうという事実に、何とも悲しい気持ちになってしまいました。
45話:心からの敬意
視察のために函谷関を訪れた渠梁は吐血して倒れてしまいました。
死を悟った渠梁は真っ先に衛鞅の手を握り、彼への遺言を残します。
「衛鞅よ、先に逝くぞ。そなたは正しい、わが秦は人治ではなく法治を貫かなければならぬ。もしも太子が君主にふさわしくなければ、そなたが就くように」
渠梁は他の者たちにもそれぞれ「衛鞅を支えてやってくれ」と遺言を残し、また玄奇には来世で会おうと約束して永眠しました。
紀元前338年、享年46歳でした。
衛鞅は真の理解者だった渠梁に心からの感謝と敬意を表するとともに、何があっても法治を貫き、命に代えても渠梁に報いることを誓います。
即位した嬴駟は大臣や諸国の使節たちの前で、渠梁が築いてきた法令および国策は一切変えないことを宣言しました。
それからしばらくの間、渠梁の死を悲嘆する者が後を絶ちませんでした。
熒玉は発熱を、景監はぶっ倒れ、二代にわたり君主に仕えた黒伯は墓前で殉死してしまいます。
また、側近の1人だった王軾は、喪中の間は城を出てはいけない決まりがあるにもかかわらず「前君主さまの墓守をするのだ!」と暴走し城門を無理やり突破しようとしました。
本来なら王軾は新法に照らして重い罰を受けるべきところですが、衛鞅はなぜか初めて法を破り、王軾への罰を俸禄の没収のみにとどめると言うのでした。
渠梁は最後まで、衛鞅のことばかりでしたね。真っ先に衛鞅の手を握ろうとしていましたし、衛鞅への遺言が一番長かった。他の人への遺言もほぼ「衛鞅を支えてやってくれ」でしたし、最後の最後まで衛鞅のことを気にかける渠梁が印象的でした。
改革反発派の甘龍も、改革には反発していたものの渠梁の人柄には敬服していたのですね。確かに、あれほど度量と懐が広い君主はなかなかいません。多くの臣下に敬慕されるのも納得の素晴らしいお方でした。
衛鞅も渠梁が亡くなってから気力を失ってしまったようです。また、あれほど厳格に守っていた法を、今回初めて破ったのには驚きました。何か深い理由でもあるのでしょうか。
46話:法にのっとった告発

渠梁の死を機に、甘龍は新法により没落した貴族たちを集め、失われた権勢を取り戻そうと密かに動き始めます。
甘龍の狙いは、横暴な官史および衛鞅を排除すること。
しかし新法が根付いている今、衛鞅を排除するには新法にのっとって追い詰めるしかありません。
そこで、甘龍は法の名のもとに衛鞅を告発します。
衛鞅による独断の執法のせいで多くの冤罪者が出てしまったこと、また、衛鞅が法に背いて王軾の罪を独断で軽減したことを訴えたのです。
甘龍の告発は法にかなったものであるため、嬴駟はどうすべきかと頭を悩ませます。
そんな時、嬴駟は嬴虔の娘から、嬴虔が実は生きており嬴駟に会いたがっていることを知らされました。
嬴駟はひそかに贏虔に会いに行き、今回の告発の一件と、過去に自分が大罪を犯す発端となった“作物のすり替え事件”について相談します。
すると贏虔は、ひそかに調査した結果 作物をすり替えた黒幕が甘龍だったことを教え、甘龍のことは重用しつつも警戒するよう忠告しました。
また告発の件については、解決するには衛鞅の命を犠牲にするしかないと言うのでした。
ようやく甘龍が本格的に動き始めました。敵ながら、今までよく耐え忍んできたなぁと感心します。渠梁が存命の20数年の間は、ほぼずっと耐えていましたからね。
心を閉ざしてしまった贏虔がずっと気がかりでしたが、思っていたよりも精神が安定しているようで安心しました。ただ、嬴駟に衛鞅を殺すよう促したのは私怨からなのか、それとも国の大局を考えてのことなのか、今はまだ判断がつきません。