【花不棄〈カフキ〉】最終回(51話)のあらすじと考察。ラストシーンで映った「蓮衣客」は本物なのかそれとも幻なのか。原作の結末を考慮しながらラストシーンの考察をしています。他にも、登場人物たちの各々の結末と、ネタバレ感想をお届けします。
©2019 Kashi Feibao Culture Media Co., Ltd.
公式サイト
【花不棄〈カフキ〉】最終話(51話)のあらすじ
逆賊にとって不利な戦況になったことで、蕭九鳳が予言に従いカフキを生贄にする可能性が高くなりました。
それを阻止するために、東方炻は「婚礼を挙げよう」とカフキに提案します。
いくら蕭九鳳でも、孫の嫁には手を出さないはずだと。
しかし、カフキは「昔も今もずっとあなたが嫌いよ」と言って婚礼を拒みました。
2人の会話を聞いた莫若菲は、女子にかまけてばかりの東方炻は当てにならないと判断し、カフキの居場所(梅家村)を蕭九鳳に報告します。
一方で、カフキの居場所を知った雲琅と丹沙も、陳煜に報告して梅家村に向かいました。
*
カフキのいる梅家村に到着した陳煜は、これまでのことは全て計画で朱八華も本当は生きていると話します。
それを聞いたカフキはホッとした様子。
そして陳煜は、これから東方炻を討つつもりだと話します。
すると、カフキは「東方炻を殺さないで」と頼んだ上で、東方炻の隙を作って捕らえやすくするために婚礼を挙げることにしました。
カフキはさっそく東方炻のところへ行き、「あなたに嫁ぐわ」と伝えます。
すると東方炻はカフキを抱きしめ、カフキもほんの少しだけ彼を抱きしめ返すのです。
以下、結末に関する重要なネタバレを含んでいますので、未視聴の方はご注意ください。
結末ネタバレ
そして誰もいなくなる……!?
東方炻とカフキは婚礼の儀を始めました。
途中で蕭九鳳が乗り込んできて、カフキをさらいます。
すぐにでも予言を実行したい蕭九鳳は、カフキを碧羅天に連れていくつもりです。
すぐさま東方炻が追いかけようとしますが、莫若菲に足止めされて追うことができません。
一方、建物の外では陳煜と元崇が、蕭九鳳からカフキを奪い返そうとします。
同じ頃。
雲琅と丹沙が梅家村に到着しますが、それを黑鳳(蕭九鳳の側近)が迎え撃ちます。
①莫若菲は東方炻に刺されて死亡する。
②元崇は、蕭九鳳を止めようと立ち向かっていくが死亡。
③玉泉は、妹の丹沙をかばって黑鳳に殺される。
④雲琅と黑鳳は、相打ちとなり両者死亡。
⑤傷を負った丹沙は、這って雲琅のそばに行こうとするが、あと1歩のところで力尽きて死んだ。
来世の約束
多くの人が死亡した中、生き残った東方炻と陳煜は、蕭九鳳を追って碧羅天へと向かいます。
ひと足先に碧羅天に到着した蕭九鳳が、聖台に宝珠をセットすると、聖女を生贄にするための井戸が光りました。
蕭九鳳がその井戸にカフキを突き落としたその時……。
助けに現れた陳煜が、井戸に落ちかけたカフキの手をつかみますが、陳煜までもが落ちそうになってしまいます。
その陳煜の腕を東方炻がつかみ、渾身の力で2人を井戸から引き上げました。
その瞬間。
蕭九鳳の剣が、東方炻の胸に誤って刺さってしまいます。
東方炻はカフキの無事を目で確認し、蕭九鳳に「もう二度とカフキを傷つけないで下さい」と言葉を遺して死亡しました。
カフキは東方炻の死の瞬間を泣いて見届けます。
そして最後は、蕭九鳳vs陳煜の戦い。
陳煜は蕭九鳳を抱えて井戸に落としますが、勢い余って自分も落ちかけてしまいます。
とっさにカフキが陳煜の手をつかんで落ちるのを阻止したものの、彼女には陳煜を引き上げる力はありません。
それを分かっている陳煜は、カフキを巻き添えにしないために手を離そうとし、最期に言いました。
「来世でも君の蓮衣客になろう」
カフキが泣きじゃくる中、陳煜はカフキの手を離して自ら井戸に落ちていくのです。
その姿は本物なのか、それとも幻か……
皇帝は、寵妃の柳青蕪を連れて町を練り歩いていました。
町では、民たちが「白漸飛は、逆賊と通じていた罪で斬首になるらしい」と噂話をしています。
そんな中、柳青蕪は皇帝に問いかけました。
「また碧羅天の予言を使って玉座を狙う者が現れたら?」
「聖台は跡形もなく消え失せた。ゆえに問題ない」
*
その頃カフキは、蓮衣客の名を後世に残すために、蓮衣客の姿に扮して放浪していました。
カフキは林の中を歩きながら蓮衣客との日々を回想します。
その途中で、ふと物音がしてそちらに目を向けると……。
そこには、蓮衣客の姿をした陳煜が立っていたのです。
目の前の蓮衣客と、回想の中の蓮衣客の姿がゆっくりと交錯します。
蓮衣客とカフキは抱きしめ合いますが、この蓮衣客は生きた本物の陳煜なのか、それとも幻か……。
THE・END。
考察。陳煜は生きている?死んでいる?
