【ハッピー・バレー復讐の町】シーズン2ネタバレと感想。英国国民を虜にしたクライムドラマが新たな事件を持って帰ってきました。トミーが逮捕されてから18カ月。キャサリンが任務中に発見した性別不明の腐乱死体が、再びトミーとキャサリンを引き寄せるきっかけとなり…。
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【ハッピー・バレー復讐の町】シーズン2あらすじ
トミーがアン誘拐事件の犯人として逮捕されてから18カ月が過ぎました。
アンは、病に侵された母を看病しながら警察官となる道を選び、補佐官としてキャサリンのいる警察署で働くことに。
そんなある日、羊泥棒の犯人を逮捕したキャサリンは、同時に腐乱死体を発見します。
損傷がひどかった遺体は、DNAの検査結果から数々の犯罪履歴のあるリン・デュハーストという女性であることが判明。
さらに、リンはトミーの母親でした。
刑務所で母親の死を告げられたトミーは、ショックのあまり涙を流します。
リンは生前、ライアンに近づき自分の孫だと言ったことに激高したキャサリン。
キャサリンの訴えにより、リンがライアンへの接見禁止令を出されていたことを知ったトミーは、リンの死にキャサリンが関与していると勝手に妄想し恨みを募らせていきます。
しかし、刑務所の中では直接キャサリンに復讐することはできません。
そこで、トミーは自分に好意を寄せている女性ドラモンドを利用することにしたのです。
ドラモンドは、ウィーランドという他人の名前を名乗り、ライアンの通う学校へ教師として入りこみます。
一方で、キャサリンの同僚の捜査官ジョンは、ビッキーという女性と不倫関係にありました。
ジョンは、家族に知られる前にビッキーと別れることにしましたが、別れ話を持ち掛けられたビッキーはジョンを騙して薬入りのビールを飲ませ、意識を失わせます。
その後、ビッキーはジョンをホテルへ連れ込み恥ずかしい写真を撮ったのです。
ビッキーは、家族や友人にバラまかれたくなければ毎月1000ポンド払うようジョンを脅迫してきました。
なんとかして写真のデータを消去したい一心のジョンは、復縁を持ち掛けるためビッキーの部屋を訪ねます。
ところが、そこでビッキーともみ合いとなり、はずみで彼女を絞殺してしまったのです。
【ハッピー・バレー復讐の町】シーズン2のネタバレと見どころ
トミーの復讐
トミーは、アンの誘拐に加え仲間の殺害容疑でも逮捕され、終身刑になっていました。
刑務所の中という制限された生活を送っているにも関わらず、甘いマスクのおかげで数人の女性を虜にしています。
その中で、中年に差し掛かろうという女性ドラモンドに目を付けたトミーは、面会に訪れた彼女に甘い言葉を使って自分の代わりにキャサリンへの復讐を計画したのです。
トミーの目的はキャサリンを破滅に追い込み願わくば命を奪いたいと思っていますが、根が善良なドラモンドはそこまでは踏み切れず。
ドラモンドは、キャサリンを狙うというよりもライアンを洗脳させてトミーのものにしてあげたい、という思いが強いようでした。
日に日に父親への親しみを募らせるライアンに、キャサリン達の不安は増してきます。
トミーは刑務所にいるのに一体誰が……?
トミーとドラモンドとの関係にたどり着くまでのストーリーにドキドキします。
追い詰められていくジョン
はずみで不倫相手のビッキーを殺害してしまったジョンは、ビッキーも同時期に起こっていた連続殺人事件の被害者と思わせるような細工を施しました。
そして、ジョン自身も連続殺人事件の捜査に加わり事態の進展を見守っていきます。
そもそも刑事であるにもかかわらずという流れから考えても、人間性が疑われるジョン。
更に殺人&隠ぺいとなれば、最低な人間であることは間違いないでしょう。
しかし、少し頼りない部分が見えるジョンのキャラクターなのか、徐々に追い詰められていくにつれ同情の気持ちも芽生えてきます。
不倫相手のビッキーは、過去にも同じ手口で男性を脅迫し大金を手に入れていたひどい女でした。
また、ジョンの妻も夫が留守の日にジョンの同僚を家に連れ込んで不倫していたことも発覚。
ジョンは、ほとほと女運に恵まれていなかったようです。
アンはそんなジョンに惹かれていたのですが、彼のどこに惹かれたのかは謎。
新米のアンにとって、捜査官のジョンは経験豊富な大ベテランの先輩です。
刑事として尊敬する感情と恋愛感情を、はき違えてしまったのかもしれません。
しかし、アンがジョンに特別な感情を持っていたからこそ、彼の不自然な点にいち早く気づいたのです。
アンは、刑事としての素質大だと実感した瞬間でした。
こうして、アンの気づいた小さなほころびから、ジョン逮捕へに向けて一気に加速していくのです。
【ハッピー・バレー復讐の町】シーズン2の感想
シーズン1の更に上を行く面白さでした。
現実離れしたようなオシャレなイギリスの舞台とは真逆の、地味な北西部のイングランドの街並みが、生々しいくらいの現実感を出していました。
トミーを演じたジェームズ・ノートンのクレイジーな演技は更に磨きがかかっており、この作品で2015年英国TVアカデミー助演男優賞を受賞しただけあります。
また、色々なものを背負って生きている主役のキャサリンが本当にカッコ良かったです。
周りを固める脇役も粒ぞろいで、それぞれの演技といいストーリーの組み立て方といい、イギリスで高視聴率を取ったのも納得の作品でした。