【九州縹緲録~宿命を継ぐ者~】13話・14話・15話のあらすじ。離国と下唐国の大戦は思わぬ形で終わりを迎え、離国は天啓へ、下唐国は南淮城へと向かいます。将軍や兵士たちの凱旋に沸き立つ下唐国でしたが、水面下では”蒼雲古歯剣”を巡る者たちの争いが静かに行われていました。
13話あらすじネタバレ
下唐国と離国の国境、古碑口。離国側では、世子である嬴真の葬儀が盛大に行われていました。
離国の九原城を雷碧城と共に任されていた嬴真でしたが、いざ下唐国からの襲撃を受け始めると、父の嬴無翳に認められたい一心で自ら投身していたのです。これにはさすがの嬴無翳も落ち込んだ様子で、九州各地の民謡には”離国公の志は天下にあり”とあるのに、嬴真には九原城の外の景色を見せれなかったと後悔の念に駆られているようでした。
その一方、下唐国側では阿蘇勒が息衍将軍に対し、世子を喪った離国との戦い方について問いかけていました。息衍将軍は今日くらいは軍務の話は止めようとしつつも姫野の帰りを待つ阿蘇勒に対しては、自身の過去の親友の存在を打ち明けます。
その親友とは阿蘇勒と姫野よりも遥かに親しい仲だったものの今は互いに主が異なる名将となったため、いつ敵対してもおかしくはないとのことでした。そして、明日下唐国は古碑口の戦いに別れを告げるのだと付け加えます。
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翌日。天啓(朝廷)を目指す離国軍と相対する下唐国軍でしたが、息衍将軍は道を開けるよう命じます。
阿蘇勒は凄惨な戦の結果がこれでは納得できないと訴えますが、これは政であり、国同士の取り引きなのだと諭されます。すると、そこへ南淮城から姫野が戻ってきました。
戻りが遅くなったことを詫びる姫野でしたが、阿蘇勒はむしろ友を失いたくないから戻ってきてほしくなかったと心情を吐露します。しかし、姫野は運命を変える好機だったと自身の悲しい出自を交えながら、阿蘇勒の心に寄り添いました。
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翌朝。阿蘇勒は鉄浮屠を集めると、自分が参戦したことにより、戦わざるを得ない状況を作ってしまったことに加え、多くの犠牲を出したことを謝罪します。
そして、二度と自分のために傷を負わせないとしたうえで、最後の命として青陽部へと帰るよう命じました。
13話の感想
阿蘇勒はとても優しい性格が魅力なのですが、それ故に時として無謀なことも辞さないところがあり、今回のように政が納得できなかったりもするのでしょうが、乱世を生きる者としては少し致命的かもしれません。ところで、息衍将軍の過去の親友が誰なのかについては疑問が残ります。
しかし、このタイミングで阿蘇勒に打ち明けていることから、息衍将軍の過去の親友は嬴無翳なのではないかと感じました。
14話あらすじネタバレ
下唐国、南淮城。凱旋した息衍将軍は一目散に蘇瞬卿(蘇尚宮)の元を訪れると、百里隠(武陽君)に大怪我を負わせたことを謝罪します。
また、百里隠は蒼雲古歯剣の正式な継承者であるうえ、彼自身が血気盛んであることから付け狙う者も多いと警鐘を鳴らしました。そんな心配をよそに百里隠は、実の父である幽長吉の息子としての使命を果たすと強硬な態度を崩しません。
しかし、実は百里隠の怪我はかなりの重症で、利き腕の右腕に負った怪我は骨まで達していることから日常生活には支障はないものの重い物を持つことはできず、もう剣を握ることはできないとのことでした。それでも百里隠はそのことについては誰にも知られたくないようであり、養母の蘇尚宮にすら本当のことを話そうとはしませんでした。
しかも幽長吉の死の真相を蘇尚宮がひた隠しにしていると考えているため、そのことから彼女に対して強い不信感を募らせていきます。
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翌日。自室で腕の痛みに悶える百里隠の元に、突如として黒装束に身を包んだ離国の使者が現れます。
