【九州縹緲録~宿命を継ぐ者~】25話・26話・27話のあらすじ。阿蘇勒と羽然が婚姻に至った本当の理由を知る由もない姫野は嬴玉の元で捕われの身となり、ついには母の復讐として自ら手を汚してしまいます。ようやく姫野は阿蘇勒と羽然とも再会を果たすことになりましたが、そこは決戦の場でした。この記事では、ネタバレ感想をお届けします。
25話あらすじ
嬴無翳の屋敷。帝都で嬴無翳の娘の嬴玉に連れ去られた姫野は、地下にある水牢で拷問を受けていました。
そもそも嬴玉は姫野を助けたのではなく、自ら飼い慣らそうと目論んでいたのです。最初こそ自暴自棄に陥り無抵抗だった姫野でしたが、その水牢がかつて母と共に拷問を受けた場所であることを思い出すと、こんなところで死ぬわけにはいかないと己を奮い立たせます。
そして、自分がこの水牢で受けた悲惨な過去と、その時ここを管理していた忌まわしき人物への復讐を果たすまでは死ねないことを嬴玉に打ち明けます。やっと人間らしさを見せた姫野に更なる興味を抱いた嬴玉は当時の牢の管理者の調査に乗り出し、孫之邈という人物に辿り着きました。
孫之邈は出世して今は少府におり、皇室の財務を司るとのことでした。偶然にも今日は嬴無翳の軍費のために私庫を開く日であり、その役目を担う者こそ孫之邈だったのです。
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帝都。姫野は目隠しをしたまま馬に乗せられ、帝都までやって来ました。何が何だかわからず困惑する姫野に対して嬴玉は、何故牢に入れられた幼い姫野が生き延びれたのかについて話し始めます。
姫野の母は息子を生かすため、孫之邈の相手をする度に褒美として食事をねだっていたとのことでした。あまりに衝撃的な事実に正気を失う姫野は嬴玉に襲いかかるも、真下を孫之邈が通過すると聞かされ我に返ります。
さらに、嬴玉から贈り物だとして自身の槍を渡されました。槍を受け取った姫野は一目散に孫之邈の元へと向かい、あっさりと金護衛たちを倒すと、逃げ惑う孫之邈に槍を向けて追い詰めました。
そして、姫野は命乞いをする孫之邈に対し、かつて彼が母にしたように水に頭を押し付けるのでした。
25話の感想
そもそも嬴玉の姫野を飼い慣らしたいとの発想は何なのか、何のためにそんなことをしたいのか意味がわかりません。嬴玉自身は気づいていないようですが、単純に姫野のことが気になっているだけのように感じます。
仮にそうだとしても嬴玉の意思表示が歪んでいるのは間違いないですし、やはり相当甘やかされてきたのでしょう。このままいくと姫野はどんどん嬴玉の策略にハマっていきそうで、阿蘇勒たちとの間にできた溝も埋まりそうにないのが気掛かりです。
26話あらすじ
帝都。体調が優れない阿蘇勒は公主の白舟月と共に気晴らしを兼ねて散策に出ようとしたところ、涙を流しながら歩く羽然と出会します。
どうやら羽然は姫野の後を追って嬴無翳の屋敷に単身乗り込んだものの、姫野の変わり果てた姿に耐えきれず逃げ出してきてしまったようでした。阿蘇勒は泣きじゃくる羽然を宥めながらも姫野を救う方法に加え、余命僅かに迫る自身の行く末にも頭を抱えます。
そんな中、天啓城で皇帝が刺客に襲われる事件が発生し、阿蘇勒も目の前でその瞬間を目撃します。しかも刺客はその場で自害してしまったことから、誰の差し金なのかはわからずじまいでした。
ところが、唯一現場に残された槍は離国のものだったため、皇帝は嬴無翳が軍費を巡って行動に移したのだと結論づけました。
皇帝は阿蘇勒と帝師の前では怖気付いていたが、愛猫の前では「誰にも言うなよ」と呟いていた
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嬴無翳の屋敷。天啓城での刺客騒ぎについての報告を受ける嬴無翳の元に、離国の国師である雷碧城が現れます。
雷碧城は嬴無翳の前に着くや否や、世子の嬴真を守れなかった自分を罰するよう願い出ます。しかし嬴無翳は雷碧城の真意を見抜いており、雷碧城は罰せられることはないと確信を持って来たはずだと考えていました。
