【九州縹緲録~宿命を継ぐ者~】43話・44話・45話のあらすじ。目を覚ました阿蘇勒は全ての記憶を取り戻し、姫野の後を追って青州へと向かいますが、その裏では阿蘇勒を巡る取引が行われていました。一方、青州に着いた羽然は自身の置かれた立場や父に関する残酷な真相を知らされ、後を追って来た宮羽衣は衝撃の決断を下します。この記事では、ネタバレ感想をお届けします。
43話あらすじ
帝都。下唐国の国師である宮羽衣は羽然が青州で危険な状況にあるとの報告を受け、国主の百里景洪に暇を願い出ます。
元より百里景洪は宮羽衣の祖国再興を手伝うと約束していたこともあり、二つ返事で宮羽衣の願いを快諾し、下唐国から精鋭部隊を随行させると告げました。
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殤陽関。姫野は商人を通じて羽然からの文を受け取り、羽然が天駆武士団の翼天瞻に青州へと連れて行かれたことを知ります。
すぐさま姫野は白舟月にその旨を伝えると、羽然を捜し出すべく青州を目指して殤陽関を飛び出しました。それからまもなくして阿蘇勒は目を覚まし、辰月の雷碧城との戦いを経て全ての記憶を取り戻したことを白舟月に打ち明けます。
兄である皇帝が阿蘇勒を殺害したことで罪悪感を持つ白舟月に対して阿蘇勒は、皇帝は代償を払っているため恨まないと告げました。そんな阿蘇勒に白舟月は感謝を述べたうえで、息衍将軍が下唐国に戻ったことと、姫野が羽然を追って青州に向かったことを報告します。
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青州。ようやく青州へと辿り着いた翼天瞻と羽然でしたが、豪華絢爛だった羽皇の宮殿は崩壊するなど、かつての美しさを失い荒廃した青州の街並みに思わず言葉を失います。
一縷の望みであった姫武神のみに従うとされる鶴雪団も石像化されており、それは青州が得体の知れぬ強力な力で操られていることを意味していました。
危険を察知した翼天瞻が羽然を連れて直ちにその場を後にしようとしたところ、新しい羽皇の博敏克に捕らえられてしまいます。そこで羽然は今の青州では羽人が根絶やしにされようとしていることや、父が暴君だったことを知らされます。
43話の感想
やっと羽然の状況が宮羽衣や阿蘇勒たちにも伝わり、宮羽衣と姫野が青州に向かったので、近いうちに阿蘇勒も合流することになるのでしょう。それにしても何故あそこまで青州は様変わりしてしまったのか、そもそも宮羽衣や翼天瞻が祖国再興に拘る理由は何なのかが気になりました。
鶴雪団が石像化されてしまったのは羽然の父である羽皇が暴君だったからだとしても、罪のない羽人までも根絶やしにする必要はないように感じます。博敏克がそこまで羽人を恨む理由はわかりませんが、余程な理由があるのは間違いなく、青州の闇深さが伺えます。
石化の術についても謎が残っており、もし博敏克やその周囲の者が使えるのだとしたらかなり厄介で、いくら阿蘇勒でも太刀打ちできなくなるので心配です。
44話あらすじ
殤陽関。阿蘇勒は姫野と羽然に会うため青州行きを、白舟月は故郷である楚衛国に帰ることを決意します。
そんな最中、長公主の補佐を務める百里寧卿が楚衛国の国主である白瞬に拝謁し、下唐国の国主の百里景洪から阿蘇勒を連れ戻すよう頼まれたと申し出ます。百里寧卿は長公主の補佐ではあるものの百里家宗家の生まれであり、百里景洪とは血縁関係にあることから使者の役目を引き受けたのでした。
殤陽関の戦いにて百里景洪が連合軍を狙ったことを理由に難色を示す白瞬に対して百里寧卿は、もし従わなければ百里景洪は2万の兵を殤陽関に差し向けるつもりだと圧力を掛けます。阿蘇勒の身を案ずる白舟月は自ら身代わりとなって下唐国に行くことで話をまとめると、青州へと旅立つ阿蘇勒に気づかれぬよう笑顔で送り出しました。
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青州。下唐国の国師である宮羽衣は青州に辿り着くや否や複数の兵に迎え入れられ、皇宮へと案内されます。
