ネタバレ解説と考察
ボイドが持ち込んだ悪夢
これまで日没後に外に出ないことを徹底していれば住民は無事に過ごせていました。しかし、ボイドがサラと森に行き化け物から逃れるため木の中に入ってから状況が少しずつ変わってしまいます。
木に入った2人は同じ場所に出たわけではありません。狭い井戸のような場所に出てしまったボイドは自力で脱出することが困難な状況に。声を出して助けを求めると声が聞こえロープが投げ入れられました。
ボイドはそのロープを伝って井戸から脱出することができましたが、そこには両手を鎖で繋がれガリガリにやせ細ったマーティンと名乗る老人がいたのです。
そもそもこの時点で誰がロープを投げ入れたのか?
マーティンは、壁に張り付けられるように両手がつながれているのでロープを下ろすことはできません。
ボイドは、気味悪がっていましたが老人の左腕に海軍のタトゥーを見つけ、仲間を置き去りにはしないと鎖を外そうとします。
魔除けがあるから大丈夫というとマーティンは、奴らは先兵だというのです。化け物が先兵だということは、それらを操っている?仕切っている?のはもっと大きなものであることは明らかです。
ボイドが石で鎖を壊していると、そこになかったはずのオルゴールが響き渡りました。バレリーナがくるくる回るオルゴールで、マーティンは「まずい、時間がない。やつらが来る」
マーティン曰く、森には恐ろしい想像もつかないような悪夢があるらしく、それは決して見てはいけないものだとボイドに忠告しました。ボイドに、音楽が止まる前に逃げるよう促しますが、ボイドは諦めずに鎖を壊し右手の鎖を壊します。
マーティンは「アビーが正しかった?もしこれが夢だったら?」そういうと、苦しみだしました。ボイドがマーティンを支えるとオルゴールが鳴りやみます。
「時間切れだ」そう言うとボイドの右腕を引っ搔いて、その傷口に自分の血を合わせました。
「これで私の血は、きみの血だ」
マーティンは息を引き取り、ボイドの皮膚の下に虫が這いまわるようになります。もともと、マーティンの皮膚の下に虫が這いずり回っていたのですが、マーティンの血をボイドに重ねることでそれらが移動し、マーティンは念願の死を迎えることができたのです。
その直後にたいまつを持って扉が出ると、今までいた場所は消えてなくなってしまいました。
ここで出てくるオルゴール、這う虫、マーティンのおかれた状況はチェックポイントです。さらに、皮膚下で這いずり回る虫を抱えているボイドの血は、のちに化け物を倒すことができることが判明しました。
ただ、”虫が這いずり回る血”を街に持ち込んだことで状況は悪化してしまいます。
オルゴールと繰り返されるフレーズ
ボイドが街に戻ってから、人々に異変が起き始めます。住人のポーラという女性が、昼寝している間に体が内側から裂けて死亡しました。夫のレジーによると彼女は「何度も同じフレーズを繰り返していた」とのこと。
「触れて 壊して 盗む 誰も自由ではない」
ポーラの死に方は化け物に襲われた時と同じですが、奴らは日没後にしか行動しないし魔除けがあるので家には入って来られません。昼間にこういう状況で人が亡くなったのは、ボイドが街に戻ってきてからです。
繰り返していたフレーズというのは、のちにある曲のフレーズであることがわかります。そして、突然そこにないはずのオルゴールが現れて、恐怖に襲われるという状況が多発しました。
これも、ボイドが血を街に入れたことが原因で起こりました。バスの乗客のエルビンという青年、そして医師のクリスティの婚約者のマリエル(彼女もバスの乗客)、ジムの娘ジュリー、保安官代理のケニーなど複数人が見ているのです。
エルビンは、お風呂に浸かっているいるとき洗面台のところでオルゴールが鳴り始め、その直後に化け物に浴槽に沈められます。誰かがエルビンを起こしてくれて水を吐き出したので大維持には至りませんでした。
ケニーは眠っているときに夢を見たのですが、母親と話しているときに鳴らないはずの電話が鳴ります。受話器を取ると「触れて 壊して 盗む 誰も自由ではない やってくる 狙いは3人 曲をとめない限り」のフレーズが繰り返され、不気味に思ったケニーは電話を切りました。
しかし、母親が作っていた鍋を覗くと大量のセミ、そしてテーブルにはオルゴールが鳴っていたのです。その1匹のセミがケニーの腕に飛んできて腕にやけどを負いました。ケニーは母親に起こされて飛び起きましたが、腕にはやけどの痕がしっかり残っていたのです。
夢=現実になることで、その日は眠ってはいけないという指示が出されます。
オルゴールが現れるには、死を知らせる条件になっているようで夢で見たことが実際に起こり売るようです。