沢村一樹が主演のドラマ『刑事ゼロ』の第3話が放送されました。
今回の事件は「逆回転誘拐」という斬新な内容!
通常の誘拐とは”真逆の順番で進んでいく誘拐”から目が離せません。
誘拐の手順が真逆に進んだ結果、どのような結末に辿りつくのか。
また、犯人が真逆にした理由は?
疑問が盛りだくさんの『刑事ゼロ』第3話のネタバレ解説をお届けします。
『刑事ゼロ』第3話のあらすじ
金属チェーンを経営する夏富家に、「誘拐した息子を解放する」という電話がかかってきます。
誘拐されてもいないのに「解放する」と宣告され、戸惑う夏富家。
念のため、息子・輝の無事を確認した夏富家は、イタズラ電話に違いないと結論づけることにしました。
しかし翌日、仕事の取引のために夏富会長が用意した1億円が強奪されてしまいました。
会長からの通報を受けて、現場にやって来たのは時矢刑事(沢村一樹)。
時矢は、家族から話を聞くために夏富家を訪れます。
すると、郵便受けに「1億円を用意しろ」と書かれた脅迫状が投函されていました。
犯人はすでに1億円を強奪したはずなのに、なぜ脅迫状が届いたのかと、みんなの疑問は膨らむばかり。
しかし、時矢は特技の”直感”である事実に辿り着きます。
その事実とは「この誘拐は、通常の誘拐の手順と正反対の順序で展開されている」というもの。
時矢の直感通りならば、誘拐はこれから起こることになるが……!?
『刑事ゼロ』第3話の解説・考察
夏富家の人々
夏富輝一郎
金属チェーンの会長で、夏富家の大黒柱。
質屋だった店を大手チェーンにまで発展させた手腕を持つが、自分の金は家族にさえ一銭もやりたくないと思っている。
夏富家の血を引いていない永久を家族とは認めておらず、最終的に永久を部屋に閉じ込めてしまう。
紗輝子/武臣
紗輝子……会長の娘。
武臣……紗輝子の夫。
ふたりの間には、永久と輝、ふたりの息子がいる。
永久(ながひさ)
夏富夫婦の長男だが、血は繋がっていない。
結婚後しばらくの間子供ができなかった夏富夫妻は、会長から半ば強制的に養子を取らされ、その時の養子が永久。
夫妻は、永久と輝どちらも分け隔てなく育てたが、会長は決して永久を家族だとは認めなかった。
そのため永久は、家族写真に写ることさえ禁じられ、やがて部屋から出てこなくなった。
輝(あきら)
夏富夫婦の実子で、次男。
兄の永久を慕っており、永久が閉じ込められたあともLINEで連絡を取り合っていた。
“逆回転誘拐”とは何なのか?
通常の誘拐
①誘拐……ターゲットの身内を誘拐する
②宣言……「誘拐した」と、人質の家族に告げる
③警告……「警察に言ったら人質の命はない」と警告する
④指示……身代金の受け渡しの指示をおこなうと同時に、人質の無事を伝える
⑤強奪……身代金を受け取る、強奪する
⑥解放……人質を解放する
上記が通常の誘拐の手順。
しかし第3話で起きた誘拐は、「身代金は受け取った。息子は解放する」という一本の電話からスタートしています。
つまり、いきなり⑥の”解放”から始まっているわけですね。
翌日、夏富会長が1億円を強奪され、(真逆の)順番通り⑤が実行されました。
会長が1億円を持っているタイミングで襲われていることから、勘のいい方ならこの時点で「身内の犯行」だと推測しますよね。
私もこの段階で、”犯人は身内の永久だろう”と予測しました。
真相~犯人が”誘拐”の手順を真逆にした理由は?~
前回のネタバレ記事はこちらから
永久が自分の存在を家族に認めてもらうために”誘拐”を自作自演したのかと予想していましたが、犯人は輝でした。
犯人というより、共犯というほうが正しいかもしれません。
輝は、兄の永久を哀れに思い、一緒に復讐するつもりで”誘拐”に協力したのです。
ではなぜ、誘拐の手順を真逆にしたのでしょうか。
その理由はおそらく、会長は永久を家族とは認めておらずお金にもシビアなため、通常の手順通りに「永久を誘拐したから金を用意しろ」と脅しても効果がないと考えたのでしょうね。
『刑事ゼロ』第3話の感想
“逆回転誘拐”という題材に興味をそそられましたし、真相も予想のひとつ上をいっていて楽しめました。
しかも、今回は動機が温かい!
犯人の輝が、誘拐の手順を逆にしようと考えたのは「兄・永久の失われた時間を取り戻してあげたいから」という温かい理由。
血は繋がっていなくても、輝にとって永久はかけがえのないお兄さんなんだな、と兄弟愛を感じました。
そして、今回も真相が一転二転して最後まで目が離せませんでした。
同一犯だと思っていたふたつの誘拐が別物だったとは!
【永久誘拐】は兄弟の自演だったけれど、その後の【輝誘拐】は、【永久誘拐】に乗じて会長の部下が起こした”本物の誘拐”だったのです。
温かさと厳しさのバランスが良い
今回の誘拐は、家族に永久の存在を知らしめることが一番の狙いでした。
でも、誘拐後もきっと会長の態度は変わらないんじゃないかな?という気がします。
犯人から解放された時、孫(輝と永久)の心配はせず、お金の入ったかばんを何より大事そうに抱えていましたし。
何もかもを温かく終わらせるのではなくて、厳しい現実も描いているのがいいですね。
温かさと厳しさがバランスよく描かれているので、ドラマの内容に現実味を感じられます。
時矢自身を掘り下げてくれることに期待
主人公の時矢(沢村一樹)は、意図的に一部の記憶を閉じ込めています。
それはつまり、”一部、思い出したくない記憶がある”ということですよね。
思い出したくない記憶が何なのか気になるところですが、第3話になっても未だにヒント無しなので、なかなか推理が進みません。
そろそろヒントの欠片だけでも見つけたいところです。
他にも元妻との馴れ初めが気になりますし、今後は、時矢の身近な人物や時矢自身の掘り下げにも期待したいです。