ラストシーンでは、底なし井戸に落ちたはずの陳煜が蓮衣客の姿でカフキの前に現れました。
この彼は生きた本物の陳煜なのか、それともカフキが見た幻なのか……。
どちらにも取れるラストシーンなので絶対的な正解はありませんが、どちらかと言えば“幻”を匂わせていたように思います。
なぜなら、現れた姿が陳煜ではなく蓮衣客だったから。
彼は井戸に落ちる直前に「来世でも君だけの蓮衣客になる」と言い残しました。
そしてカフキも、陳煜がいなくなってからもずっと“蓮衣客”という存在を、重く深く心にとどめ続けました。
「蓮衣客の名を後世に残したい。蓮衣客の姿に扮することで彼を近くに感じられる」と。
さらにカフキは、ラストシーンの直前で蓮衣客のことを回想しています。
つまり、ラストシーンで映った蓮衣客という姿は、カフキが望む彼の姿=幻だと結びつけられるのです。
この時の蓮衣客の姿が、回想の中の蓮衣客と交錯していたことも“幻”を匂わせる演出のように思えます。
また、もしも井戸に落ちた陳煜が助かったのであれば、同じく落ちた蕭九鳳も生きていることになりますが、そのような描写は一切ありませんでした。
これらを総合して考えると、陳煜は死亡したように思えるのですが……。
ただ、原作では陳煜は生きているらしいので、ドラマの結末もハッピーエンドと捉えて問題ないでしょう。
【花不棄〈カフキ〉】最終話(51話)の感想
以下、結末に関する重要なネタバレを含んでいますので、未視聴の方はご注意ください。
最終話だというのに、愛するカフキから「昔も今もずっと嫌い」と言われる東方炻には同情してしまいました。
でもその後に、カフキは陳煜に「東方炻を殺さないで」と頼んでいたので、きっと口で言うほど嫌いではなかったのでしょう。
印象的だったのは、カフキに「嫁ぐわ」と言われた時の東方炻の表情です。
“信じられない、言葉にならない、でも震えるぐらい嬉しい”
そんな一瞬の感情が手に取るように伝わってきました。
報われないと分かっていながらもカフキを愛し続け、彼女を守るためなら己の犠牲もいとわなかった東方炻にとって、嫁ぐと言ってもらえたことはこの上ない幸福だったことでしょう。
ただ視聴者目線では、カフキが「嫁ぐ」と言ったのは東方炻を捕らえやすくするための策だと分かっていたので非常に胸が痛みました。
けれどもその後、カフキが東方炻をほんの少しだけ抱きしめ返していたのを見て、東方炻が報われた気がして涙腺崩壊……。
カフキが愛しているのは陳煜でそれが変わることは未来永劫ないけれど、それでも「東方炻を殺さないで」と言ったり、少しだけ抱きしめ返したのは、カフキが東方炻に返せる最大限の情だったと思います。
東方炻は亡くなり想いも報われませんでしたが、カフキからの最大限の情をもらい、つかの間の幸福を得たことがせめてもの救いです。
このように、最終話では東方炻に大きくフォーカスが当たり、彼の感情は最期までとても丁寧に描かれていました。
それに比べて、他の人たちの死があまりにも足早すぎます。
明らかに話数が足りていないですし、死ぬ必要のなかった人までバタバタ死んでいく最終話に不満が残った視聴者も多いかもしれません。
陳煜とカフキに関しては、完全なるハッピーエンドとは言えませんが救いもありました。
陳煜が井戸に落ちるシーンは号泣ものでバッドエンドかと覚悟しましたが、ラストシーンで(たとえ幻でも)陳煜が現れてくれたのは救いのある終わり方でした。
*2020年12月30日からBS12で放送中の【独孤伽羅】もオススメのドラマです。歴史物がお好きな方は是非!