デカメロンの解説
ジョヴァンニ・ボッカッチョ原作の「Decameron」では、登場人物が男性3人、女性7人の10人ですがドラマでは男性4人、女性6人の10人に設定されています。
また、原作の登場人物とドラマの登場人物も少し違っています。
シェイクスピアの演劇「終わりよければ全てよし」は、「デカメロン」の3日目(9話)ネイフィレの話、「シンベリン」は2日目の9話フィロメナの話を参考にしていることから、ウィリアム・シェクスピアが「Decameron」を読んだとされています。
他にも、演劇や歌曲などさまざまな作品に多大な影響を与えており、それは現代でも続いています。2020年に世界的にCOVID-19が流行した際、南オーストラリアでは「デカメロン2.0」というプロジェクトを立ち上げ、アメリカではニューヨーク・タイムズがマガジンに「デカメロンプロジェクト」という表題を付けました。
「デカメロン」で10人の男女が話す内容には、日によって10のテーマが決まっています。
1日目は自由テーマ、2日目からは苦難を乗り越えて成功した人の話、ずっとほしかったものや失くした物を得た話、幸せになれなかった恋人たちの話、不幸から幸せを得た人の話、咄嗟の返答で危機を逃れた人の話、夫を騙した妻の話、男性と女性それぞれが相手を騙した話と毎日テーマを変え、9日目は自由テーマで10日目は気高く寛大なことをした自慢話となります。
また、脚本を務めたキャスリーン・ジョーダンは、原作の「The Decameron」を短くてエロティックな物語を考えていたようで、この短編集をドラマの枠組みとして採用することにしました。
元々このプロジェクトは、階級格差というテーマを探求したいという思いから生まれたもので、キャスリーン・ジョーダンは「危機の時には、持てる者と持たざる者の間の溝はどんどん広がるのです。明らかに、それはここ数年、特にコロナ禍で私たちが目にしてきたことです。」と話しています。
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