すると、離国の使者は百里隠の本名の幽隠の名を口にしたうえ、御医ですら治せない傷を治してやると言い出したのです。あまりにも突然のことに万全の注意を払う百里隠でしたが、瞬く間に痛みが消えて再び剣を握れることに喜びを隠せません。
しかし、これはあくまで一時的なものであり、更なる治療が必要とのことでした。また、離国の使者は百里隠の父である幽長吉の死の真相についても知っているかのような口ぶりで、真実を知りたければ鬼市の宿に来るよう言い残して姿を消しました。
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久々の再会を果たした阿蘇勒と姫野と羽然は、以前訪れた骨董店へとやって来ます。そこで3人は店主から再び三面海螺鏡を覗くよう促され、渋々覗いてみることに。
すると、阿蘇勒は蒼雲古歯剣が安置されているであろう南淮城の地下の空間が見え、姫野は母からどんな代償を払ってでも生き抜くよう言われた過去を、羽然は阿蘇勒と姫野がすれ違って去る様子が見えました。
14話の感想
元々嫌味たらしい百里隠が戦で負った大怪我の影響で、自己中な性格に拍車がかかってしまい、まさに手がつけられない状況になってしまったのは残念です。それだけならまだしも、百里隠には蒼雲古歯剣の継承者という側面もあるので、このまま悪の道へと傾倒しないことを願いたいところ。
また、阿蘇勒たちが三面海螺鏡で見たものは何を意味するのかについても気になります。
15話あらすじネタバレ
下唐国。蒼雲古歯剣を守る蘇瞬卿(蘇尚宮)は、天駆の鉄皇こと翼天瞻を呼び出し、自分こそが百里隠(幽隠)の母親だと名乗り出ます。
ところが、翼天瞻は百里隠の実の母のことを把握しており、彼女が晋北で再婚していることを知っていました。蘇瞬卿は翼天瞻に目こぼしのお願いに来たことを明かしますが、翼天瞻は”蒼雲古歯剣は天駆に属する剣であることから誰の私物にもできない”として、一歩も引こうとはしませんでした。
ついに痺れを切らした翼天瞻が実力行使に出て蘇瞬卿を追い詰めたところ、嫌な予感を感じて駆けつけた息衍将軍が助太刀に入ります。互角の戦いを繰り広げる息衍将軍と翼天瞻でしたが、2人のあまりに派手な戦いに周囲もざわつき始め、このままでは天駆の2宗主が女を巡って争っていると疑われてしまうことから争いは中断されました。
改めて腰を据えて話すことにした息衍将軍は、蘇瞬卿との経緯について語り始めます。かつての蘇瞬卿は幽長吉の尾行を任務とする百里景洪の刺客で、まだ16歳と幼かったことから幽長吉を愛してしまいます。
百里隠は幽長吉と晋北にいる夫人の子ではあるものの主君殺しの子となり、母親に捨てられたことから蘇瞬卿が下唐国に連れ立ち、養母となりました。その後、息衍将軍は太師の傅唯恩を殺害した際、1度は蘇瞬卿に追い詰められるも同情から命を救われていたのです。
そのおかげで息衍将軍は天駆武士団という身分を隠し、下唐国の官職に就くことができたとのことでした。息衍将軍と蘇瞬卿の経緯を知った翼天瞻は、蘇瞬卿が蒼雲古歯剣を渡せば南淮から無事に逃すうえ、行く先は息衍将軍以外には知らせないことを保証すると告げると、その場を後にしました。
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何としても右腕を治したい百里隠は離国の使者の元を訪れ、どんな代償でも払うから腕を治して欲しいと迫ります。すると、離国の使者が望んだのは百里隠が蒼雲古歯剣の剣主となることだったのです。
15話の感想
これまで明かされてこなかった蘇瞬卿と息衍将軍の経緯が判明し、中でも蘇瞬卿の乗り越えてきた過去を思うと胸が張り裂けそうでした。確かに百里隠の立場で見れば蘇瞬卿は鬱陶しい存在かもしれませんが、もう十数年も南淮城で暮らしているのですからその辺はうまく折り合いを受けて欲しいところです。
とはいえ、今の百里隠は右腕の負傷から心身ともに不安定なので、このまま悪の道へと傾倒しないか心配でもあります。
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