【九州縹緲録~宿命を継ぐ者~】19話・20話・21話のあらすじ。阿蘇勒を逃すべく自ら囮を買って出た姫野はあえなく捕まり、下唐国から逆賊と見做された天駆武士団を自白していることから処刑が決まります。そんな姫野を何としても救いたい阿蘇勒と羽然でしたが、そのためには2人が婚姻を受け入れる他ありませんでした。
19話あらすじ
姫野は家族を守りたい一心で天駆武士団の正体を暴露してしまったため、自ら責任を取るべく蒼雲古歯剣の空箱を持って囮となることを選びました。ところが、後を追って来てしまった羽然を連れての移動は困難を極めるうえ、姫野自身も負傷していたことからついに追手に追いつかれてしまいます。
これ以上逃げられないと悟った姫野は羽然に口づけると、天の果てまでは一緒に行けないことを詫びて羽然を拘束します。大勢の兵士を相手にたった1人で戦い続ける姫野でしたが、自力で拘束を解いた羽然が飛び出して来てしまったことで手出しができなくなり、2人はその場で捕らえられてしまいました。
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下唐国、南淮城。拓跋将軍率いる兵士たちに捕われた姫野は南淮城の城門へと連行され、処刑を明日に控えていました。
姫野の処刑の件は息衍将軍を通じて天駆武士団にも伝えられますが、これは阿蘇勒を誘き出す罠であるため気にせずに南淮を去る準備を進めよとのことでした。しかし仲間思いの阿蘇勒が黙ってるはずもなく、護衛の天駆武士団の目を盗んでたった1人姫野の元へと急ぎます。
阿蘇勒は城門に着くや否や自ら剣を首筋に当て、自身の命と引き換えに姫野を解放するよう拓跋将軍に迫ります。これにはさすがの拓跋将軍も一瞬目を丸くしたものの、大宗主である阿蘇勒を守ろうと後を追って来た天駆武士団が現れたことで状況は一変します。
周囲を警戒していた拓跋将軍の伏兵により、天駆武士団は続々と返り討ちに遭ってしまったのです。またしても自分のせいで多くの犠牲を出してしまい、動揺を隠せなかったのは阿蘇勒の方でした。
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青銅の血が流れる青陽君子というだけでも高価値だった阿蘇勒ですが、蒼雲古歯剣の剣主ともなったことで、よりその価値を高めています。無論、下唐国の国主である百里景洪がこの絶好の機会を逃すわけもなく、直ちに阿蘇勒と羽然を婚姻させるための策を用意していました。
それは、阿蘇勒と羽然の気持ちを利用し、姫野の解放を条件に2人を婚姻させるというものでした。
19話の感想
ついに互いの気持ちを確認し合った姫野と羽然でしたが、それぞれの立場のせいで決して結ばれることはないのが何とも痛ましいです。阿蘇勒がいる以上、姫野が処刑されることはないとはいえ、姫野を救うためには阿蘇勒と姫野が婚姻する以外の道もないでしょう。
いくら自分を救うためだったとしても姫野からすれば複雑なのは間違いないですし、これを機に3人の友情にヒビが入らないかについては不安が残ります。また、思っていたよりも遥かに百里景洪が策士だったことには驚きました。
20話あらすじ
下唐国。姫野を解放する条件として婚姻を持ち掛けられた阿蘇勒と羽然は、互いに戸惑いを隠せませんでした。
それもそのはず、阿蘇勒は羽然のことを想っているものの羽然は姫野のことを想っているからです。阿蘇勒は複雑な思いを抱えながら街へと飲みに出掛けると、偶然にも同じ店で羽然に出会します。
酒を酌み交わす2人の間に気まずい空気が漂う中、羽然は阿蘇勒に対して友のためにどんな犠牲も払う覚悟があるかと問いかけました。覚悟はあると即答する阿蘇勒の意思を確認した羽然は、目を潤ませながらも鋭い眼差しで阿蘇勒に結婚しようと告げます。
羽然の思いを受けて国主の百里景洪の元を訪れた阿蘇勒は羽然との婚姻を受け入れるとはしつつも、姫野の解放と天駆武士団の目こぼしを願い出ました。
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婚儀の日。着々と身支度をされる羽然は浮かない表情で、好きでもない人に嫁いでも幸せにはなれないと不満を漏らします。
