NHKの大河ドラマ『いだてん-オリムピック噺-』2話では、日本初のオリンピック選手となった金栗四三の幼少時代を中心に描かれました。
物語の舞台は熊本。
虚弱体質だった四三は、海軍学校にも不合格となってしまいます。
しかし、ある人物との運命の出会いが彼を変えていくのです。
2話のあらすじ
舞台は明治10年の熊本。
西郷隆盛率いる薩摩軍と政府軍による最後の内戦・西南戦争が起こっていました。
激戦地からほど近い集落には、代々酒造業を営んでいる金栗家がありましたが、家長の信彦は体が弱く代々続いた酒蔵をつぶしてしまいます。
しかし、なぜか4男3女の子宝には恵まれていました。
明治23年、四三が誕生。
ところが、四三は生まれた時から体が弱く2歳になるまで毎晩夜泣きをしていました。
そんな四三が、日本発のオリンピック選手になろうとは、誰も知る由もなかったのです。
『いだてん-オリムピック噺-』2話の見どころと感想
当時の時代背景が悲しすぎる
西南戦争の頃、追い詰められた政府軍による横暴さが冒頭で語られました。
家を土足で入るのはもちろん、戸は破壊され樽に入った酒も奪う始末。
また、明治9年に廃刀令が発せられたこともあり、軍人や警官以外は刀を所持してはいけません。
それが家宝であっても取り上げられ、最悪の場合命も奪われる危険もあったようでした。
金栗家の家長・信彦は病床についていましたが、役人に代々伝わる刀を奪われまいと、布団の下に隠しているシーンもあります。
どんなところであれ、人々を傷つけることが許される、そんな時代だったのかと胸が痛みます。
中村勘九郎が中学生役も熱演!
四三の少年時代では、学校に向かう道のりで兄弟に遅れを取ることもしばしば。
置いて行かれた学校に行かず、家に戻ってくることもあったようです。
いくつになっても体は強くならず、中学生のころ海軍学校にも不合格になってしまいました。
四三の中学生時代を演じたのは中村勘九郎。
この時代は、何かとふんどし姿になることも多かったようですが、中村勘九郎の年齢が年齢ということで、他の学生との差が笑えました。
当時にはいなかったであろう、引き締まった肉体美やかすれ気味の声は熱演の域を超えていました。
映像だけを見ていると、何歳の時の四三を演じているのかがわからなくなるほど。
それでも、当時の純粋な少年の雰囲気を醸し出でたのは、やはり中村勘九郎の演技力の賜物でしょう。
地元・熊本で見つけた子役の演技が好評!
四三の幼少時代を演じたのは、久野倫太郎くん(8)です。
熊本を舞台にした作品ということもあり、放送局で子役募集を呼びかけたオーデションで、たまたま見た倫太郎君のおばあちゃんが応募したとのことでした。
倫太郎君は演技の経験はゼロ。
冒頭では、兄の実次(中村獅童)に怒鳴られガチ泣きする姿や、純粋で素朴な表情はとても印象に残りました。
撮影を行っていた頃は、まだ7歳だった倫太郎君。
本人も、自分が置かれている状況を、よく理解できていなかったようでした。
自然な表情を引き出すため、あえて台本を渡さなかったということもあり、彼の発した言葉や表情はまさに”素”の状態だったということでしょうね。