玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~:21話・22話・23話のあらすじとネタバレ感想。
高正が夜市に出店している玉娘に会いに行くと、玉娘は自分の生い立ちを語りました。一方、襄州で薬採りの農民たちに話を聞きに行った胡嬌は以前川で助けた華拓と再会し……。
21話 玉娘の生い立ち
高正は夜市に出店している玉娘に会いに行きました。2人で夜市見物をした後、玉娘は自分の生い立ちを次のように話します。
父は戸部の官吏だったが、投獄され流刑地への道中で死んだ。母は病死、弟は生まれた時から体中にできものがあり高価な薬が必要だった。
父が捕まって財産が役所に没収されたので自分は弟の治療費のために技芸を磨いて職を得た。
自分を追っている都の役人は弟の存在を知っているので、素性を知られないように上庸では弟をずっと玉春楼の隠し部屋に隠してきた。
弟に十分な薬を買ってやるために富豪や汚職役人とも付き合わざるを得なかった。都の役人は窃盗事件の犯人として自分を追っているが、それは何者かに罪を被せられたもの。
高正はいつか都へ転任を願い出て玉娘の疑いを晴らすと約束しました。そして高正は3日後に襄州へ発つので城門の前で待っていると言い残して帰ります。
3日後、高正が待っていると玉娘が旅支度を整えて1人で城門に来ました。玉娘は玉春楼を売って3年分の薬代を作り、医師に弟を預けて来たとのこと。高正と玉娘は一緒に襄州へ向かうのでした。
襄州で生薬市場を牛耳る南封斎のやり方をおかしいと思った胡嬌は、薬採りの農民たちに話を聞きに行きました。農民たちが皆口を閉ざす中、胡嬌は襄州に来る時に川で助けた青年、華拓と再会します。
華拓は次のように話しました。
3年前に南封斎が何か手を打ったらしく襄州の薬局が軒並み閉店、外地の買い付け人も来なくなって生薬の売り先が南封斎だけになった。そのため安く買い叩かれるように。
今、襄州にある薬局は違う店名でも全部南封斎の傘下の店。
外地に売りに行きたくても襄州の周りは道が悪く、盗賊も出るので危険で行けない。商売替えをしたくても州府から通達があって自分たちは畑を売ってもらえない……。
胡嬌は南封斎の悪事には役人が絡んでいると気づきました。
帰宅した後、胡嬌が許清嘉たちと深夜まで南封斎に対抗する策を考えていると、襄州に到着した高正と玉娘が訪ねてきます。胡嬌は高正と玉娘に薬の商いを手伝ってくれるように頼むのでした。
22話 本当の黒幕
翌日、州府に出勤した許清嘉は勇気を出して韓知府に甥が襄州の生薬業を独占しているのではないかと詰問しました。
ところが韓知府は甥は子供の頃から寝たきりで、知府としての忠誠心を示すために甥の名義貸しをさせられているだけだと答えたのです。
許清嘉は詳細を聞き出そうとしますが、韓知府は役所内で話すことに難色を示します。そこで許清嘉は韓知府に茶楼で一席設けることにしました。
茶楼で韓知府は南封斎を仕切っているのは湯澤で、表向きの店主は韓文芳という女性だと明かします。また韓知府は、許清嘉には寧王という後ろ盾がいるだろうと言って、湯澤にも大物の後ろ盾がいることを匂わせました。
そして韓知府は南封斎の独占で得られた利益は戸部や皇家の一部にも流れているので、この件には関わるなと許清嘉に忠告するのでした。
その翌日、許清嘉は湯澤に直接南封斎を仕切っているのかと尋ねますが、湯澤は自分は指示を受けて切り盛りしているだけで誰の指示かは明かせないと言います。
夜になり湯澤は南封斎に行き、大量に発注していた生薬の龍骨の入荷状況を尋ねました。韓文芳が”あの方”はだいぶ長く龍骨を服用して……と言いかけると、湯澤は余計なことは言うなと言って遮るのでした。
一方、胡嬌は華拓を訪ね、生薬を南封斎の5割増しの値段で買うと交渉します。
その話を聞いた湯澤は許清嘉に自分の後ろ盾を明かして脅そうと考えました。湯澤は許清嘉に自分の背後にいるのは、皇后の実父の傅太師(皇帝の師で補佐役)だと言います。
それを聞いた許清嘉は脅しに屈するどころか、太師は普通の大臣よりも民を重んじるべきなのに過ちを犯すとは大バカ者だと言い返したのです!湯澤は身の程知らずめと捨て台詞を吐いて立ち去りました。
後日、高正を用心棒につけ、胡厚福と永寿が農家に生薬の買い付けに行きます。その帰り道、山賊に扮した南封斎の者が一行の行く手を阻みました。
高正が荷車に近づいてきた1人の男を蹴り倒し、大刀を取り出すと一味は逃げて行くのでした。
翌日、胡嬌が経営する胡記薬局に南封斎の者たちが来て、高正が蹴り倒した男の骸を見せて高正に殺されたと騒ぎました。高正は致命傷は負わせていないと言いますが、役人もやってきます。
高正は店での騒ぎを大きくしないために自ら役人に連行されて行くのでした。
23話 林翠の名案
高正は投獄され、許清嘉の家の前に”薬局を閉店すれば高正は釈放する”という内容の手紙が置かれます。許夫妻は店を閉めようとしますが、玉娘は脅しに屈したと知ったら高正が悲しむと言って止めるのでした。
翌日、玉娘は獄中の高正に食べ物を持って行きます。高正は拷問で傷だらけになった姿を見せまいと帰るように言いますが、玉娘は高正を呼び続けました。そして玉娘は泣きながら高正に持ってきた食べ物を食べさせるのでした。
一方、許清嘉は韓知府に高正の釈放を直訴しますが、関与できないと言われてしまいます。ただ韓知府は高正への拷問を止めさせることだけは約束してくれました。
胡嬌へは韓文芳から茶楼へ呼び出しがありました。韓文芳は胡記薬局の南封斎の傘下入りを打診しますが、胡嬌はきっぱりと断ります。
その後、南封斎が胡記薬局で薬を買わないよう町人を脅し始めたので胡嬌は売り上げもなく、用心棒の高正もいないため農家に仕入れに行くことができなくなりました。
在庫を抱える農家の弱みに付け込み、南封斎は生薬を買い叩いていた値段よりもさらに2割安く買い取ると言い出します。その上、今後は胡記薬局には生薬を売らないと誓うようにと農民たちを脅すのでした。
華拓から話を聞いた胡嬌は店と土地を担保に借金をして農家から生薬を仕入れます。ところが金貸しの背後には韓文芳がいて、期日までに借金を返せなければ店をもらうと言ってきたのです。
仕入れはしたものの、店に客が来ないため生薬を売る方法がありません。そんな中、林翠が兄の鏢局に運送を頼んで生薬を故郷の雲莱鎮で売ればいいと提案しました。
林翠の案は成功し、胡嬌は借金を期日までに返済して店を守ることができたのです。また胡嬌は薬採りの農家に林阿牛の鏢局を紹介し、これからは南封斎に搾取されずに生薬を外地で売ることができると伝えました。
農民たちは喜び、その中の1人が高正が蹴った後にその男を殺したのは湯澤の配下の査辟という人物だと証言してくれたのです。