ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』3話。
紗枝と付き合うことになった純は、マコトさんとの関係を清算しようとしました。
別れ話を切り出すも、マコトさんは無言で純を見つめキスをします。
このままマコトさんに流されてしまうのでしょうか……!?
ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』
ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』3話のあらすじ
純は、遊園地デートで紗枝からの告白を受け入れました。2人が付き合い始めたことはすぐにクラス内で広まり、友人たちにからかわれる純。
あれこれ聞いてくる友人たちに、純は「今度、家で2人で勉強する約束をした」と話します。
しかしその前に、パートナーであるマコトさんとの関係を清算させようと考えた純。いつものホテルにて、マコトさんに「彼女ができた」と告げました。
するとマコトさんは、複雑な表情を浮かべながらも「おめでとう」と祝福の言葉を述べます。
続けて純が「だから、マコトさんに会うのはこれが最後にしたい」と伝えると、マコトさんは無言で……。
ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』3話の見どころ
マコトさんとの別れを決意
行きつけのカフェにて、マコトさんと待ち合わせをする純。
マコトさんを待っている間、純は、オーナーのケイトに「彼女ができた」と報告をしました。
ゲイの純が彼女を作ったことに対して、何も言わないケイト。なぜ何も言わないのかと純が聞くと、ケイトは「だってよくある事じゃん」と答えます。続けて、「そうでもしないとこの世界は生きづらいと思うよ」と言うケイト。
ケイトも、レ〇ビアンというマイノリティを抱えているので、少なからず純の気持ちが分かるのでしょう。
そうこうしているうちに、マコトさんが到着。純はマコトさんに、彼女ができたことを報告します。一瞬、複雑な表情を浮かべるも、「おめでとう」と言うマコトさん。
マコトさんは、自身がゲイでありながら結婚しているので、純が彼女を作る気持ちがきっと理解できるのか大人な対応を見せます。
しかし、大人なマコトさんも、純に「会うのはこれが最後にしたい」と言われたら冷静ではいられないようで。
表情に嫉妬心を浮かべながら、純を……。
マコトさんの艶っぽさに、いつもつい見入ってしまいます。純もこのまま流されてしまうのかな?と思いましたが、ちゃんとキッパリ断ったようです。
あの流れを断れたということは、純は本気で紗枝との交際を考えているのでしょう。
紗枝と家デート
付き合いはじめた純と紗枝。
ファミレスで勉強をしたり、外を歩きながら手を繋いだり、とても良い雰囲気の2人。はたから見ると、どこにでもいる普通のカップルです。
紗枝と付き合ったことで、純が望んだとおりの“普通”が手に入ったかのように見えました。
それでも、純はきっと、心のどこかで”普通になりきれていない”という不安があったのでしょう。その不安を拭うため、紗枝との関係を良くするための練習をしていました。
「三浦(紗枝)さんが好きだよ」と言葉にして気持ちを高めてみたり、試行錯誤を繰り返します。
肉まんで練習するシーンは、とてもシュールな光景で笑ってしまいました。
この時は笑って見ていましたが、結末を知ったあとでは肉まんのシーンさえ胸が痛みます。
練習の成果は?
純の家に、紗枝が勉強をしに来ました。
まずは紗枝にハグして、何度も「好きだよ」と言う純。きっと言葉にすることで、自分に言い聞かせているのだろうと思いました。
その後のキスもうまくいき、肉まんの練習も成果アリ。とてもゲイとは思えないほどの行動力でした。
しかし、結果は失敗に終わりました。
紗枝に「純」と呼ばれた瞬間、純はマコトさんの声を思い浮かべてしまったのです。そこから、風船のように一気に気持ちがしぼんでしまう純。
紗枝とのドキドキシーンには釘付けでした。
しかし、3話を見終わったあとで改めて考えると、純はただ必死に自分の気持ちを高めようとしていただけなのだろうということが分かるんですよね。
なぜなら、純にとって女性とのことは”普通”の中のひとつだから。どうしても普通を手に入れたいから。
普通になって、母親のために家庭を作りたいし、周りに気持ち悪いと思われたくないし、何より、自分で自分を気持ち悪いと思いたくないから。
そんな純の心の叫びが、胸に突き刺さりました。そして、失敗に終わったあと「僕は普通にはたどりつけない。永久に」と声を震わせる純。
普通かどうかは関係なく、そのままの純で十分素敵だし魅力的だと思います。しかし純本人は普通になりたいと思っており、なれない自分に苦しんでいるのですよね……。
結局のところ、自分で自分を”このままの自分でいい”と思えない限り、ずっと苦しみが続いていくのだと思います。
ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』3話のネタバレ感想と考察
見終わったあと、心が痛くて涙が流れました。特にどのシーンが、ということではなく、物語全体がひたすらに苦しい。
人が生きていく中での苦しみや葛藤が詰まっていますし、演じる役者さんたちも全員が素晴らしいです。セリフや表現が文学的なところも引きこまれます。
ところで。本作では、「三浦さん(紗枝)となら大丈夫」という純の心のナレーションが何度も流れます。
純は普通を得たいとは言っても、女性なら誰でもいいというわけではないのでしょうね。確かに紗枝を見ていると、ありのままの自分を受け入れてくれそうな包容力を感じます。
決め付けがないところや常識にとらわれないところも、純が紗枝に惹かれた部分ではないでしょうか。ですから、「三浦さんとなら大丈夫な気がする」という純の気持ちも分かる気がしました。
普通とは何か考えさせられる
本作を見ていると、”普通”とは何だろうと考えさせられます。
世間の多数派が普通なのだとすれば、少数の人間は何なのでしょうか。結局のところ、”普通”というのは個人それぞれが、心の中で決めるものなのかもしれません。
マイノリティの有無にかかわらず、苦しみというのは、自分で自分を認められないことから生まれるような気がします。あるいは、自分で自分を許せない人。そういうタイプの人は、苦しみを抱えていることが多いように思います。
純もいつか”このままの自分でいい”と思えるようになれば、少しは生きやすくなるのかなと。そして、”このままの自分でいい”と思えるキッカケが紗枝であって欲しいとも思います。
他人とかかわらずに生きていくことができても、自分自身とは一生付き合っていかなくてはいけません。なので、純もどこかで自分と折り合いをつけないと、ただ苦しみがつのるだけです。
純はまだ高校3年生。今は苦しくても、いつか自分と折り合いをつけることができるといいですね。ドラマを見る限りでは、紗枝には良い影響を受けているように思えます。