【九州縹緲録~宿命を継ぐ者~】37話・38話・39話のあらすじ。阿蘇勒たちの山中での穏やかな暮らしは長くは続かず、馬賊の襲来によって状況は一変します。羽然は馬賊に連れ去られ、その後を追う姫野たちは偶然出会した離国軍に連行されてしまいました。離国軍は連合軍との戦いを目前に控えており、連行された姫野は離国軍としての出撃を余儀なくされます。
37話あらすじ
山中にある村。阿蘇勒は徐々に過去の記憶を取り戻し始めるも頭をよぎる断片的な記憶だけでは全体像が掴めず、戸惑いを隠せずにいました。そこで阿蘇勒は白舟月に自分の身に起きたことについて尋ねますが、そこへ天駆武士団の翼天瞻が現れたため答えを聞き出すことはできませんでした。
翌日。馬賊が村に姿を現し、平穏だった村は一気に緊張感に包まれます。馬賊は2ヶ月おきに村を訪れては略奪を働くものの、上納金さえ受け取れば村人を傷つけることはありませんでした。
ところが、今回は乱世を理由に上納金だけではなく、村人らが冬を越すための食糧は除いた全ての金品を手渡すよう要求してきたのです。しかも馬賊は仲間が1人居なくなったことから嫁入り前の娘までもを要求しており、ついに村長は馬賊と戦うことを決意します。
実はこの馬賊を殺害したのは皇帝が育てた死士であり、1人はぐれた白舟月に襲い掛かっていた馬賊を殺害していました。とはいえ、この事実を村人に知られてしまうと阿蘇勒たちは居場所を失うため、姫野たちは馬賊殺害の事実を隠蔽し、村人らと共に馬賊を迎え撃つべく準備に取り掛かります。
殤陽関付近、連合軍の野営地。下唐国の息衍将軍は、楚衛国の白毅と7年ぶりの酒を酌み交わしていました。息衍将軍は白毅との久々の再会に感慨深さを感じつつも、長公主からの鉄券は皇室が諸侯に仕掛けた罠なのだと話し始めます。
天下を碁に例え、その打ち手である辰月を倒すべく連合軍に参加したことも打ち明けました。しかし白毅はもう天駆武士団ではなく楚衛国の将軍であることから、今の職責は辰月を倒すのではなく、離国を阻むことなのだと否定的な態度を見せます。
また、今や互いに主が異なる以上は密かに会うのは止めるべきだと、その場を後にしました。
37話の感想
阿蘇勒は断片的ながらもだいぶ記憶を取り戻しつつあり、全ての記憶を取り戻すのも近いでしょう。とはいえ、そもそも阿蘇勒は雷碧城から差し出された不死にも興味を示していなかったので、自分の意思とは無関係に生き返らされたと知ったらどう思うのか不安です。
これまでの阿蘇勒は余命というタイムリミットが原動力になっていた部分もあるため、それがなくなった今目標を失うようなことがないことを願いたいところ。また、そろそろ嬴無翳率いる離国と白毅率いる連合軍の戦いも始まりそうなので、名将たちが集まりどんな戦いが繰り広げられるのか注目したいです。
38話あらすじ
殤陽関付近、連合軍の野営地。長公主の付き人である百里寧卿は帝都から踊り子たちを引き連れ、将軍らを労いにやって来ました。長公主が勤王鉄券を下した諸侯16国のうち、それに応えたのは淳国、休国、陳国、下唐国、楚衛国のたった5国のみでした。
そこで百里寧卿は長公主が定めた、5国の忠義に感謝を示すための3つの約束について説明します。それは、皇帝への貢物の減免から、各諸侯の爵位を1階級昇格、嬴無翳の首を取った者には離国の権利を継承させるというものまでありました。
3つ目の離国の権利を継承できるということは、天啓守護使として帝都の護衛の権力を手にすることができるがゆえ、次代の覇王となることを意味しています。そのため諸侯らは各々の主と文でのやり取りを交わし、主から何としても嬴無翳の首を取るよう命じられるのでした。
山中にある村。姫野は馬賊を迎え撃つために必要となる木材を調達して村に戻ると、羽然の姿がないことに気がつきます。
