玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~:3話と4話と5話のあらすじとネタバレ感想。
許清嘉が許婚のために丞相からの縁談を断ったことが皇帝も知るところに。許清嘉は皇帝を欺いたと言われないため、阿嬌は自分の店の開店資金を貯めるために契約結婚することに……。
3話 契約結婚
許清嘉は胡嬌に、都で丞相(最高位の官吏)の賈昌の娘との縁談を許嫁がいることを理由に断った話が皇帝の耳にも入り、もしその許嫁と結婚しなければ皇帝を欺いた罪に問われてしまうと話しました。
胡嬌は話を聞くうちに、役人の許清嘉と結婚すれば自分の店を持つ夢を叶えるための資金が貯められるのではないかと考え始めます。
許清嘉と胡嬌は話し合いの結果、3年間の契約結婚をすることにしました。
翌朝、胡嬌は父にあっさりと許清嘉との結婚を承諾すると言います。
夕食時、賈権がお祝いの品を持参したと言って不意打ちで訪ねてきました。許清嘉と胡嬌は慌てて仲睦まじい許婚同士を演じるのでした。
その後、結婚の準備は着々と進められ、結納を終えた許清嘉は両親の墓に報告に行きます。許清嘉が墓から帰ろうとすると、オオカミの遠吠えが聞こえました。
許清嘉は仲間だと思われるようにオオカミの鳴き声を真似しながら逃げて行きます。
4話 祝言
許清嘉の両親の墓がオオカミが出没する地域にあると知った胡嬌は林阿牛ら鏢局の者たちと許清嘉を捜しに行きました。
捜索中、背後から肩を叩かれた胡嬌は振り向きざまに思わず殴ってしまいます。ところがそれは許清嘉だったのです。オオカミの鳴き声を聞いた許清嘉は逃げる途中に偶然見つけた洞窟に隠れて無事だったとのこと。
許清嘉と胡嬌が洞窟に隠れていると林阿牛が捜しに来て、2人は無事に家に帰ることができました。
翌日、胡庭芝は亡き妻の花嫁衣裳を胡嬌に渡します。
一方、許清嘉は3年後のための離縁状を書き、父の遺品の万民傘(官吏が徳をたたえられて民から贈られる大きな傘)の柄に隠すのでした。
祝言の日。宴の最中、胡嬌は部屋を抜け出して厨房でつまみ食いをしていました。その間に覆面の男が万民傘を探して部屋に忍び込んでいて……。
一方、宴の席で賈権と2人きりになった許清嘉は、この結婚は偽りではないかと指摘されます。許清嘉はなんとか言い繕って賈権を見送りました。
覆面の男が万民傘の中から離縁状を取り出そうと四苦八苦しているうちに、胡嬌が部屋に戻って来る気配がします。覆面の男は慌てて傘を閉じようとしますが、どうしても閉じることができません。
覆面の男は傘を開いたまま立てかけ、その後ろに隠れていました。胡嬌は傘に気づいて手に取りますが、後ろにいた覆面の男には気づきません。
胡嬌も傘を閉じることができずに悪戦苦闘。覆面の男はその隙に部屋を出ようとしますが、今度は許清嘉が部屋に戻ってきます。覆面の男は咄嗟に物陰に隠れました。
許清嘉は傘を閉じ、柄の中に離縁状があることを確認して安堵します。許清嘉は胡嬌に、誰かが部屋に忍び込んで傘を物色していたのではと不安を口にしました。
2人は周りを警戒しますが、その時、林兄妹ら友人たちがドヤドヤと部屋に入ってきます。友人たちは夫婦固めの盃を飲むようにはやし立てるのでした。
5話 上庸へ
友人たちが騒いでいる間に覆面の男は部屋から逃げ出していきます。
次に友人たちは、子宝に恵まれる縁起担ぎだと言って許清嘉と胡嬌の間に紐に結んだナツメをぶら下げました。
許清嘉がナツメをくわえようとすると、友人が紐を引いてナツメを持ち上げたので勢い余った許清嘉は胡嬌に口づけしてしまいます。友人たちは盛り上がりますが、胡嬌は怒って友人たちを部屋から追い出しました。
部屋で2人きりになり、気まずい許清嘉と胡嬌。許清嘉は寝台を胡嬌に譲り、自分は床で寝ると言いました。
祝言の3日後、2人は許清嘉の赴任地の上庸へ発つことにします。その日、胡庭芝はなぜか部屋に閉じこもり、見送りに出ようとしません。兄の胡厚福は胡嬌に餞別として包丁を贈りました。
胡嬌たちの馬車が出発した後、胡庭芝がやっと外に出てきました。胡庭芝が別れの挨拶をしなかったのは、胡嬌が家が恋しくならないようにと思ってのことだったのです。
上庸の県境に到着した時、胡嬌は近くの河原で思い詰めた顔で川を見つめている男を見かけます。男が川に飛び込もうとしていると思った胡嬌は急いで止めに行きました。
男は許清嘉が新しく赴任してきた県丞(県の長の補佐役)だとわかると、科挙で榜眼だったことや丞相の娘との縁談を断って肉売りの娘と結婚したことが上庸で噂になっていると言ってきます。
許清嘉は男の服装から逃亡犯だと推測して胡嬌に捕らえるように言いました。すると男は自分は前県丞の遅文俊というもので、罪は濡れ衣だと言います。
夜になり、県尉(軍事や警察の仕事をする役人)の高正が遅文俊を追ってきました。高正は遅文俊を殺そうとしますが、許清嘉と胡嬌の説得により生きたまま連れ帰ります。
翌日、許清嘉と胡嬌が県庁へ行くと、許清嘉は早速会議があると言われて連れて行かれました。胡嬌は借家に案内されます。
ところが胡嬌が許県丞の妻だと紹介されると大家は”金の亡者の許”だと言って急に態度を変え、胡嬌はそこに住めないことになってしまいます。
一方、会議の時間になっても許清嘉が待つ部屋には高正だけしか現れません。他の役人は新任の許清嘉への嫌がらせでわざと行くのを遅らせていたのです。その間、許清嘉は上庸県の最近の帳簿を調べていました。
帳簿にやましいところがある役人たちは、許清嘉が調べているのを見て大慌てで帳簿を片づけ始めます。
許清嘉は役人たちに、上庸は昨年干ばつがあったから今年は減税すべきなのに新たに”寒衣税”という税を導入したのはなぜかと尋ねました。
役人たちは寒衣税は県令(県の長)が発案したものなので、今日の歓迎の宴で直接県令に尋ねてみたらどうかと言ってその場をごまかすのでした。