皇宮では青州の新しい羽皇の博敏克が待ち構えており、祖国再興の好機が訪れたがゆえに自ら宮羽衣に文を送ったと告白します。また、博敏克は古より続く翼のない羽人が役人にも就けないような悪き慣習を正すべく、自分が統治して同じ轍は踏まないよう務めていくのだとの志を明らかにしました。
それにしても、博敏克の翼を持つ羽人に対しての恨みは根深いものがあり、羽人の翼を斬るのも深い恨みが所以でした。これまで翼のない羽人は下等な扱いをされてきたため、今は博敏克の志に賛同した翼を持つ羽人の翼を斬って下等な羽人とし、反対した者は死罪に処していたのです。
翼天瞻も翼を持つ羽人であることから、民衆の前で博敏克によって翼を切り落とされてしまいました。あまりにも残忍な博敏克に不快感を催す宮羽衣でしたが、博敏克に疑われぬよう従うことを決意して羽然たちの隠れ家を用意します。すると、そこへ姫野が現れます。
44話の感想
このタイミングで阿蘇勒を連れ戻そうとする百里景洪の意図が気になります。だいたい阿蘇勒は青陽部が安定した食糧を得るべく下唐国に来ているわけですし、既に羽然とも婚姻しているので今更盟約を気にすることもないでしょう。
盟約はあくまで名目であり、百里景洪には何か他に意図があるような気がします。そして、少しずつ青州のことが明らかになってきましたが、新しい羽皇の博敏克はいかにも胡散臭く、まだまだ秘密を持っていそうです。
博敏克の翼を持つ羽人に対しての恨みは驚くほどで、こんなにも強い恨みを持っているのならば、元凶を作った羽然の父である羽皇の殺害にも博敏克が関わっていてもおかしくありません。
45話あらすじ
青州。ついに姫野との念願の再会を果たした羽然は、喜びのあまり姫野に抱きつきます。
どうやら姫野は青州に着いて早々に命を救った女子たちから、この隠れ家の場所を教えられたようでした。女子たちは、“博敏克が本物の姫武神を捜している”ことから始末されそうになっていたようで、それは羽然の身にも危険が迫っていることを意味していました。
羽然が山中の村で披露した舞は姫武神の舞とされる泰格里撕舞の舞だったため、羽然は姫武神である可能性が高い
そこで羽然と姫野は助っ人を得るべく、翼を切り落とされて傷の癒えぬ翼天瞻に代わり元配下を捜しに行きます。しかし、翼天瞻の元配下は見つからず、唯一見つかったのは翼天瞻の槍だけでした。
羽然たちは槍を持って隠れ家に戻ると、そもそもどうやって石像化した鶴雪団を救うのかと翼天瞻に問いかけます。翼天瞻によれば、本物の姫武神が神殿の最も月に近い場所で舞うことで、翼のない羽人にも翼が生えて飛べるようになるとのこと。
とはいえ、もし羽然が本物の姫武神だった場合の代償は大きく、羽族から神として祭られる姫武神は聖林にて生涯を孤独に終えなければならないのでした。
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博敏克に従いつつ様子を伺う宮羽衣は、博敏克が羽然の父である羽皇を殺害したことを知ります。そして、羽皇が臨終に最も美しい踊り子に始末されるとの予言をしていたゆえ、博敏克は最も美しい踊り子を指す姫武神を捜していました。
こうして全てを打ち明けた博敏克は宮羽衣に王冠を手渡し、王女となって共に天下を握ろうと告げます。その後、羽然の元を訪れた宮羽衣は博敏克と結婚することを明かし、羽然たちには用意した船で東大陸に帰るよう促しました。
45話の感想
ようやく青州に姫野も辿り着き、羽然と再会を果たせて良かったです。羽然は青州に着いてからというもの、散々な目にしか遭っていないので、ここで姫野と合流できたのはかなり心強かったでしょう。
残るは阿蘇勒と白舟月ですが、このまま羽然たちが青州を出発してしまうと阿蘇勒とすれ違いにならないか心配です。それにしても博敏克の独善的な態度は度を超えており、とても正気の沙汰には思えませんし、そんな博敏克と結婚を決めた宮羽衣の考えは理解に苦しみます。
宮羽衣は下唐国の国主である百里景洪の妻かつ国師という立場ですが、博敏克と結婚して百里景洪が黙っているとも思えません。いずれにせよ、恨みという感情がここまで人を変えたり原動力となり、博敏克と宮羽衣を祖国再興に拘らせていると思うと恐怖さえ感じます。
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