【慶余年~麒麟児、現る~】21話と22話。慶帝は、林珙の死の裏には北斉の工作があったとして開戦を宣言します。宰相はその決定が北斉を攻めるための口実にすぎないと分かっていましたが、成す術がありませんでした。この記事ではネタバレ・感想・考察をお届けします。
【慶余年】21話のネタバレ
北斉を攻めるための名目
鑑査院長(陳萍萍)はもっともらしい理由をでっち上げて、林珙を殺したのは東夷城の四顧剣だと発表します。
さらに、裏には北斉の工作があるとして出兵を進言すると、慶帝はそれを受け入れて「北斉と戦をする」と宣言しました。
この場にいる宰相(林若甫)は、四顧剣が本当に犯人だとは思っておらず、北斉を攻めるための名目に過ぎないとわかっていましたが成す術がありませんでした。
慶帝は最後に、范閑と林婉児の婚姻については戦が終わってから婚礼を挙げるようにと命じます。
*
長公主が林珙の件で宰相を慰めに来ました。
しかし宰相は、長公主が自分に何の感情もないことを知っていたので冷たくあしらいます。
長公主は林婉児と范閑の結婚を破談にしたいようでしたが、宰相は林婉児が望んだことだからと聞き耳を持ちませんでした。
優しい嘘
林婉児に「あなたが兄上を殺したの?」と悲痛なまなざしで問われた范閑は、彼女を直視できませんでした。
范閑がやっとの思いで「殺してない」と答えると、林婉児は握っていた剣を手放し、もしも范閑が殺していたなら自害しようと思っていたと打ち明けます。
(范閑は林珙を殺してはいないものの、殺そうと思ったことは確かであるし、それに、自分と関わりの深い五竹が殺した以上は范閑も完全に無関係というわけではありません)
本当のことが言えず罪悪感に苛まれた范閑は、林婉児と別れたあと滕梓荊の墓へ赴きました。
すると、若若がやってきて「優しい嘘も必要だ」と慰めます。
范閑の母親
院長は、自分が不在のあいだに范閑の縁談を進めて内庫を継がせようとした范建を非難します。
「内庫を継げば矢面に立たされるだけだ。范閑を危険にさらすな」
すると范建は、自分こそ危険な場所である鑑査院を継がせようとしているのによく言えるなと反論します。
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范閑の前に現れた五竹は、范閑の母親の話をしている途中で急に様子がおかしくなります。
「先導者で裏切り者――。天地を創造し、万象の源で世を終結させる」
五竹は無意識にそう口走ったあと、太平別院の場所を思い出しました。
【慶余年】21話の感想と考察
実のところ、林珙を殺した犯人は五竹なので范閑もまったくの無関係というわけではありません。
きっと范閑もそのことで苦しんでいるはずですが、五竹が殺したことは林婉児には言わずに墓場までもっていくしかないのでしょうか……。
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誰が味方で誰が敵なのか、見れば見るほどわからなくなってきましたが、院長が范閑を守ろうとしていることだけは確かな気がします。
院長と范建は、即位前の慶帝を支えていた2人だから仲がよいのかと思えば、顔を合わせて早々にケンカとは(笑)
イケオジたちの腹の読み合いやケンカが、最高におもしろいです。
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またまた五竹はおかしな動きをしていましたが、まさか2話で考察したとおり本当にロボットなのか??
さらに、意味深なセリフも言っていました。
「天地を創造して、万象の源で世を終結させる」
それってまさか「神=小説を書いている人」ってこと!?
考えれば考えるほど、よく分からなくなってくるこのドラマ。
ただ、ストーリー自体は緻密なのに混乱することもなく本当におもしろいです。
【慶余年】22話のネタバレ
*分かりやすくお伝えすることを最優先にしているため、一部 シーンが前後している部分があります。
范閑は林婉児を野遊びに誘いました。
大宝、范思轍、若若、葉霊児も同行し、一同は和やかな時間を過ごします。
しかしその裏では、宰相が范閑をテストするための策を準備していたのです。
実は宰相は、“本当は范閑が林珙を殺したのではないか”という疑惑を拭いきれずにいました。
仮に范閑が直接殺していないとしても、背後にいる猛者が殺した可能性があると考えていたのです。
そこで、野遊びの最中に手下たちに范閑を襲わせることにし、猛者が助けにくるかどうかを確かめることにしました。
そのことは林婉児も承知しています。
実は林婉児は、前日に宰相から「范閑と2人きりになり、ひとけの無い場所に連れ出せ」と言いつけられていたのですが、いざその時になると罪悪感を覚えてしまいます。
一方の范閑にも思惑があり、こたびの野遊びを計画したのは「太平別院で鍵を探す」という目的のためでした。
その目的を知る若若が太平別院を見つけたというので、范閑は適当な理由をつけて若若とこの場を離れました。
2人が太平別院の近くに到着すると、燕小乙という凄腕の弓使いが矢を放ってきました。
合流した五竹が燕小乙を引き止めることにし、范閑はそのすきに太平別院に侵入します。
すると、なぜか慶慶がいました。
慶帝は范閑に「古い友人が住んでいた屋敷だ」と話した後、戻ってきた燕小乙に警備をさらに厳重にするよう命じます。
その頃。
野遊びのことを聞きつけた皇太子が、林婉児のところへやってきて林に誘い出しました。
すると、皇太子を范閑だと勘違いした宰相の手下たちが皇太子を捕らえます。
*
北斉との戦がすでに始まっていました。
慶帝は徐々に占領する方針でしたが、鑑査院ではそれに反して「一気に攻めるべき」だと煽る動きがあり……!?
【慶余年】22話の感想
原作小説の范閑は、“転生前は女性経験がゼロだった”という設定です。
けれどドラマでは、「転生前はモテ男だったんじゃないか?」というぐらい林婉児へのアプローチが自然でこなれています。
今回は好き好きオーラが全開でしたし、とにかく可愛いかぎりでした。
2人の仲睦まじい姿はもちろんのこと、大宝たちが水辺で遊ぶ様子にもホンワカさせられました。
しかしその裏では宰相が策を講じていたなんて、なんとも複雑な心境になってしまう展開。
宰相からしてみれば、“范閑が林珙を殺したかもしれない”という疑惑が拭えないのも仕方ありません。
その疑惑が完全に晴れることは、果たしてあるのか……。
さすが宰相という地位にいるだけあり慎重で用心深いですね、范閑をテストするための策も見事。
ただ手下たちはそれほど賢くないようで、范閑と間違えて皇太子を襲ったのには笑えました。