沢村一樹が主演の『刑事ゼロ』の最終話がついに放送されました。今回は、”タロットカード殺人事件”の黒幕がついに明かされます。さらに、時矢が記憶を失った理由も明かされ、最後まで目が離せない内容でした。時矢は無事に、全ての記憶を取り戻すことができるのか!?『刑事ゼロ』最終話のネタバレ解説と感想をお届けします。
ドラマ『刑事ゼロ』
『刑事ゼロ』最終回(10話)のあらすじ
“タロット殺人事件”が再び起こり、その犯人である外山は銃で自害しました。
後日、外山の家宅捜査を行うと、外山のPCから遺書を発見。遺書には、1件目から5件目までの犯行を自白した内容が書かれており、さらに、犯人しか知りえない情報が書いてあったことから、全ての事件は外山の犯行であると思われました。
しかし、外山が全件の犯人であるならば、1-3件目の容疑者として逮捕された能見は無罪ということになります。
翌日、外山の遺書がネットで拡散。世間は、警察のことを”誤認逮捕””遺書の隠蔽”とバッシングするのでした。
能見は”誤認逮捕”ということで身柄を釈放されますが、数日後に殺害されてしまい……!?
タロット殺人事件のまとめ
1-3件目の容疑者は能見
4-5件目の容疑者は外山
6件目の容疑者は藤林?死亡したのは能見
被害者の共通点は、罪を犯していながら釈放された人物。いずれもタロットカードに見立てて殺害されている。
『刑事ゼロ』最終回(10話)のネタバレ解説
タロットカードの種類
能見がいた留置所の壁にはローマ数字が彫ってありました。その数字とタロットカードの番号を照らし合わせている時、時矢はとあることに気づきます。
佐相が持っているタロットカードの絵柄が、以前見たタロットカードと微妙に絵柄が違っていたのです。
実はタロットカードには、マルセイユ版とライダー版の2種類があり、絵柄が微妙に違うと気づく時矢。
1-3件目はライダー版、4-5件目はマルセイユ版の絵柄に見立てていることから、やはり犯人はそれぞれ別人であると推測。なぜなら、”秩序”を最も重視する犯人が、途中でタロットカードのバージョンを変えることはありえないからです。
黒幕は誰!?
“タロット殺人事件”の捜査から外されてしまった時矢たち。
時矢は、元妻の奥畑弁護士のもとを訪れ、「能見についてなんでもいいから思いあたることを教えてほしい」と頼み込みました。
すると奥畑は、「能見の精神鑑定の結果が意外だった」と言って、藤林医師が書いた鑑定書を時矢に手渡します。
鑑定書には、”心神喪失の可能性が高く、罪を償える状態ではない”という結果が書かれていました。以前、時矢が藤林のもとを訪れた時には「心神喪失の可能性は低い」と言っていたのに、違う結果が書かれています。
「この鑑定書が、能見釈放の決定打になった」と言う奥畑。ということは、藤林がウソの鑑定結果を書いた理由は、能見を釈放させるためということでしょう。
藤林を調べると、藤林は、死亡した被害者全員と何らかの形で会っていました。(精神鑑定や聞き取り調査)
このことから、”タロットカード殺人事件”の黒幕は、おそらく藤林だと当たりをつける時矢ですが……!?
犯人たちの共通点
能見と外山、そして藤林。3人のPCを調べると、共通のサイトにアクセスしていることが判明しました。
さらに、3人は、過去に肉親を殺されているという共通点が見つかりました。そして、肉親を殺したどの犯人も罪を償うことなく死亡しています。
おそらく、家族を理不尽に失った3人は、そのやり場のない苦しみを、”タロット殺人事件”で発散・解放していたのでしょう。
時矢が藤林を殺害!?
藤林医師が黒幕だろうと当たりをつけた時矢ですが、なんと、藤林も誰かに殺害されてしまいます。
佐相が現場に駆けつけると、時矢が血まみれのナイフを握り、藤林の遺体の前で呆然と立っていました。「覚えていない」という時矢ですが、状況証拠的に、時矢が逮捕されてしまうのでした。
時矢逮捕という展開に佐相たちが唖然とする中、”隠しカメラ付きのペン”が時矢から届きます。映像を見てみると、時矢がタクシーで移動する様子がノンストップで映されていました。
そして、時矢が現場に到着した時、すでに藤林は死亡していました。
藤林の死亡推定時刻は午後8-9時。しかし、時矢の映像は、午後7時半から9時までノンストップで映されていたため、時矢の無罪を証明できるはずです。
真相
“タロットカード殺人事件”の真の黒幕は、烏丸留置所に勤める草葉でした。
・”タロットカード殺人事件”の被害者リストは全員、”烏丸留置所”で拘束された過去がある
・よって、烏丸留置所で働く人物が黒幕と推測
・烏丸留置所で働く人物を調べた結果、草葉は過去に肉親を殺害されたという過去を持っていた
以上のことから、時矢は草葉が犯人であると当たりをつけていたのです。時矢が逮捕されたのは、”烏丸留置所”に入るためのあえての行動だったのでしょう。
ところで、なぜ草葉は1-5件目までの犯行を外山ひとりの犯行に見せたのでしょうか。それは、”刑事の罪”を刑事たちに認めさせるためだったのではないでしょうか。
実際は能見は冤罪ではありませんでしたが、冤罪に見せかけることで、世間に”警察は他にも罪を犯しているかもしれない”と思わせたかったのではないかと推測します。また、世間からのバッシングが集中すれば、それが警察への罰になると考えたのかもしれませんね。
『刑事ゼロ』最終回(10話)の感想
最終話は、黒幕だと思っていた人物が殺害されたり、真相が2転3転する構成が見事でした。てっきり藤林医師が黒幕だと思っていたので驚きました。
時矢が受けた”精神的ショック”の言葉が「刑事の罪」だった、という点に関しては、少しオチが弱い気もしましたが、そこは沢村一樹の演技力でカバーされていた感じですね。
時矢の記憶が完全に戻ったら、昔の冷静沈着な時矢に戻るのか、それとも今の”おっさん子供”が多少は引き継がれるのかどうなるのだろう?と気になっていましたが、まさかの“時矢の記憶は戻らなかった”という結末。
記憶が戻らなかったことで、続編に繋げやすくなったと思うので、そういう意味では良いオチと言えるのではないでしょうか。