慌てて周囲を探し回る姫野でしたが、外には村長を始めとする村人たちがおり、姫野に対して命の恩人だと頭を下げ始めました。実は、村長には最初から勝ち目のない馬賊との戦いをする気などなく、馬賊の条件に従って人質を渡すことを決めていました。
そのため木材調達と称して姫野を山に行かせ、引き離した羽然を薬で眠らせて馬賊に引き渡していたのです。村長たちのあまりに身勝手な行動に怒り心頭に発する姫野は、持参していた離国の甲冑を身に纏い槍を手に村を飛び出します。
その途中で姫野は阿蘇勒と白舟月にも合流しますが、白舟月は怪我を負っていたため、姫野はひとりで羽然を探しに行くことに。ようやく馬賊を発見した姫野だったものの馬賊は既に何者かに殺害されており、そこに羽然の姿はありませんでした。
38話の感想
いよいよ離国と連合軍の戦いが始まりそうですが、このタイミングで阿蘇勒たちは離国に捕まってしまったので、戦いが始まったら阿蘇勒たちはどうなるのか気になります。今や逆賊扱いをされている嬴無翳ではあるものの、欲に塗れて腐敗しきった朝廷を止められるのもまた嬴無翳しかいないでしょう。
連合軍には権力目当ての者しかいませんし、そんなことならいっそのこと離国軍が国を治めた方が余程いい国を築けそうな気すらします。さらに、羽然は翼天瞻が助け出したようで無事でしたが、翼天瞻が何故そこまで羽然に固執するのかについては疑問が残りますし、翼天瞻までもが羽人だったとは驚きました。
39話あらすじ
殤陽関付近、連合軍の野営地。連合軍を率いる楚衛国の白毅は、高い城壁に囲まれる殤陽関を相手に戦うには相応の策が必要だと考え、諸侯らに対して各国の軍を自らに託すよう願い出ます。
これにはさすがの諸侯らも猛反発をするものの他に手立てもないうえ、下唐国の息衍将軍を始め帝都の百里寧卿までもが同意したため、従うざるを得ませんでした。これにて白毅は総勢7万にも及ぶ全ての軍を引き受け、全責任を追うこととなりました。
そして、3日以内に軍令を下すとして、白毅は夜な夜な簫を吹き続けます。
どこかの山奥。目を覚ました羽然は翼天瞻が引く馬に縛りつけられていましたが、隙を見て逃走を図ります。
ところが、どこまで行っても翼天瞻に追いつかれてしまうため、羽然は逃走を諦め翼天瞻の目的について聞き出すことにしました。すると、翼天瞻はこれまで語られることのなかった羽然の正体について話し始めます。
15年前のこと。羽族の各城を束ねる首領だった羽然の父は、内紛で命を落としてしまいます。これを機に、3つの城では15年にも渡る争いが始まり、以来1日たりとも平穏な日などありませんでした。
しかし青州には一縷の望みが残されており、それこそが羽皇の娘という存在だったのです。羽皇の娘は姫武神の血を受け継いでおり、青州の民を救うと伝えられてきました。
翼天瞻は村での婚儀の際に見た羽然の舞で、羽然こそ我らの公主(羽皇の娘)なのだと確信したとのことでした。
あまりにも突拍子のない話に疑いの眼差しを向ける羽然も、翼天瞻の背中から現れた黒い双翼には驚きを隠せませんでした。
39話の感想
羽然が羽族なのは名前や下唐国の国師である宮羽衣との関係性からわかっていましたが、まさか羽皇の娘だったとは思いませんでした。しかも翼天瞻までもが羽族の者で、ここまで羽族に精通しているとなれば、羽然の父の死の真相についても何か知っているのは間違いないでしょう。
まだまだ謎多き羽族ですが、今後は羽然も双翼を手にすると思われるので、羽然は一体どんな力を得るのか今から楽しみです。そして、ついに離国と連合軍の戦いが始まり、流れで姫野も離国軍として参戦することになったので、今後どんな戦いを見せてくれるのか注目したいです。
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