第7話のあらすじ
ジョナサンの父で「行きずりの人」を出版したスティーヴンの元を訪れたキャサリンは、ついに重い口を開きます。これまでひた隠しにしてきた、イタリア旅行でのキャサリンとジョナサンの間に起きた出来事について話し始めました。
ジョナサンが亡くなった日。キャサリンは体中が痛み、一睡もしていませんでした。それでも息子ニコラスから海に行きたいとせがまれたキャサリンは、ボロボロの体を起こして何とか海へと向かいます。
その道中、キャサリンは根負けしてニコラスにビニールボートを買い与えました。動くのがやっとのキャサリンにとってそれは救世主のように感じ、ニコラスには浜辺でビニールボートを使って遊んでもらおうと考えていました。
そのうちに体力を回復させるはずが、疲れが限界に達したキャサリンはいつの間にか眠りに落ちてしまいます。キャサリンが目を覚ました頃には強風が吹き荒れ、ニコラスはたった1人でボートに乗って海に出ていました。
どんどんと沖に流されていくニコラスに恐怖を感じたキャサリンは助けを求め、近くにいたジョナサンが海に飛び込みますが、ジョナサンは救助に苦戦します。すぐに2人の男性が救助に加わり、ニコラスは無事にキャサリンの元へと戻ってきました。
しかし、皆がニコラスと2人の男性に気を取られ、忘れられたジョナサンはそのまま溺れて亡くなってしまいます。実は、この場面だけは「行きずりの人」に書かれている通りで、キャサリンは溺れるジョナサンの姿に気づきながら何もしませんでした。
ところが、これには前夜の恐ろしい出来事が関係していました。
ジョナサンが亡くなる前夜。キャサリンは夫ロバートに残され不安を抱えながらも、ニコラスと至福の時間を送っていました。ニコラスを寝かしつけたキャサリンはバーで頼んだワインを片手に部屋へ戻ると、シャワーを浴びて読書をしようとします。
しかし次の瞬間、部屋に忍び込んできたジョナサンがキャサリンに襲いかかったのです。バーから戻った際、キャサリンはワインに気を取られて部屋の鍵を挿しっぱなしにしてしまったようで、ジョナサンはキャサリンを殴り、さらにナイフで脅します。キャサリンはニコラスの安全を第一に考え、ジョナサンの言いなりになることにしました。
そうしてキャサリンのセクシーな写真が撮られ、そのままキャサリンはジョナサンから性が絡んだ暴行を受けます。常時ナイフを手放さないジョナサンを相手に、キャサリンに成す術などありませんでした。
キャサリンから真実を聞かされたスティーヴンは「決着をつける」と言って席を立ち、ニコラスが入院する病院へと向かいます。キャサリンは必死にスティーヴンを止めようとしますが、スティーブンに出された飲み物に睡眠薬が混ぜられてしまっていたため動けなくなってしまいました。
そして、ニコラスの元へやってきたスティーヴンは用意していた漂白剤入りの注射を点滴に入れようとしたところ、ニコラスは母を求めて涙を流しました。
スティーヴンはそんなニコラスの姿に胸を打たれ、注射器をしまってニコラスに付き添っていたロバートに真実を話します。
全てを知ったロバートはこれまでの自分の行動を謝罪し、キャサリンに許しを乞いますが、キャサリンがそれを受け入れることはありませんでした。キャサリンとロバートは離婚し、キャサリンは退院したニコラスにも全てを話して抱き合います。