玉面桃花~福を呼ぶ契約結婚~:33話・34話・35話のあらすじとネタバレ感想。
廃墟となった郁中良の屋敷に行った高正は見回りをしているという役人に襲われます。役人から郁中良の娘が窃盗容疑で指名手配されていると聞いた高正は心当たりがあり……。
33話 郁中良が遺した手紙
胡嬌の懐妊を知った許清嘉は雲莱鎮に知らせて誰かに手伝いに来てもらおうと提案しますが、胡嬌はそんなことしたら玉満楼で働くことを止められると言って断りました。
騒ぎを起こして禁足を命じられた賈継芳は外出を許してもらうために”崔五郎に見初められた”と嘘をつき、賈昌は驚きます。
一方、胡嬌は玉満楼でやたら熱心に働く革桑に違和感を感じて怪しむのでした。
そんな中、廃墟となっている郁中良の屋敷を探りに行った高正は公務で屋敷の見回りをしているという役人に襲われます。
役人から郁中良の娘が窃盗容疑で指名手配されていると聞いた高正はその娘こそ玉娘ではないかと推測するのでした。
許清嘉と玉満楼へ行った高正は革桑を下がらせ、胡嬌の前で玉娘を”郁秀”という郁中良の娘の名で呼んでみました。玉娘は動揺しながらも父から”信頼する人に会うまで絶対開けるな”と言われた巾着を預かっていると言うのでした。
その巾着の中には”蘭の支柱の下1尺”と書かれた紙が入っていました。その時、胡嬌は下がったはずの革桑がまだ廊下にいたことに気づきます……。
その後、革桑は玉満楼に客のふりをして来た仲間にこっそり郁氏の屋敷の情報を渡すのでした。
夜になり玉娘は高正と郁氏の屋敷に行って蘭の支柱の下から箱を掘り出しますが、黒装束の男たちに襲われます。高正が黒装束の男たちを撃退し、2人は無事に箱を持ち帰りました。
箱の中には、かつて寧王が戦地で兵糧に窮した時に戸部が送ろうしていた食糧を太師府の意向で急に被災した別の地域に送ることになった経緯が記された手紙が入っていました。
太師府の者がある方の印が押された命令書を持って戸部に来たため、戸部は兵糧を被災地に送らざるをえなかったが、後になってその被災地にはまだ蓄えが充分にあったとわかったとのこと。
戸部はその証拠となる命令書を当時監察御史だった許清嘉の父、許克焉に渡していました。許克焉が万民傘に隠していた紙がその命令書だったのです。
玉娘と高正が玉満楼で許夫妻に郁中良の手紙を見せていた時、革桑が茶を運んできました。革桑を怪しいと思っていた胡嬌はわざと聞こえるように「当時の最大の証拠だからしまっておかないとね」と言います。
翌日、許清嘉は寧王に父が持っていた命令書には“瑞民”という印が押してあったと話しました。寧王は顔色を変え、それは太子の私印だと言います。
それを聞いた許清嘉は命令書の内容は太子自身の意向ではなく傅太師が私印を盗用したものではないかと言いました。寧王も太子は国を危うくするようなことは絶対にしないと同意します。
34話 寧王と太子
寧王は太子を訪ね、かつて戦地に送るはずだった兵糧がある命令書によって被災した別の地域に運ばれてしまったと話しますが太子は何も知らないようでした。
続けて寧王は傅太師が不正に兵糧の送付先を変えたのではないかという疑念を伝えますが、太子は実の祖父である傅太師に対する疑惑を信じようとしません。帰り際、寧王は咳き込んだ太子が喀血するのを目撃するのでした。
賈家に戻った寧王は許清嘉たちに、太子の喀血を侍医も知らず、太子の側仕えが最近頻繁に交代させられていることから太子は重病を患っており傅太師がそれを隠蔽しようとしていると言います。
