「大秦帝国-QIN EMPIRE-」最終回(51話)のあらすじ ネタバレ 感想を結末まで紹介します。嬴駟は衛鞅のいる監獄を訪れました。嬴駟はこういう結果になってしまったことを詫びますが、衛鞅は自分の死が秦にとって有益ならば悔いはないと答えます。そしてついに、処刑の日がやって来て……。
最終話(51話)のあらすじ
君主の嬴駟不在で行われた朝議では、衛鞅の処刑について話し合われましたが、反 衛鞅派と衛鞅派で意見が割れてしまい決定には至りませんでした。
反衛鞅派の筆頭である甘龍や貴族たちは、その後も衛鞅を車裂きの刑にするべきだと訴え続けます。
嬴駟のもとには貴族たちからの訴えだけではなく、諸国からも衛鞅の酷刑を求める書簡が届けられました。
嬴駟は考えたのちに、衛鞅の処刑に関しては太師府と延尉府で合議の上 決定するようにとの命令を下します。その結果、衛鞅の酷刑が決定しました。
最終回(51話)のネタバレ
最後の教え
嬴駟は衛鞅のいる監獄を訪れました。
嬴駟は処刑という結果になってしまったことを詫びますが、衛鞅は「私は君主さまを信じて自ら牢に入ったのだし、君主さまも私を信じて処刑のご決断をされたのでしょう」と言葉を返します。
嬴駟は衛鞅の懐の深さに感謝した後、衛鞅亡きあとに国をどう治めるべきか教えを請いました。
まず貴族について尋ねると、衛鞅は貴族たちの根拠地が描かれている地図を渡し「嬴虔や車英に貴族を排除させればいい」と助言します。
次に、衛鞅亡きあとの家臣について相談すると衛鞅は、文官の長には樗里疾を、武官の長には司馬錯を推挙しました。
最後に、嬴駟は嬴虔のことを口にしました。
嬴駟にとって嬴虔は叔父であり育ててもらった恩もありますが、公私は分けねばならないからと、嬴虔の処遇をどうするべきか衛鞅に尋ねます。
すると衛鞅は、嬴虔の自尊心を傷つけないこと、そして、高い官職を与えても実権は与えないようにと助言しました。
また、嬴虔の子を重用すれば不満を持たないはずだともアドバイスします。
嬴駟は「教えを胸に刻みます」と一礼し、衛鞅の酷刑が決まってしまったことを伝えました。
衛鞅は自分の死が秦にとって有益ならば悔いはないと答えます。
嬴駟は、衛鞅と別れの酒を飲み交わして牢屋を立ち去りました。
渠梁の遺言書
嬴駟のもとに、渠梁の妻で墨家の弟子でもある玄奇が尋ねてきます。
聞けば渠梁の遺言書を持ってきたとのこと。遺言書には、以下の内容が書かれていました。
君主となった嬴駟が商鞅(衛鞅)を用いなかった場合、墨家の総院に隠居させたし。
改革による貴族の恨みは根深いため、商鞅は圧迫されること間違いなし。嬴駟が圧迫に屈し、商鞅を用いぬなら引退を許すべきなり
玄奇は遺言書を読み終えた嬴駟に決断を迫りました。
すると、嬴駟は配下に衛鞅の酷刑を求める訴え書をすべて持ってこさせます。
これらの訴えは 反衛鞅派の貴族だけでなく、民が訴えたものもありました。
山積みの訴え書を前にして嬴駟は、新法を不動のものとするには これらの不満を解消せねばならないと説くのでした。
処刑場にて
衛鞅を処刑する日がやって来ました。
処刑場には、甘龍をはじめとする貴族や嬴虔が見物に来ています。
甘龍は見せしめのために多くの平民たちもこの場に集めていました。
衛鞅が入場すると、平民たちは「商君、万歳!新法よ、永遠なれ!」と衛鞅に敬意を表します。
平民たちが静まり、衛鞅が処刑台に上がると、詔書が読み上げられました。
「逆臣 商鞅は謀反を企て君主を欺いた。その罪は明白である。商鞅を車裂きの刑に処する」
甘龍は処刑台にいる衛鞅に向かって、最後に言いたいことがあれば聞いてやろうと言いますが、衛鞅は「私は死してなお生き続けるが、そなたらは生きていても死んでいる」とだけ言葉を残します。
最後に衛鞅との告別が許されると、平民たちが衛鞅に別れの言葉を告げました。
雪が降り始め、白雪も告別のためにやって来ます。
白雪は処刑台に上がり、来世、来来世でも会おうと約束して衛鞅と酒を飲み交わしました。
しばらくの間、2人は見つめ合っていましたが、白雪は突然「先に参ります」と衛鞅の腕の中に倒れ込んでしまいます。
すべてを察した衛鞅は「私もすぐに行く」と抱きしめた後、白雪を処刑台の上に寝かせ、その横に自分も横たわりました。
衛鞅の目は閉じられ、2人の体に雪が積もり始める中、「執行!」という声が響き渡ります。
<完>
最終話(51話)の感想
主人公の処刑で終わるドラマというのも、なかなか珍しいですね。
でも不思議と悲壮感がないのは、衛鞅本人が処刑に納得していたからでしょうか。
衛鞅は史実でも車裂きの刑に処されたようです。
ただ少し違うのは、ドラマでは衛鞅は処刑日まで生きていましたが、史実では謀反の罪を着せられて逃亡したのちに兵を集めるも、秦の討伐軍に攻められて戦死、そして見せしめとして遺体が車裂きにされました。
ところで、白雪は服毒死ですよね。処刑前に衛鞅と飲み交わした酒に毒が入っていたのでしょう。
衛鞅の酒にも毒が入っていたかどうかは分かりませんが、“遺体が車裂きにされた”という史実があるので、その史実に合わせて衛鞅も処刑前に毒酒で死亡した可能性が高いかと思います。
大雪の中、処刑台で横たわる2人の姿は悲しくも美しいラストシーンとなりました。
ただ、1人残された幼い息子が少し心配ではありますが……。
全体を通しての感想としては、とにかく渠梁の人柄に惚れたというのが一番の感想です。
思慮深く冷静沈着でありながら、内に熱い志を滾らせている、とても素敵な君主でした。
また、誰に対しても寛容かつ度量が深い その人柄に毎回感服させられました。
衛鞅へのBIG LOVEも個人的にツボでした。
表情や言葉から 衛鞅に対する揺るぎない信頼が見て取れましたし、自分の死後も衛鞅を守ろうと、あらゆる人に密命を遺すところに衛鞅への大きな情を感じました。
ただ、その密命がかえって衛鞅をピンチに追い込んでいましたが(笑)
他に印象的だった人物は、渠梁の兄である嬴虔です。
第4話で語られた“兄弟のエピソード”にて、嬴虔が子供の頃からずっと渠梁にベタ甘の兄だと分かってからは嬴虔が大好きになりました。
豪快で熱血漢でありながら涙もろいところも◎。
そんな彼が好きだったからこそ、鼻削ぎの刑を科せられて以来 心を閉ざすようになってしまった嬴虔の姿に心が痛みました。
最後まで衛鞅に対する私怨を捨てられなかったことも、見ていて辛かったです。
ストーリーに関しては、政敵との戦いがもっとバチバチに描かれるものだと予想しましたが、案外、順調に改革が進んだなぁという印象です。
「続きが気になる!」という感じのドラマではありませんでしたが、渋さと熱さのバランスが絶妙でしたし、登場人物それぞれの熱い志や情など、胸を打たれるシーンがたくさんありました。見てよかったです!