玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~:15話・16話・17話のあらすじとネタバレ感想。
許清嘉は新しい県令の赴任後に襄州府の通判に任命されることになりました。許清嘉を家に訪ねて来た寧王に胡嬌は平然と質素な食事を出し……。
15話 高正の正体
朱県令の一味だった陳相談役は実家へ逃れようと夜の山道を急ぎます。するとその前に覆面の男が立ちふさがり、陳相談役を斬りました。
その後、軍の調べで実は朱県令は銀鉱の件の黒幕を知らず、陳相談役が黒幕との連絡係だったことが判明するのでした……。
回復して復職した高正は許清嘉に自分の正体を次のように明かしました。
自分は孤児だったが、賈昌に保護されて賈府の護衛をしていた。今は賈昌の意向で許清嘉を守るために上庸に派遣されている。
また以前、許清嘉が両親の墓のそばでオオカミに襲われた時も、実は賈権がオオカミを退治して許清嘉を守ったとのこと。
許清嘉は縁談を断って心証を悪くしたと思っていた賈昌が配下たちに自分を守るように指示したことを不思議に思うのでした。
その頃賈府では、賈権から許清嘉が上庸で銀鉱の件を解決したとの報告を聞いた賈昌がその手腕に感心していました。
そこへ寧王妃である賈昌の長女が訪ねてきます。賈昌の長女が寧王妃になったのは次のような経緯がありました。
寧王には妻同然にしている庶民の女性、若柒がいた。息子が生まれて寧王は若柒を正式に娶ろうとしたが、皇帝は許さず賈昌の長女に寧王に嫁ぐよう聖旨を出した。しかし嫁いで3年経っても寧王は寧王妃に心を開かない。
寧王妃は寧王を振り向かせるために若柒の産んだ息子である小貝の世話をしようとしたが、小貝は全く懐かなかったとのこと。挙句の果てに寧王は小貝を連れて黙って兵営に移り住んでしまったとのことでした。
話を聞いた賈昌は寧王妃に味方するどころか、その行動をこざかしいと言って批判します。寧王妃は憤慨して出て行ってしまいました。
実家を出た寧王妃は兵営に行って小貝を連れ戻すことを思いつくのでした。
上庸では寧王が許清嘉の家に来て、新しい県令の赴任後に許清嘉を襄州府の通判(地方行政の監督官)に任命することを伝えていました。
その後、胡嬌が寧王に出した食事はとても質素なもの。許清嘉は急な来訪だったのでと言いつくろいますが、胡嬌は平然としています。
さらに寧王は民情の視察のためにここに何日か泊めてほしいと言い出しました。翌朝、寧王が胡嬌を見てにやけているのを覗き見た許清嘉は心配になり、崔五郎に相談します。
外出した帰り道、崔五郎が寧王に胡嬌のことを尋ねると、寧王は胡嬌が若柒に似ているから夫婦仲に協力したいと思っただけだと言いました。寧王は許清嘉に”雌虎の手なづけ方”を教えてやると言うのでした。
その後、寧王が許清嘉に書斎で”雌虎の手なづけ方”を講義していると、胡嬌が飛び込んできて寧王に包丁で斬りかかります。武芸も達者な寧王は身をかわしますが、髪の一部が切り取られてしまうのでした。
威勢を削がれた寧王は胡嬌のために肉と酒を買いに行き、それを置いて兵営に帰ってしまいます。その酒で酔っぱらった胡嬌は許清嘉に「一緒に寝て」と言いますが、翌朝、臘梅に尋ねると許清嘉は書斎で1人で寝ていたとのこと。
許清嘉と一緒に寝たい胡嬌は、許清嘉が床で寝る時に使う筵を捨ててしまうのでした。
その日、県庁に方言しか話せない老人が村のもめ事を訴えてきますが、役人の中には方言を理解できる者がいません。
過去の記録を調べた許清嘉は今まで方言がわからないために地元民の事件はうやむやにされていたことを知ります。
16話 胡嬌と玉娘の作戦
夜になり、許清嘉は寝る時に床に敷いていた筵がなくなっていることに気づきました。許清嘉は先に寝台に寝ていた胡嬌に尋ねますが、胡嬌は壁の方を向いて寝たふりを続けます。
