「馭鮫記(ぎょこうき)前編」15話・16話あらすじネタバレと感想。九尾狐の真相

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「馭鮫記(ぎょこうき)前編」15話・16話あらすじネタバレと感想。仙師の寧清に倒された紀雲禾は囚われの身となり、寧清から寒霜が解けた最初の1人となったことを知らされます。

その一方、鮫人の長意は空明という男に救われ、共に仙師府を倒す運命にあると聞かされました。

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第15話:お尋ね者

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※本記事は、物語が前後する箇所があります。

鹿台山ろくたいさん紀雲禾きうんかは仙師の寧清ねいせいに倒され、従棘所じゅうきょくしょに囚われていました。

そこは石造りの殺風景な空間で、入口と中央にある円状の床は階段で繋がり、床の周りに壁はないためまるで宙に浮かんでいるかのように見えます。床の中心は1段高くなっており、陣のような模様が彫られていました。

目を覚ました紀雲禾は、外で話していた見張り番の会話から鮫人の長意ちょういがまだ見つかってないことを知り、胸を撫で下ろします。ただ、なぜ自分がここに居るのかについては思い出せずにいました。

その頃、長意は川の岸辺で打ち上げられたところを従者の羅索らさくに発見されます。羅索はすぐに長意の治療を行おうとしますが、羅索の霊力では鮫尾と鮫珠を失った長意を治すことはできませんでした。

そこへ金の蓮の方位磁針のようなものを頼りに歩いていた空明こうめいという男が現れ、長意に応急処置を施します。空明は仙師府の追っ手が来るからと長意を羅索に託し、たった1人で仙師の愛弟子の姬成羽きせいうが率いる大勢の追っ手を待ち受けます。

姬成羽は空明の姿を見るなり全員に撤退を命じ、空明に向かって師兄と呼びかけました。実は、空明はかつて寧清の一番弟子で、調薬も陣法も誰よりも優れる姬成羽の師兄だったのです。

そのため姬成羽は仙師府に戻ってほしいと空明に懇願します。ところが、空明にその気はないようで、未だ仙師の寧清の本性を見抜けないのかと嘆きました。

仙師府順徳仙姫じゅんとくせんき汝菱じょりょうは鮫人を逃したことに苛立ち、その怒りを周囲に向けます。

皆が汝菱を恐れて萎縮する中、汝菱の弟で天君の汝釣じょきんだけは違いました。気分を落ち着かせる湯薬を用意したり、汝菱のやり方に少しだけ苦言を呈します。

汝釣は汝菱の傲慢さに頭を抱えており、天君の姉なら節度を守り手本となるべきだと考えていました。また、汝菱を甘やかす寧清と引き離し、天庭に連れ帰って別の師匠に託したいとも思っていました。

人間界の町。空明の治療のおかげで目を覚ました長意は、空明からお尋ね者同士で仙師府を倒さないかと打診されます。

空明によれば、長意は金の蓮が示した人物で、空明と共に戦う運命とのことでした。しかし、紀雲禾に裏切られたと思い込んで心を閉ざしてしまった長意は空明の提案を断ります。

ここまで空明が長意にこだわるのには訳がありました。それは、空明が仙師府の裏の顔を知って逃げ出した際に汝釣と合虚こうきょ神君に出会っていたからでした。失意の底にいた空明は合虚神君から蓮が示す先に縁があるからと、金の蓮を授けられていたのです。

感想

九尾の狐と化した紀雲禾に続いて、金の蓮を持つ空明という男が現れました。この金の蓮は合虚神君が授けたもののようですが、これが長意を示すのはなぜなのか気になります。

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第16話:寒霜が解けた最初の1人

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鹿台山。紀雲禾の救出に失敗した万花谷の谷主の林旲青りんこうせいは、瞿暁星くぎょうせい洛綿桑らくきんそうの元に戻り、今の自分には紀雲禾を救えないゆえ万花谷に帰ることにしました。

仙師府。汝菱はちょう仙使を通じて鮫人と共に逃げたはずの紀雲禾が仙師府にいると知り、直ちに従棘所へと向かいます。

仙師の寧清は紀雲禾を従棘所に連行したが、このことは寧清と愛弟子の姬成羽しか知らない

そこで紀雲禾が寧清によって生かされていると知った汝菱は憤慨し、紀雲禾を殺そうとしました。あまりに生意気な汝菱の態度に紀雲禾は我慢の限界を迎え、またしても九尾狐きゅうびこと化して汝菱に襲いかかります。

するとそこへ寧清が現れ、紀雲禾を拘束して汝菱を助けました。とはいえ寧清は紀雲禾を殺そうとはせず、汝菱に対しても紀雲禾を殺すことは許さないとお灸を据えます。

汝菱を追い払った寧清は、紀雲禾に寒霜かんそうが解けた最初の1人となったことを明かします。紀雲禾の体には天仙の林滄瀾りんそうらんと地仙の卿舒けいしょによって与えられた2つの霊力があり、それらは衝突を繰り返しながら新たな経脈を作り出して寒霜を中和していたのです。

しかも卿舒の霊力は新しい霊丹を生み出していたようで、これにより紀雲禾は双脈と霊丹を持つ怪物となっていました。紀雲禾はこれこそ林滄瀾がやり遂げたかった実験なのだと気づき、長意に死んで詫びるはずがそれも叶わないと皮肉な運命に絶望します。

一方、万花谷に戻った林旲青も寒霜を解く双脈の存在に気づいていました。しかし双脈は簡単に作り出せるものではなく、万花谷の全員を救うには大勢の犠牲が余儀なくされると頭を抱えます。

鹿台山。長意は従者の羅索と共に東海に戻ろうとしていたところ、東海が封鎖されていることに気づきます。

すぐさま長意は術の出所を辿り、張仙使が率いる仙師府の者たちの元へとやって来ました。これは汝菱が考えた長意を呼び出すための作戦で、汝菱は長意の父である鮫王を始め一族を皆殺しにしていました。

長意は鮫王の霊丹に気を取られた一瞬の隙を突かれ、仙師府の者たちから一斉攻撃を受けます。長意を目掛けて放たれた矢は鮫王の霊丹ごと胸を貫き、長意が動けなくなったその時、海から王の権杖けんじょうが飛んできて長意を救いました。

王の権杖の衝撃で長意の胸に突き刺さった矢は消滅し、そこへ空明が現れます。空明は移動術を使って長意たちを安全な場所へと連れて行きました。鮫族を殺された長意は心を決め、空明と共に仙師府に復讐を果たすことを決意します。

感想

常々、汝菱の傲慢さは目に余るものがありましたが、まさか長意を呼び出すために鮫族を皆殺しにまでするとは思いませんでした。何の罪も犯していない長意が、汝菱の気まぐれによってここまで虐げられるのは心が痛みます。

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本ページの情報は2023年12月のものです。最新の情報は公式ページまたは動画配信サービスにてご確認ください。