20話
公子楚は夷則善巧が今までに漏らした機密の中に春秋道の糸口が隠れているはずだと言い、高秉燭は夷則善巧が機密を送った先を調べさせていました。そんな中、武思月が高秉燭に十六夜は女だと伝えに来ます。
そこへ機密の送り先は積善博坊だという報告が来ました。高秉燭は十六夜の正体に思い当たり……。
武思月は百里弘毅を安全のために内衛府に滞在させていました。百里弘毅は修練や手配書を書く時の筆の持ち方に口出しをしたために内衛たちの反感を持たれて牢に入れられてしまいます。
隣の牢にいた李済という青年は百里弘毅に、胡人が目の前で臓腑が腐って死んだために自分は濡れ衣の殺人罪で牢に入れられたと言いました。百里弘毅はその事件には父が殺されたのと同じ沙遅蛇毒が使われていたと考えます。
その後、柳然が武攸决に百里弘毅が内衛の牢に入れられていると訴えたため、百里弘毅は牢から出られることになりました。
高秉燭が積善博坊に行くと窈娘は他の客を帰らせ、高秉燭に酒を勧めました。高秉燭が十六夜は本当に君なのかと確認すると窈娘はそれを認め、幼い頃に春秋道に売られて武術を教え込まれたと自分の生い立ちを語りました。さらに十六夜は今まで自分が犯した罪を認めます。
- 5年前に来るべき場所でない場所に来てしまった高秉燭と兄弟分を殺そうとしたが高秉燭だけは殺せなかった
- 春秋道の指示を受けて林父娘を暗殺した
- 内衛の者を殺し護送中の高秉燭を逃がし、わざと奩山の銅で作られた手戟を残した
- 高秉燭を百里家の婚礼に潜り込ませ、百里延殺害の下手人に仕立て上げた
- 積善博坊で船乗りにわざと騒ぎを起こさせ、高秉燭を船に乗り込ませた
そして窈娘は十六夜が船から川に落ちて死んだように見せかけたと言いました。全てを語った後、窈娘は十六夜の黒い衣に着替え手戟を持って来ます。