「馭鮫記(ぎょこうき)前編」7話・8話あらすじネタバレと感想。愛憎の念

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「馭鮫記(ぎょこうき)前編」7話・8話あらすじネタバレと感想。寒霜の解毒薬を手に入れた紀雲禾は思過窟にいる鮫人の長意を迎えに行きますが、そこには青羽鸞鳥を封印していた十方陣があり、2人は陣の中へと吸い込まれてしまいます。そんな中、戦部統領の雪三月は青羽鸞鳥に連れられ、万花谷を後にします。

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第7話:十方陣

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※本記事は、物語が前後する箇所があります。

万花谷ばんかこく御霊師ぎょれいし紀雲禾きうんかは、寒霜かんそうの解毒薬を探し当てます。解毒薬を仙侍の洛綿桑らくきんそうに託し、紀雲禾は鮫人の長意ちょういを迎えに行きます。

しかしその頃、谷主たちは青羽鸞鳥せいうらんちょうを封印しようと十方陣を敷き直しており、長意のいる思過窟しかくつは今にも崩れ落ちそうになっていました。

慌てて紀雲禾が中に入ると、そこには陣眼じんがんに吸い込まれそうになる長意の姿がありました。紀雲禾に待つよう言われた長意は、崩れかけの思過窟の中でも律儀に紀雲禾を待っていたのです。

何とか長意を救おうとする紀雲禾でしたが、陣眼はもの凄い勢いで周囲の物を吸い込んでいき、ついに紀雲禾と長意も陣眼の中へと吸い込まれてしまいます。紀雲禾たちが陣眼に吸い込まれる瞬間を、谷主の息子の林旲青りんこうせいが目撃していました。

一方、青羽鸞鳥は戦部統領の雪三月せつさんげつを連れて万花谷を脱出します。これは、命懸けで雪三月を守った仙侍の離殊りしゅが、最期に雪三月を青羽鸞鳥に託したからでした。

青羽鸞鳥を逃した万花谷は、もしこのことが仙師府に気づかれれば谷の全員が懲罰を余儀なくされるため、水面下で青羽鸞鳥の捜索を行うことにします。

また、谷主の林滄瀾りんそうらんは鮫人の教化を早く成功させれば、仙師に代わり仙師府の業務を担う仙姫の機嫌を取ることができ、無事に収まるかもしれないと考えていました。

直ちに、万花谷では青羽鸞鳥と鮫人の捜索が行われます。十方陣の中。陣眼に吸い込まれた紀雲禾と長意は、濃霧が広がる森のような場所にいました。

十方陣の中はたくさんの草木が生い茂り、小屋と池もあって、まるで桃源郷のようなところでした。紀雲禾は小屋を片し、紀雲禾の代わりに怪我を負った長意は沐浴で傷を癒します。

こんな状況でも紀雲禾や雪三月たちを気遣う長意に紀雲禾は心を痛め、心優しい長意を騙し続ける罪悪感に苛まれていました。自問自答に駆られる紀雲禾は、万花谷を出たら長意とは離れ離れなるゆえ早めに突き放そうと決意します。

翌朝。紀雲禾は長意に呼ばれて外に出ると、大きな魚を用意して待つ長意の姿がありました。長意は滋養を補えば霊力が戻るかもしれないと考え、紀雲禾のために魚を獲っていたようです。(※十方陣の中では霊力が使えない)

早速、長意は紀雲禾に食べさせようと魚に手を伸ばした瞬間、魚は金色に光り跡形もなく消えてしまいました。突然魚が消えたことを不思議がる長意をよそに、紀雲禾はある仮説に辿り着きます。

もしこの小屋がここに閉じ込められていた青羽鸞鳥によって作られたのであれば、この池は外の霊力が流れ込む場所であり、その源を辿れば外に出られる

紀雲禾が池の水を触って確認していると、池の中心が渦巻き、全身黒づくめの青羽鸞鳥が現れました。青羽鸞鳥は御霊師に強い恨みを抱いているようで、池の側にいる紀雲禾に襲い掛かろうとします。

感想

まさか十方陣が近くのものを吸い込むとは驚きました。そして、やはり林旲青は紀雲禾のことを想っているようですが、何故すぐに紀雲禾を助けに行かないのか不思議です。

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第8話:愛憎

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十方陣の中。紀雲禾は、池から現れた青羽鸞鳥の付霊から寧若初との間に起きた出来事について聞かされます。

池から現れたのは青羽鸞鳥の付霊で、恋人である寧若初ねいじゃくしょの帰りを1000年も待ち続けていました。恋人同士だった青羽鸞鳥と御霊師の寧若初は世間の理解を得られず、山奥で地位も名誉も手放してひっそりと暮らしていました。

ところが、ある日2人は御霊師に居場所を突き止められてしまいます。青羽鸞鳥が応戦してその場を後にするも事態は深刻化し、青羽鸞鳥と寧若初は離れ離れになります。

寧若初は亡くなった師匠を供養すべく万花谷に戻り、青羽鸞鳥は外で寧若初の帰りを待ちました。その後、青羽鸞鳥は寧若初と再会を果たし、十方陣の中で添い遂げるという寧若初の提案を受け入れます。

寧若初は青羽鸞鳥を十方陣に封印した後、人間界を巡り歩くように見せかけて陣に入るとのことでした。すっかり寧若初の言葉を信じた青羽鸞鳥は、自ら陣の中へと入っていきます。

こうして陣の中で暮らし始めた青羽鸞鳥は十方陣の外で寧若初が命を落としたことを知らず、ただただ彼の帰りを待ち続けていたのでした。全ての事情を把握した紀雲禾は青羽鸞鳥の望みを叶えるため、寧若初に扮して青羽鸞鳥の付霊に接触を図ります。

青羽鸞鳥の付霊は寧若初との再会を喜び、心底嬉しそうに水面を舞っていました。そんな青羽鸞鳥の姿を目の当たりにした長意は鮫人の歌を歌い、歌声で水を操ります。

すると、池の中から寧若初が現れ、青羽鸞鳥の付霊は寧若初と共に消滅しました。青羽鸞鳥の付霊を見届けた紀雲禾は永遠に一緒にいることを長意に誓い、共に池に現れた渦の中へと飛び込みます。

万花谷。目を覚ました紀雲禾は、谷主の仙侍である卿舒けいしょから事情を聞かされます。紀雲禾と長意が飛び込んだ渦の先は谷主の裏庭の池に通じており、紀雲禾は昏睡状態だったことから自宅に運ばれたようです。

紀雲禾を守ろうと死闘を繰り広げた長意は、再び思過窟に捕らわれてしまいます。その一方で、戦部統領の雪三月は青羽鸞鳥に連れられ、楽游山に匿われていました。しかし雪三月は仙侍の離殊に、青羽鸞鳥は寧若初に対する愛憎の念に駆られていました。

感想

紀雲禾が渦に入る前に長意に話したことは本心なのか気になります。特に紀雲禾の心はコロコロと変わるので、長意に対して約束した”永遠に一緒にいよう”というのもどこまで本気なのかわかりません。

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本ページの情報は2023年12月のものです。最新の情報は公式ページまたは動画配信サービスにてご確認ください。