そのため嬴無翳が雷碧城に真の目的を尋ねたところ、別れを告げに来たと離国の国師の辞任を申し出ました。
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帝都、天啓城。嬴無翳は刺客騒ぎの濡れ衣を晴らすべく皇帝に謁見すると、目の前で皇帝の安全管理を担う金護上将軍の首を刎ねました。
愕然とする皇帝に対して嬴無翳は、宮中で立て続けに騒動が起きているのにもかかわらず、金護上将軍に責任を問わないのは問題だと声を上げます。また、金護上将軍の座には代々演武大会の優勝者が据えられることから、嬴無翳は離国から腕利きを出場させることを宣言しました。
26話の感想
ひとまずの契約という形で嬴玉の奴隷となることを選んだ姫野ですが、ずっと一緒にいた羽然が姫野の変化を感じ取ったということは本当に人が変わってしまったのかもしれません。もし本当にそうならば、姫野が阿蘇勒たちの元に戻る可能性はかなり低いと考えられますし、この3人にはずっと仲良くしていて欲しかっただけに姫野の変化はとても悲しいです。
また、このタイミングで雷碧城が嬴無翳の元を離れたのはどんな意図があるのかについても気になります。雷碧城は非常に頭の切れる人物なので、何か考えあってのことなのでしょうが、自由の身となった今やまた阿蘇勒に接触してくることは間違いないでしょう。
27話あらすじ
帝都。金護上将軍の座を懸けた演武大会が幕を開けます。
離国からは槍術の腕を買われた姫野が、皇室からはかつて捕らえた天駆武士団の残党を出場させることに。しかし大会が始まる直前、天駆武士団の残党は蒼雲古歯剣を運ぶ鉄皇の翼天瞻の姿を見た途端に身を震わせ、その場から逃げ出してしまいました。
不測の事態に阿蘇勒は自ら名乗りをあげて皇帝に許可をもらうと、駆けつけた翼天瞻から蒼雲古歯剣を受け取ります。鉄仮面を被った姫野と対峙する阿蘇勒は、親友と戦うからには本物であるかを確かめたいと仮面を外すよう迫りました。
しかし、姫野は仮面を外さず先制攻撃を仕掛けてきたため、止むを得ず阿蘇勒も応戦します。やがて激しい戦いの中で姫野の仮面は吹き飛ばされ素顔が明らかになりましたが、あまりにも目つきの変わった姫野の姿に阿蘇勒は戸惑いを隠せません。
そんな一瞬の隙を見逃さなかった姫野の攻撃をもろに喰らってしまった阿蘇勒はついに動けなくなり、姫野から槍を突きつけられて敗北を認めるよう詰め寄られます。それでも阿蘇勒は姫野に殺されない限り敗北は認めないとの決意を示し、そっと目を閉じました。
すると、姫野も覚悟を決めたようで、雄叫びを上げながら阿蘇勒に槍を突き刺そうと走り出します。ところが次の瞬間、青陽世子という立場にある阿蘇勒の死を危惧した嬴無翳の助太刀により、阿蘇勒は九死に一生を得るのでした。
その後、皇帝は演武大会の勝者は離国だと認め、新たな金護上将軍の座を嬴無翳に明け渡すと同時に、天駆武士団の冤罪を認める宣言を下しました。さらに、これまで垂簾聴政をとっていた長公主の白凌波に対しては、皇帝自身が既に親政する年齢に達していることを理由に表舞台から退くよう命じます。
27話の感想
ついに阿蘇勒と姫野が刀を交える時が訪れてしまい、激しい攻防を繰り広げる2人の姿には胸が締め付けられました。姫野との戦い自体には敗北を喫した阿蘇勒でしたが、約束通り皇帝から天駆武士団の冤罪を認めるとの宣言を下してもらえたのは良かったです。
その後の翼天瞻と阿蘇勒の「鉄甲は健在なり」のやり取りには、思わず目頭が熱くなりました。長い月日を掛けてやっと天駆武士団は汚名返上されて再び陽の目を浴びることができると思うと、心優しい阿蘇勒が大宗主になったのは大正解だったなと本当に嬉しくなりました。
やはり心清らかな阿蘇勒にしか成せないことも多いと思うだけに、彼の余命が半年余りなのは非常にもったいなく感じてしまいます。
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