「デカメロン」はジョヴァンニ・ボッカッチョの物語集を原作とした10の物語からなるシリーズ。ギリシャ語で10日を意味する「デカメロン」は1348年を舞台に、疫病(黒死病)から逃れるためフィレンツェ郊外に引きこもった男女10人の貴族がそれぞれ10話ずつ、失敗談や恋愛話などを語る100日間の物語となっています。
あらすじ
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階級制度や権力闘争、パンデミック下でのサバイバルをテーマしたドラマシリーズ。不運な登場人物たちを滑稽に描いた群像劇で、物語の舞台は1348年に黒死病に襲われたフィレンツェ。
少数の貴族たちは、黒死病から逃れるため使用人たちと共にイタリアの田舎にある豪華な別荘に避難し、贅沢な日々を過ごしながら疫病の終息を待つことにしました。
しかし、次第に社会から離れた彼らの生活は秩序が乱れ始め、ワインに酔いしれながら性的な享楽に興じていく―――。でも、これが生き残りをかけた大騒乱へと変貌していくのです。
登場人物/キャスト
デカメロンの解説
ジョヴァンニ・ボッカッチョ原作の「Decameron」では、登場人物が男性3人、女性7人の10人ですがドラマでは男性4人、女性6人の10人に設定されています。
また、原作の登場人物とドラマの登場人物も少し違っています。
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シェイクスピアの演劇「終わりよければ全てよし」は、「デカメロン」の3日目(9話)ネイフィレの話、「シンベリン」は2日目の9話フィロメナの話を参考にしていることから、ウィリアム・シェクスピアが「Decameron」を読んだとされています。
他にも、演劇や歌曲などさまざまな作品に多大な影響を与えており、それは現代でも続いています。2020年に世界的にCOVID-19が流行した際、南オーストラリアでは「デカメロン2.0」というプロジェクトを立ち上げ、アメリカではニューヨーク・タイムズがマガジンに「デカメロンプロジェクト」という表題を付けました。
「デカメロン」で10人の男女が話す内容には、日によって10のテーマが決まっています。
1日目は自由テーマ、2日目からは苦難を乗り越えて成功した人の話、ずっとほしかったものや失くした物を得た話、幸せになれなかった恋人たちの話、不幸から幸せを得た人の話、咄嗟の返答で危機を逃れた人の話、夫を騙した妻の話、男性と女性それぞれが相手を騙した話と毎日テーマを変え、9日目は自由テーマで10日目は気高く寛大なことをした自慢話となります。
また、脚本を務めたキャスリーン・ジョーダンは、原作の「The Decameron」を短くてエロティックな物語を考えていたようで、この短編集をドラマの枠組みとして採用することにしました。
元々このプロジェクトは、階級格差というテーマを探求したいという思いから生まれたもので、キャスリーン・ジョーダンは「危機の時には、持てる者と持たざる者の間の溝はどんどん広がるのです。明らかに、それはここ数年、特にコロナ禍で私たちが目にしてきたことです。」と話しています。