ネタバレ解説

「ジャスト・ワン・ルック」は、Apple+「ディスクレーマー夏の沈黙」のように1枚の写真が主人公グレタの人生を一変させます。
現像した家族旅行の写真に紛れていた1枚の写真には、中央に写る女性の顔にバツ印が記され、その隣にグレタの夫ヤチェクに酷似した男性、反対側にはカップルと思しき男女が写っていました。
このたった1枚の写真が、グレタが信じてやまない夫ヤチェクの本当の顔、記憶が失われた15年前の火事へと繋がっていきます。
最初はこの写真をただのイタズラ程度にしか考えてないかったグレタも、同じ写真を持って現れた元検事ゲーヴィッツの存在により、15年前の出来事を蘇らざるを得なくなります。
ゲーヴィッツによれば、写真のバツ印の女性は彼の娘アレックスで、15年前に交通事故で亡くなっているとのこと。さらには、アレックスが遺した写真とその裏に書かれたメモから、アレックスはヤチェクの子供を妊娠していたことも判明します。
2人は共にLAADというバンドのメンバーであり、ジミーはドラマーを務めていました。
このようにたった1枚の写真が見ず知らずのグレタとゲーヴィッツを繋げ、グレタが記憶を失っている15年前の火事へと物語を導いていきます。
全6話でテンポがいいこともあり、次は何が起きるのか、ヤチェクは何をしたのだろうと先が気になるストーリー展開となっています。
また、互いに面識のないグレタの周辺人物たちが、思わぬ形で繋がっていくのも見どころの1つです。グレタとゲーヴィッツが写真を通じて出会ったように、グレタはヤチェクの姉と、グレタの友人カミラはヤチェクを誘拐した殺し屋ボンチクと繋がっていきます。
これらの人物たちも全く面識はありませんでしたが、グレタはヤチェクの不在着信から名前を検索して姉を突き止め、カミラには隣人をのぞく趣味があったためボンチクの犯行に気づきました。
そこへカミラの子供を送り届けに来たグレタは、ヤチェクの車に乗るボンチクを発見し、カミラの夫と共に後を追います。
こうしてグレタの周辺人物が繋がり、それぞれの物語が展開されていきます。とはいえ、決してバラバラに物語が展開するのではなく、必ずどこかでグレタやヤチェクに通じているので、飽きることなく楽しめるのが特徴的です。
映像ならではの不気味なBGMや、フラッシュバックから現実のシーンに戻るといった流れるような場面転換が緊張感を増します。「ジャスト・ワン・ルック」は、ハーラン・コーベンとNetflixによる長期契約の作品の1つで、他には「ザ・ストレンジャー」、「偽りの銃弾」、「ミッシング・ユー」などがあります。
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