許清嘉は仕方なく胡嬌の横の寝台の空いているところに横になりました。胡嬌は喜んで目を開けますが、許清嘉はもう眠っていたのでした。
ある日、玉春楼に常連客の劉氏が来ます。劉氏は最近所有地から掘り出された財宝を売って金ができたと言って玉娘に言い寄ってきました。玉娘が嫌がっているところへ偶然高正が来ます。劉氏は逃げ出しました。
高正は玉娘にさっきのような客が来るから店をたためと言います。玉娘は自分の仕事に誇りを持っていると言って高正に追い返しました。その後、玉娘は箪笥の中にある隠し部屋に入って行くのでした……。
許清嘉は、地元民との橋渡し役として標準語も方言も話せる人を主簿にしたらという胡嬌のアドバイスを受けて、石羊塞で知り合った莫慶を任用します。
人事が整い、許清嘉は着任前から考えていた地元民の子供のための学堂の建設にいよいよ着手することにしました。
税収で学堂が建てられると考えていた許清嘉でしたが、莫慶は働き盛りの者は銀鉱で酷使されて体を壊し困窮しているので税収では無理だと訴えます。
そこで許清嘉は学堂建設のために寄付を募ることにしますが、思うように集まらないのでした。
一方、許清嘉との床入りを果たしたい胡嬌は玉娘に指導を仰いで許清嘉を誘いますが、効果がありません。その話を聞いた玉娘は、許清嘉が乗ってこないのは今何か悩んでいることがあるからではないかと言いました。
胡嬌は許清嘉から学堂建設のための寄付が集まらなくて悩んでいることを聞き出します。
その悩みを解決するために胡嬌は許清嘉に相談なく”学堂建設のために最高額を寄付した者が玉娘を娶れる”という催し物を開催。催し物を知った高正が許清嘉のところに怒鳴り込んできて、許清嘉は慌てて高正と会場に向かいます。
催し物に当然参加していた劉氏は自分が最高額寄付者だと思い込んでいました。
ところが最高額者として読み上げられたのは”玉氏”。その寄付金を持参した男性は自分は玉娘の代理人だと名乗りました。玉娘は自分で自分を買った形となったのです。
17話 学堂の完成
劉氏は卒倒し、他の寄付者たちも騙されたと言って帰って行きました。
実は玉娘はこの催し物で高正の気持ちを確かめたいと思って胡嬌に協力したのです。催し物が終わった後、玉娘は高正に自分で描いた高正の姿絵を渡すのでした。
ある日、許清嘉と胡嬌は学堂に入学予定の李爍という少年の家を訪問します。李爍の父の李氏はもともと庭師だったが銀鉱で働かされた時に脚を痛めて仕事ができなくなったとのこと。
李爍の姉の李芍薬を手伝おうと台所に行った胡嬌は李家にほとんど米がないことに気づきます。
胡嬌は李芍薬が自分も学堂に行きたくて家の外でこっそり泣いているのを見て、許清嘉に学堂には女子も入学できるのか確認するのでした。李姉弟は無事に一緒に通学することになります。
授業が始まり、玉娘が高正を連れて学堂を訪問しました。玉娘は高正に学堂で武芸の指導をする約束を強引に取り付けます。
玉娘は学堂で茶芸を教える予定でしたが、胡嬌は茶芸より前に家でろくに食べることのできない子供たちに学堂で食事を出すために自分に料理を教えてほしいと頼みました。
その後、胡嬌は郷里に伝わる処方で作った薬で李氏の脚を治します。胡嬌は銀鉱で脚を痛めた他の人々にも薬を作ってあげようとしますが、生薬が値上がりして作り続けられなくなってしまうのでした。
胡嬌は県庁の役人を動員して山で生薬を採り、それで作った膏薬を薬局に卸して稼ぐことを思いつきます。
数日後、李一家が許清嘉と胡嬌の家に来てこれまでのお礼に郷土料理を作り、李氏は庭師の腕を活かして庭に素敵な芍薬の花壇を作ってくれました。
許清嘉は芍薬の花を見て胡嬌に愛の詩を詠みます。その夜、許清嘉と胡嬌は床入りを果たすのでした。
一方、寧王妃に兵営から小貝を連れ戻されるのを阻止したい寧王は、小貝を許清嘉と胡嬌に預けて学堂に通わせることを思いつきます。