ジャンル:クライム、法廷、ミステリー
原題:Defending Jacob
製作:2020年/アメリカ
【ジェイコブを守るため】は、マーク・ボンバック著書の同名小説を原作とする法廷ミステリードラマです。同級生の殺人容疑をかけられた息子の無実を証明すべく、奮闘する両親の姿を描いています。裁判の準備を進める中で知られざる息子ジェイコブの本性が明らかとなっていきますが、それは両親の想像を遥かに絶するほどのものでした。
キャスト
あらすじ
あらすじを書く
ここには製作者でも脚本家でも出演者でもいいから、制作裏話とかインタビューで話してたこととか書くといいね。作品のポイントとか
ジェイコブは同級生を殺害したのか?
異なる2つのタイムライン
【ジェイコブを守るため】(2020)は、異なる2つのタイムラインで物語が展開されていきます。
1つ目は、同級生の殺人事件の容疑をかけられたジェイコブが裁判に向かうまでのストーリー。
2つ目は、ジェイコブの裁判後に父アンディが1人で裁判所の聴聞会にて検事の質問に答えていくストーリーです。
ジェイコブの過去の出来事にまつわる質問に答えるアンディの姿は消耗しきった様子で、一体アンディの身に何があったのか、何故1人で聴聞会に呼ばれたのかと想像を掻き立てられます。
同級生の死、殺人容疑をかけられるジェイコブ
アメリカ・マサチューセッツ州の公園で、男子中学生が刺殺されるという殺人事件が発生。地区検事補のアンディ・バーバー(クリス・エヴァンス)は事件の捜査へと乗り出しますが、事態は思わぬ方向へと進んでいきます。
遺体からアンディの息子ジェイコブ(ジェイデン・マーテル)の指紋が発見され、ジェイコブは第一容疑者として逮捕されてしまったのです。それでもジェイコブは一貫して無実を訴え、遺体の指紋は通学中に倒れている同級生を見つけて起こそうと思ったからだと答えました。
しかし、同級生が死んでいることが分かってパニックになり、恐怖のあまり通報せずにその場を後にしてしまったとのこと。とはいえ、ジェイコブの無実を裏付ける証拠がないため、そのままジェイコブは同級生殺人の容疑者として裁判にかけられることになりました。
涙を流しながら無実を訴える我が子を必ず守り抜くと決意したアンディとローリー(ミシェル・ドッカリー)でしたが、知られざるジェイコブの本性が明らかとなっていき……。
原作小説との違い
ジェイコブの殺人遺伝子と診断結果
殺人事件の容疑者となったジェイコブは、裁判の準備の一環として父方の祖父と父アンディとのDNA検査を行いました。
ドラマ版では、ジェイコブに殺人遺伝子はなく、精神科医による診断結果も共感能力が低いくらいで、そこまで大きな問題はありませんでした。しかし、原作小説だとジェイコブにも殺人遺伝子があり、診断結果では様々な障がいを患っていることが明らかにされています。
中でも反応性愛着障害については、”攻撃、怒り、嘘、良心の欠如、残忍さ”などが特徴とし、両親による虐待や育児放棄などの療育に問題があるとまで指摘されているのです。これらはアンディとローリーの子育てに何らかの問題があったことを示唆しており、ジェイコブだけでなく彼ら夫婦も問題を抱えていることを意味しています。
メキシコ旅行で起きた少女の行方不明事件
無事に無罪を勝ち取ったジェイコブ一家は、かねてより計画していたメキシコ旅行へとやって来ました。一家は束の間のひと時を過ごしましたが、滞在先のホテルでジェイコブと仲良くなった少女が行方不明になる事件が発生。
ドラマ版では、ジェイコブが少女が行方不明となる直前まで一緒にいたことから事情聴取を受けたものの、結局事件とは無関係であることが証明され、後に少女は無事に保護されました。しかし、原作小説では全く異なる結末を迎えています。
行方不明となった少女は7週間後に溺死体となって海岸に打ち上げられ、腐乱が進んでいるため死因は不明のまま未解決事件として処理されたのです。しかも、少女が行方不明となった日には血しぶきのようなシミがついた水着でホテルに戻るジェイコブの様子も描かれており、それを見たアンディが海で水着を洗ってくるよう指示した経緯も明かされています。
ローリーとジェイコブの自動車事故
自身の息子ジェイコブを信じられなくなってしまったローリーは、どうしてもジェイコブが殺人を犯したのではという考えに囚われて苦しんでいました。そこでローリーはジェイコブを車に乗せ、猛スピードで道路を走りながらジェイコブを問い詰めて心中を図ります。
幸いにも2人とも命に別状はなく、ジェイコブは意識不明の重体ではあるもののローリーは軽症で済みました。ところが、原作小説ではこの車内でのシーンはアンディの想像として描かれており、実際に車内でローリーとジェイコブの間に何があったのかはわからぬままでした。
さらに、重症を負いながらも一命を取り留めたローリーに対して、ジェイコブは事故死しています。
“ジェイコブ”はもう1人いるのかもしれない
主人公のジェイコブは同級生殺人の容疑者として逮捕されて無実を勝ち取るのですが、結局誰が真犯人だったのかについては最後まで分からずじまいでした。ジェイコブは調べれば調べるほどサイコパスな一面が出てくるし、怪しさは拭えないものの彼を犯人とする証拠が出てこないのです。
しかし、殺人容疑で逮捕された時のジェイコブの様子から彼が嘘をついているようには見えないため、ジェイコブには彼自身も気づいていない側面があるのかもしれません。このような真相が明らかにならない終わり方はあまり好きではありませんでしたが、不思議とこの作品はこれで良かったのではないかなと納得のいくものでした。
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本ページの情報は2024年6月時点のものです。最新の情報は公式サイトにてご確認ください。