玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~:27話・28話・29話のあらすじとネタバレ感想。胡嬌は半月ほど施術用の原料の買い付けに出かけることになります。
その間に店の向かいに大富貴という鬆鬆坊とそっくりな店ができ、鬆鬆坊は客を奪われ休業する羽目に……。
27話 競合店
鬆鬆坊の施術用の原料が切れそうになり、胡嬌は店番を許清嘉に頼んで半月ほど買い付けに出かけることにします。許清嘉は今度こそ胡嬌の役に立てると張り切りますが、施術に余計な口出しをして店員から苦情が出る始末。
胡嬌の留守中、先日の”バカな金持ち”甄富貴が買い取った旅館を改装して鬆鬆坊の向かいに”大富貴”という店を開きました。なんと大富貴は鬆鬆坊とそっくりな施術をする店だったのです。
しかも価格は鬆鬆坊より2割安く、店も広いので待ち時間も少ないとのこと。鬆鬆坊は大富貴にすっかり客を奪われ、休業に追い込まれてしまいます。
買い付けから帰ってきた胡嬌は客を取り戻すために大富貴を偵察することにしました。皆で変装して客として大富貴に行きますが、すぐにバレて追い返されてしまいます。
次に胡嬌は林翠に頼み込み、不細工な化粧をしてもらって大富貴に行かせました。
林翠は大富貴は施術の原料の調合が悪く効果の持ちが悪いと気づきます。また大富貴で出される菓子も美しいのは見た目だけで脂っこくて甘すぎるものでした。
そのため林翠は大富貴に来ていた客に鬆鬆坊は明日から再開すると宣伝して帰っていきます。おかげで鬆鬆坊は客を取り戻しました。
甄富貴は次の策を考えるのでした。
28話 許清嘉の再起
甄富貴は鬆鬆坊から出て来た客に声をかけて鬆鬆坊で配っている菓子を買い取りました。それを味見した甄富貴は見た目は地味でも味の良い菓子に驚くのでした。
菓子の包装紙に書かれていた店に行った甄富貴は、店主の林翠が先日不細工な化粧をして大富貴に来た娘だと気づき合点がいきます。
甄富貴は大富貴で出す菓子を林菓子店から仕入れたいと申し出ますが、林翠は親友の胡嬌を裏切れないと取引を拒否。
実は林翠は胡嬌から代金を受け取らないで鬆鬆坊に菓子を収めていました。胡嬌は許清嘉からのアドバイスもあり、林翠に菓子の代金を払う代わりに鬆鬆坊の株の一部を渡すことにします。
また胡嬌は林翠に大富貴に菓子を売ることを勧め、これから鬆鬆坊は林菓子店の菓子に頼らずに施術の実力で勝負すると言うのでした。
ある日、鬆鬆坊に脚と腰が悪いという年配の女性が来ますが、その女性は施術を受けないで帰ろうとしました。気づいた許清嘉が追いかけて尋ねると、その女性は文字が読めず施術を選べなかったと答えたのです。
その夜、許清嘉は胡嬌にその女性の話をしました。胡嬌はこの地には文字の読めない女性が多いと言いました。許清嘉は店の片隅に机を置いて順番待ちの客に無料で文字を教えることを思いつきます。
次の日から許清嘉はやっと自分が役に立てることを見つけて活き活きとし、胡嬌もそんな許清嘉を見てほほ笑むのでした。
しばらくして鬆鬆坊の男性客がまた大富貴に行くようになってしまいます。胡嬌は今度は林翠に男装をさせて大富貴に行かせることにしました。
実は大富貴は施術師を全員若い女性に替えていて、男性客はそれを目当てに大富貴に行くようになっていたのです。林翠が汚いやり口を批判すると、甄富貴は次に鬆鬆坊に負けたら店を閉めると約束しました。
一方、許清嘉は密かに「夫の操縦術」という本を書いていて、それを鬆鬆坊で客の目につくところに置いていました。その本はたちまち評判になり、本を売ってほしいという客まで現れます。
気を良くした許清嘉は胡嬌に内緒で「夫の操縦術」を永寿に売らせることにしました。しばらくして本のことがバレて許清嘉が胡嬌に怒られている時、甄富貴が鬆鬆坊に来ます。
甄富貴は負けを認めて店を閉めると言いました。そして甄富貴は自分の本名は賈継笙で賈昌の息子だと明かします。姉である寧王妃が寧王と胡嬌の関係を疑い、自分を雲莱鎮へ送り込んだとのこと。
しかし胡嬌と許清嘉の夫婦仲は円満で、姉の勝手な思い込みだったとわかったと甄富貴は言いました。甄富貴は姉の非礼を詫び、大富貴を胡嬌に譲渡すると言うのでした。
都では玉娘が玉満楼という茶楼を開いていました。店は繁盛していましたが、高正は玉娘に下心見え見えで店に来る客が許せずにケンカを売ってしまうことも……。
29話 都へ
上庸から高正に投獄中だった費勁(覆面の男)が不審死したと連絡があります。気が触れていた費勁が生前地面に書いていた文字を調べると「若柒 許克焉」の文字とバツ印が書かれていたとのこと。
翌日、高正が賈昌と寧王にそのことを報告すると、寧王は当時自分が戦に行っている間に若柒が亡くなっていたことを話しました。亡くなる前に不審者は見られなかったが、若柒は数日前からだるさを訴えていたとのこと。
高正は、費勁は毒や薬を使う南江盗門の者なので若柒に毒を盛ったのではないかと推測します。賈昌も、傅太師が南江盗門の残党を集めて再編したのでその差し金ではないかと同意しました。
寧王が若柒は正室ではないのに命まで奪われるとはと嘆くと、賈昌が傅太師の本当の標的は寧王だったのかもしれないと言います。太子が病弱なのに対し寧王は次々と功績を挙げているため、傅太師が寧王を狙わせたというのです。
それを聞いた寧王は今までは本分を守ってきたが、こうなれば闘いを始めるしかないと宣言しました。賈昌は傅太師の悪行を暴くために許清嘉を都に呼んで協力してもらうことを提案します。
高正と崔五郎は雲莱鎮に許清嘉を呼びに行きました。許清嘉と胡嬌は鬆鬆坊を永寿と臘梅に任せて都に行くことにします。
一方、傅太師は太子が喀血していることを侍医にも隠し、自費で薬を調達していました。太子が病気だということが広まって寧王に太子の座を奪われないためです。
都では許清嘉が胡嬌を連れて来ると聞いて、縁談を断られた立場の賈昌の次女、賈継芳が憤慨していました。
許清嘉は戸部に配属になり、賈家の別邸に住むことになります。賈昌は許清嘉に傅太師の配下ばかりの戸部内部で書類や記録を調査する任務を与えるのでした。