「馭鮫記(ぎょこうき)前編」3話・4話あらすじネタバレと感想。恋人へと発展

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「馭鮫記(ぎょこうき)前編」3話・4話あらすじネタバレと感想。鮫人の教化に苦戦する林旲青はライバルである紀雲禾を貶めようと、鮫人の居る思過窟で熱波を起こします。

まんまと鮫人の救出に向かう紀雲禾でしたが、紀雲禾にはある作戦がありました。また、新たに戦部統領の雪三月が鮫人の警備に加わり、紀雲禾は思い通りに動けなくなりますが……。

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第3話:初めての言葉

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※本記事は、物語が前後する箇所があります。

万花谷ばんかこく御霊師ぎょれいし紀雲禾きうんかから貰った凝雪丸ぎょうせつがんのおかげで体調が良くなった鮫人を、突然の熱波が襲います。

これは紀雲禾と鮫人の教化を競う谷主の息子の林旲青りんこうせいの仕業で、わざと鮫人のいる洞窟で熱波を起こして紀雲禾に鮫人を救出させようと目論んでいました。

もし林旲青の思惑通りに紀雲禾が鮫人を洞窟から外に出せば、紀雲禾は牢破りの幇助ほうじょという重罪に問われ、鮫人の教化からの脱落を余儀なくされるからです。

林旲青が鮫人を熱波で苦しめていることは、御霊師の瞿暁星くぎょうせいを通じて紀雲禾の耳にも入り、紀雲禾は鮫人の元へと急ぎます。そこへ林旲青と仙侍の思語しぎょのやり取りを一部始終見ていた紀雲禾の仙侍の洛綿桑らくきんそうが駆けつけ、全ては林旲青の罠なのだと忠告しました。

しかし紀雲禾は全てを把握したうえで、鮫人の救出を行うと豪語します。紀雲禾は鮫人の義理堅い性格を利用し、鮫人を助けて恩を売ろうと考えていたのです。

紀雲禾は瞿暁星と洛綿桑の協力を得て、何とか鮫人を救い出すことに成功しました。ひとまず鮫人を自宅へと連れてきた紀雲禾でしたが、すぐに林旲青が現れ、状況の説明を求めます。

紀雲禾は怯える鮫人に対し、「あなたを死なせない」と約束して外に出ようとします。すると、鮫人は紀雲禾の名前を呼び、危険だと紀雲禾の身を案じました

紀雲禾は初めて鮫人が口を利いたことに加え、鮫人が自分の名前を覚えていたことに喜びます。そして、林旲青のやり口は熟知しているから平気だと鮫人を落ち着かせて外に出ます。

その後、紀雲禾は鮫人が口を利いたことを明かし、林旲青を出し抜きました。ただし、紀雲禾の発言だけでは本当に鮫人が口を開いたかを判断できないことから、明日谷主の林滄瀾りんそうらんの前で鮫人が口を利けるのかを披露することになりました。

その夜。紀雲禾は突然の体調不良に襲われ、倒れ込みます。

実は、紀雲禾は家の前で林旲青と話していた際に思語からの攻撃を受けており、その攻撃に使われた暗器には猛毒が仕込まれていました。紀雲禾はみるみるうちに体調が悪化していき、息も絶え絶えになっていきます。

洛綿桑が必死に死なないでと懇願する中、近くで様子を伺っていた鮫人は自ら鱗を剥がして紀雲禾に与えました。鮫人の鱗は紀雲禾の毒を制し、紀雲禾は一命を取り留めます。

ところが、紀雲禾に鱗を与えた鮫人は力尽き、その場に倒れ込んでしまいました。

感想

ようやく鮫人が紀雲禾に心を開き始めたところだっただけに、ここで紀雲禾が鮫人を利用していたことが本人にバレてしまったのはかなりの痛手に違いないでしょう。ここからどうやって紀雲禾が挽回するのか楽しみです。

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第4話:恋人

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万花谷。御霊師の紀雲禾による鮫人の教化は、万花谷で最強の将とされる戦部統領の雪三月せつさんげつが警備についたことで、さらに不自由になります。

そこで紀雲禾は雪三月の弱みを握るべく、雪三月の仙侍の離殊りしゅの後を追っていました。すると、藤の木の下で離殊と雪三月が口づけしているところを目撃します。

万花谷では天仙と地仙の恋はご法度とされているため、紀雲禾はこれを切り札に雪三月を取り込もうと考えました。

思過窟しかくつ。紀雲禾は鮫人の警備をする雪三月を訪ねると、藤の木の下で雪三月と離殊を見たと話し、雪三月に友人となり手を貸すよう提案しました。

しかし雪三月は離殊との関係を知られた以上は生かしておけないとして、紀雲禾に攻撃を仕掛けます。咄嗟に紀雲禾は洞窟の中へと走り出し、鮫人の長意ちょういと共に逃げようとしました。

その頃、仙侍の思語を通じて騒動を知った林旲青も思過窟へと向かっていました。

現在、鮫人の強化を行う紀雲禾と林旲青は、それぞれ罰として雪三月により3日間の謹慎を言い渡されている

窮地に立たされた紀雲禾は長意を拘束し、皆の前で口づけを交わしました。そして、自分たちも恋人同士であり、違反はお互い様ゆえ密告はしないと主張します。

そこへ林旲青が現れ、自分と同じく謹慎中のはずの紀雲禾が思過窟にいる理由を雪三月に尋ねます。雪三月は少し悩んだ後、鮫人が本当に口を利けるのか知りたくて立ち合わせたのだと嘘をつき、何とかその場をしのぎました。

その後、紀雲禾は雪三月と離殊を連れ、”氷墓”と呼ばれる場所へやって来ました。そこで紀雲禾は万花谷の御霊師となった者が忠誠の証として、谷主からうなじにつけられる寒霜かんそうの印についての秘密を明かします。

寒霜の印には体に制約をかける効力があり、発作が起きるたびに経脈が凍り霊力を封じられ、解毒薬を飲まないと苦悶するとのことでした。

谷主の林滄瀾はこの手法で御霊師を支配しており、紀雲禾のように逆らう者には体内の寒霜を駆り立て苦しめ、従順な者にはこっそり解毒薬を服用させていたのです。

それでもまだ紀雲禾を疑う雪三月に紀雲禾は、自ら寒霜の印を消せるかを雪三月に試させたうえ、氷墓に眠る大量の令牌れいはいを見せました。ようやく紀雲禾の話を信じた雪三月でしたが、用心深い雪三月は3日以内に鮫人と真の恋人なのかを証明するよう紀雲禾に言い渡します。

早速、紀雲禾が長意と真の恋人になろうと悪戦苦闘する傍ら、林旲青は思過窟での紀雲禾と雪三月の様子がおかしかったことに気づいていました。2人は何を企んでいるのかと、思いを巡らせます。

感想

どこまでも律儀な鮫人の長意は戸惑いながらも紀雲禾の恋人になることを受け入れましたが、これが全て紀雲禾の策略だと知ったらと思うと胸が痛みます。ただ、紀雲禾も長意に情は湧いているようですし、2人が本当の両思いになるのも時間の問題な気がします。