「馭鮫記(ぎょこうき)前編」17話・18話あらすじネタバレと感想。万花谷の谷主の林旲青はかつての仙侍の思語を復活させ、共に寒霜の克服に取り組みます。紀雲禾は従棘所の中でも霊力を制御する修練を行い、長意は新たな同盟を組むべく北淵の九尾狐族の元を訪れていました。
第17話:蘇り
万花谷。谷主の林旲青は霊蛇窟を訪れ、1匹の蛇を近くに引き寄せます。
次の瞬間、蛇は人間の姿に変わり、かつて林旲青の仙侍だった思語が姿を現します。思語は林旲青に対する想いが発覚して始末されたように思われましたが、実は林旲青は思語の命を取りませんでした。
林旲青は今こそ信頼できる友人が必要だとの理由から、自ら犠牲となった思語を再び仙侍にすることにしました。思語が復活したことは、瞿暁星を通じて万花谷の者たちに知らされます。
こうして林旲青は思語と共に寒霜の克服に取り組み、万花谷の谷主として生きる覚悟を決めました。
北淵。鮫人の長意は、従者の羅索と仙師の一番弟子だった空明と共に北淵の凌霜台付近を訪れます。
これまで多くの同志を仲間にしてきた長意たちでしたが、まだ仙師府に抗うほどの勢力には程遠く、新たな同盟を組もうと考えていました。そこで境遇が似た北淵の九尾狐族なら手を貸してくれると踏み、長意たちは狐王の卿玄の元を目指します。
北淵の九尾狐族は、順徳仙姫の汝菱に従順な凌霜台の暴虐に悩まされている
その道中、長意たちは凌霜台に因縁をつけられて襲われる九尾狐族と遭遇します。長意たちは協力して九尾狐族を助け、王女の卿瑶の信頼を得ました。
しかし、長意たちが会いにきた狐王の卿玄は凌霜台に囚われていることが判明します。
従棘所。汝菱の強い恨みを買った紀雲禾は烙印をつけられたりと、汝菱に虐げられる日々を送っていました。
それでも紀雲禾は決して屈せず、いつも長意のことを想っていました。そして、従棘所から脱出すべく体内で暴れる2つの霊力を操ろうと奮闘します。
そんな中、従棘所に紀雲禾が御霊した地仙の罪人たちが送られます。これは汝菱の作戦で、御霊された者たちなら紀雲禾に対する恨みも根深いゆえ、罪人たちに恨みを晴らさせようとしたのです。
そんな汝菱の思惑とは裏腹に、姑獲鳥を始めとする罪人たちは紀雲禾の助けとなることを誓いました。一方、青羽鸞鳥の青姫は雪三月が持ち帰った霊薬を使い、離殊を完全な人の姿に復活させます。
第18話:反撃
万花谷。寒霜の発作に倒れた雪三月は解毒薬を求め、万花谷を訪れます。
内殿に侵入した雪三月は谷主の林旲青と仙侍の思語の声を辿り、密室の存在に気づきました。雪三月は林旲青たちが内殿を後にしたのを見計らい、密室をこじ開けて解毒薬を探します。
ところが、密室の鍵となる谷主の令牌は侵入者を探知できるようになっており、異変を察知した林旲青が内殿に戻ってきました。すんでのところで解毒薬を見つけ出した雪三月は林旲青の制止を振り切り、その場を後にします。
林旲青は雪三月を必死に追うも洛綿桑と離殊に邪魔をされ、万花谷にあった全ての解毒薬を失ってしまいました。解毒薬を手に入れた雪三月は薬を飲む前に力尽き、そのまま倒れ込んでしまいます。
従棘所。罪人たちに虐げられる紀雲禾の声は、従棘所の外まで響いていました。
これには見張り番も驚いたようで、紀雲禾も落ちぶれたと呆れ返ります。しかし実はこれは紀雲禾の声ではなく、罪人の1人が虐げられる紀雲禾のふりをしていただけでした。
罪人たちは紀雲禾を助けるべく、わざと大きな声で騒ぎ、刀や斧などを使って紀雲禾が激しく虐げているように見せたのです。そんな中、紀雲禾は密かに霊力を制御するための修練を行っていました。
すると、紀雲禾に姑獲鳥が近寄り、手の中で力が暴れて成形の域には達していなかったと助言します。紀雲禾がここを出て長意を救うために修練していると知った姑獲鳥は、紀雲禾の修練の手助けを買って出ました。
北淵。鮫人の長意は凌霜台に囚われた狐王を救出すべく自ら狐族の人質となり、狐王との交換を凌霜台に要求することにしました。
もちろんこれは長意の計画で、狐族も承知のうえです。早速、王女の卿瑶の使者を通じて凌霜台との交渉が行われ、明日人質の交換が行われることになりました。
このことは汝菱の耳にも届き、汝菱は自ら長意を引き取りに行くことを決めます。汝菱が自ら出向くのには、汝菱に歯向かって逃げ切れる者などいないということを皆に知らしめるという理由がありました。
翌日。長意は拘束されて卿瑶に連行される形で、凌霜台の台主の朱凌の元へとやって来ました。
先に長意を引き渡すよう求める朱凌に対し、卿瑶は狐王の姿を見なければ長意を殺すと彼の首に剣を向けます。朱凌はキラキラと輝く塔を取り出すと、狐王は塔の中におり、長意を引き渡せば解き放つと持ち掛けました。
仕方なく卿瑶は長意を引き渡しますが、長意が朱凌に攻撃を仕掛けたことから交渉は決裂し、狐族と凌霜台は激闘を繰り広げます。