いつまで経っても子供じみたことを言う羽然に対して国師の宮羽衣は、もし自由に選べるならば迷わず姫野を選ぶのかと羽然の気持ちを確かめます。しかし羽然は姫野を選ぶどころか、友2人の平穏を願うとの的外れな返答をしました。
これには宮羽衣も眉を顰め、親友でも想い人は共有できないこと、己の心を認めないのならば不満を言う資格はないのだとお灸を吸えます。一方、阿蘇勒は婚儀に向かう途中、姫野の父である姫謙正に呼び止められます。
姫謙正によれば、姫野は百里景洪から恩を賜り軍籍を守ることができたようで、こうして姫家が取り潰しから免れたのは阿蘇勒のおかげだとのことでした。姫野の無事を聞いて安堵の表情を浮かべる阿蘇勒とは反対に、姫謙正はどこか浮かぬ顔をしていました。
20話の感想
元より阿蘇勒は、青陽部への食糧援助と引き換えに下唐国の郡主との縁談話を条件とされていました。そのため下唐国の郡主との縁談は決められていたことだとはいえ、その相手が自分との縁談を望まぬ者で、ましてや親友のことを想う羽然だなんてあまりにも阿蘇勒が不憫でなりませんでした。
姫野を人質に取られて半ば強制的に婚姻を迫られてしまったのは、阿蘇勒だけに限らず羽然も辛かったでしょう。また、今のところ何も知らされずに辺境へと飛ばされた姫野ですが、今後2人の婚姻を知ったらどう思うのかと考えるだけで胸が苦しくなります。
21話あらすじ
下唐国、南淮城。阿蘇勒と羽然は婚儀を済ませて正式に夫婦となり、初夜を迎えていました。
そんな最中、天啓(皇帝)から使者が訪れ、青陽世子である阿蘇勒と接見したいとの皇室からの勅命を受けます。阿蘇勒は面識もない陛下からの突然の呼び出しに戸惑いつつも天啓行きを即決すると、すでに眠りについていた羽然には何も告げずに天啓へと急ぎます。
翌朝。目を覚ました羽然は阿蘇勒が勅命を受け天啓に向かったと知らされると気が気ではないようで、居ても立っても居られずにすぐさま天啓にはない土産を入手して、たった1人で阿蘇勒の後を追おうとします。
すると、それを見越していた国師の宮羽衣と出会し、2人で天啓へと向かうことになりました。
その一方、天駆武士団の鉄皇こと翼天瞻もまた阿蘇勒の件を聞きつけており、自ら阿蘇勒の後を追うことを息衍将軍に知らせに来ていました。阿蘇勒が天駆武士団の大宗主となった今、皇帝が阿蘇勒に接見したとなれば、天駆武士団の名誉挽回の日も遠くはないと考えてのことだったのです。
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阿蘇勒の望み通り牢からは解放された姫野ですが、そんな彼を待ち受けていたのは山奥にある鉱石の採掘場という厳しい環境で、やはり逆賊と見做された天駆武士団だと自白した姫野への処遇は決して生易しいものではありませんでした。ここには多くの囚人が護送されてきたもののその大半は石壁で死亡しているようで、とてつもなく劣悪な労働環境であることが窺えます。
護送されてきた姫野を始めとする囚人たちは、直ちに現場へと向かうための準備を行わされます。しかしそこで姫野は自分の槍が上官に笑納されるのを目撃し、上官に楯突いてしまったことから目をつけられてしまうのでした。
21話の感想
阿蘇勒は青銅の血が流れることでただでさえ利用されやすい立場にありましたが、天駆武士団の大宗主となったことでその価値が上がったので、より利用されやすくなってしまいました。とはいえ、まだまだ阿蘇勒は子供なので、誰を信用すべきなのかを見極められるのかについては不安が残ります。
既に阿蘇勒を巡って多くの勢力が動き始めているため、今後阿蘇勒を波乱の展開が待ち受けるのは間違いないでしょう。また、囚人として辺境での過酷な労働を強いられる姫野の今後も心配で、どうやってあそこから解放されるのかについても注目したいポイントのひとつです。
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