NHK大河ドラマ『いだてん-オリムピック噺-』14話。
ストックホルムオリンピックの余韻を残しながら新たな時代へと突入しました。
池部家に嫁いだはずの春野スヤが金栗四三と見合い!?
躍動する女性たちや忍び寄る戦争問題など、波乱万丈な風が次々と吹き荒れる!?
大河ドラマ『いだてん』
14話「あらすじ」
ストックホルムオリンピックで完敗した日本勢チームは、閉会式前に帰国の途に着きました。
駅では、今か今かと金栗の到着を待ちわびていたのは、東京師範學校の仲間たち。
學校に戻るとすぐに、生徒や教師たちが集まる中での報告会が行われました。
仲間たちは、腫れ物に触るよう”敗北”という核心を避け、別の話題で話しを盛り上げていましたが、その中でひとり。
永井教授(杉本哲太)の弟子という三階堂トクヨ(寺島しのぶ)が口を開きます。「敗因は何だと思われますか?」強い口調で金栗に問いかけました。
生徒たちが「金栗は精一杯やった」と擁護するも二階堂は、「精一杯やって勝てなかった理由を聞きたい」と強気に攻めます。
金栗は、敗北の要因は食事や練習法、当日の天候など複数あると答えました。
しかしそれは、どれも言い訳に過ぎない、だから自分の心にしまっておこうと思ったようですが、それに対して永井教授は、「それではダメだ!敗北から学ばないと意味がない」と声を荒げたのです。
日本の体育は50年は遅れている、欧州人と方を並べるにはどうしたらいいのか?
そこから日本のスポーツ改革が始まったのでした。
『いだてん』14話の見どころと解説
金栗四三や三島弥彦への風当たりは思ったより強く、誰もが金栗と”敗因”と結びつかないよう気を使っていました。
確かに、今回のオリンピックで金栗が学んだことは、今後の日本の体育に大きな影響を与えることになります。
また、今では当たり前となっている”鉄球”や槍投げの”槍”は、金栗が持ち込んだとのことでした。
後輩の野口源三郎(永山絢斗)が、それらの新しいスポーツに興味を示していることや彼のセンスからして、マラソンだけではなく多種に渡り貢献していくという印象を受けました。
実際の野口源三郎は、十種競技を専門としていたようなので、今後彼に脚光が浴びることにもなりそうです。
また、可児助教授(古舘寛治)も、外国から円形デッドボールというスポーツを日本に取り入れていました。
現在でいうドッジボールの原型となります。
当時はまだ、ルールはあやふやで円の中にいる者は、円の外の者が投げるボールに当たらないよう、ただ逃げるという競技だったようです。
14話では、ストックホルムオリンピック敗因で学んだ事、体育協会に新たな風が吹き、日本の体育にも旋風が巻き起こるであろう予感が詰まっていました。
また、熊本の兄からは応援してくれた人に申し訳ない、失望したとの手紙が届き肩を落とす金栗。
頭を下げる覚悟で熊本に戻りますが、彼を待っていたのはなんと、池部家に嫁いだはずの春野スヤとの見合いでした。
一体どういうことなのか?次週、金栗四三と春野スヤが結婚となるようです。
『いだてん』14話の感想
今回は、二階堂トクヨの出現で、日本のスポーツ界に変化が起きそうな予感がしました。
この時点で二階堂は、東京女子師範學校(現:御茶ノ水女子大学)の助教授であり、のちに日本女子体育大学の創設者となります。
イギリスで3年間、体操について学び1922年に日本女子体育大学の前身となる「二階堂体操塾」を設立した人物です。
二階堂がこれらを立ち上げなければ、今のスポーツ界も違う形になっていたかも?そんな印象を受けました。
ストーリーでは、これから戦争が起こり今後のオリンピックに多大な影響を与えるとの展開があるようですが、彼らはどのように危機を乗り越えて行くのか、歴史の一幕を楽しみにして頂きたいと思います。