また玉娘が窃盗事件の容疑者として指名手配されていると知った賈昌は配下を使って当時証言した者を探し出し、証言が偽証だったことを認めさせて玉娘の濡れ衣を晴らしてくれました。
ある日、胡嬌は革桑の前でわざと玉娘を市場に誘います。革桑は2人とも玉満楼にいなくなった隙を逃さず、郁中良の手紙を盗み出して傅太師の配下の周鳴安に渡しました。
周鳴安は傅太師に対しては証拠の手紙は燃やしたことにしますが、もしも傅太師に見捨てられた時の切り札として密かに手紙を保管しておくのでした。
そして周鳴安は革桑に、若柒を殺したのと同じ毒を渡して許清嘉たちを始末するよう命じます。革桑は高正と許夫妻が玉娘の誕生日祝いをする玉満楼の部屋の香炉にその毒薬を仕込んでおきました。
何も知らない高正はその席上で父が母に贈った鹿の角の櫛を渡して玉娘に求婚します。玉娘は求婚を受け入れ、許夫妻は祝福するのでした。
一方、寧王は崔五郎に太師府の者が月に2回密かに皇宮に運び込んでいる物があるので、それが何か調べるように命じていました。崔五郎が皇宮から帰る馬車を尾行すると、山奥で薬を作っている老人の小屋に入って行きました。
会話を盗み聞きした崔五郎は老人が肺病の薬を作っていると知ります。崔五郎の報告を聞いた寧王は治療が困難な肺病のせいで太子が皇位継承権を失うことを恐れ、傅太師が病を隠しているのだと考えました。
寧王は太子にもう一度会って傅太師と共に悪事に手を染めないように説得すると言います。
35話 革桑の正体
玉娘は革桑を許夫妻の家に呼び出し手紙を盗んだのではないかと問い詰めました。革桑は短剣を取り出しますが、高正に取り押さえられます。
そして胡嬌は革桑が盗み出した手紙は偽物だったと明かしました。それでも革桑は傅太師について口を割ろうとしません。
革桑を拘束しておくのが許夫妻の家や玉満楼では傅太師の配下に奪い返されてしまう可能性があると考えた許清嘉は崔五郎に兵営で預かってもらおうと言います。
一方、太子に会いに行き肺病の話を持ち出した寧王は、病のことが外部に漏れないようその場で軟禁されてしまうのでした。
許夫妻の家に呼ばれた崔五郎は胡嬌、許清嘉、玉娘、高正の4人とも首をかゆがっていることに気づき、若柒が死んだのと同じ7日間で死ぬ毒の症状だと言います。
革桑を問い詰めると兄弟子の命を奪った報いだと言い返されました。胡嬌は革桑が費勁の妹弟子だと気づきます。
許清嘉は革桑に自分たちが重要な証人である費勁を殺すわけがない、費勁は傅太師の手の者に口封じのために殺されたのだと説明しました。
革桑は自分が騙されていたことに気づきますが、毒消しは持っていないと言います。しかも毒消しは貴重で高価な生薬を何種類も使うので7日間では用意できるはずがないと言うのでした。
崔五郎は高正とともに先日の薬を作っている老人の小屋に向かいます。2人が小屋に到着すると老人が刺客たちに襲われていました。
刺客たちを倒した後、崔五郎は老人に傅太師が口封じしようとしているのだろうと言い、自分たちが身を守る代わりに薬を用意してほしいと頼みます。
毒消しの処方を見た老人は入手が困難な生薬ばかりだと言いました。
その夜、死を覚悟した高正と玉娘はせめて生きているうちにと言って2人だけでささやかな祝言を挙げます。また、許清嘉と胡嬌も生まれてくるかわからない子どものための服を2人で縫い上げてから眠りにつくのでした。
翌日、玉娘は革桑を利用されていただけだと言って逃がすことにします。しかし革桑は兄弟子の本当の仇を討つために玉娘たちに協力すると申し出るのでした。