【慶余年~麒麟児、現る~】31話と32話。范閑は父親から「長公主に情けをかけろ」と言われて悩んだものの、殺された滕梓荊のために妥協はしないと決断します。その結果、長公主は都から追放されることになるも、范閑に「置き土産」を残していたのです。この記事ではネタバレ感想をお届けします。
【慶余年】31話のネタバレ
長公主への処罰
范閑は父親に呼ばれ、「長公主は林婉児の母親なのだから、情けをかけるように」と言われます。
それに、范閑がいずれ朝廷に立つならば、飴とムチを使い分けて敵をも味方につけなくてはならないと。
范閑は少し考えてみることにしましたが、結局、殺された滕梓荊の代わりに長公主を許す資格など自分にはないという結論に行きつきます。
一方の王宮では、長公主がいまだに跪かされていました。
慌ててやってきた皇太子は、慶帝に呼ばれるなり長公主の命乞いをします。
続いて范閑もやってきますが、范閑は長公主の命乞いではなく、長公主を厳罰に処すよう要求しました。
すると慶帝は、皇族の長公主にとって重い処罰となる「都からの追放」を言い渡します。
母子の再会
母親の長公主に会いにいった林婉児は、国を売ったことや范閑の命を狙ったのは本当かと尋ねると、長公主はそれを認めました。
その瞬間、林婉児は“重病の時でさえ会いにきてくれなかったこと”や、“母上の心に私はいるのか”といった疑問を吐き出します。
「もしも私のことを思っているのならば、婚約者の范閑の命を狙ったりはしないはず」だと。
すると長公主は、林婉児にずっと会わずにいたのは自分の悪事に巻き込まないためだったと話します。
そして、范閑の命を狙ったのは、范閑と結婚すれば林婉児にも危険が及ぶからだと。
ともかく范閑とは離れるようにと言いきかせる長公主ですが、林婉児は「范閑が死地の道を歩むのなら、私も一緒に進む」と答えます。
さらに、林婉児は長公主が命を預けた殿方が父親ではないことを見抜き、これほどの悪事に足を踏み入れさせたその殿方が誰なのかを問いますが長公主は答えませんでした。
長公主は最後に、明日の見送りにはこないようにと念を押します。
翌日。
皇太子と范閑がそれぞれに長公主を見送り、くるなと言われた林婉児もこっそり覗いていました。
一方の王宮では、官史たちが一斉に「言氷雲が敵国の北斉に捕まったのは、范閑が情報を売ったからだ」と慶帝に訴えます。
そのすぐ後、慶帝から呼び出された范閑が王宮に到着すると、皇太子や二皇子も来ていました。
そこへ登場した慶帝は「家族の宴だから楽にせよ」と言いますが……。
31話の感想と黒幕の考察
感想
前からうっすらと感じていたのですが……范閑には“容赦ない一面”がある気がします。
郭保坤に泣きつかれた時も助けなかったし、今回の長公主の件に関しても決して妥協しませんでした。
このことで林婉児との間に溝が生じてしまわないかと心配でしたが、むしろ林婉児からは揺るぎない愛情を感じて一安心。
彼女にとって范閑は、孤独も人生もこころも、すべてを託せる相手なのでしょうね。
一方の長公主は、国を売るような悪女ではありますが、林婉児に「あなたを遠ざけていたのは悪事に巻き込まないため」と言っていたのは本心のように見えました。
ただ「想い人でなければ命までは狙わなかった」と言っていたのは明らかに嘘というか辻褄が合わないので(想い人と知ってからも范閑の命を狙ってた)、長公主の言葉がすべて本心とも言い切れないんですよね。
黒幕を考察!
気になったのは、「長公主の悪事はすべて、愛する殿方のため」と匂わせたこと。
林婉児がそれらしきことを言っており、長公主の反応も図星をつかれたような感じでした。
もしそうだとすれば、その殿方が本当の黒幕ということになり、ますます面白い展開になります。
さらなる黒幕がいた場合、その黒幕の目的はおそらく「内庫を自分の手中に収めること(范閑に継がせない)」でしょう。
その動機がある殿方といえば、皇太子か二皇子が濃厚です。
まず皇太子ですが、長公主と結託しているシーンが何度も描かれてきたため、彼が「黒幕の殿方」ならば納得。
顔のない女性画も長公主の可能性が高いですし、長公主の助命を必死に嘆願していたことから、親族以上の感情を抱いているように見えます。
ただ、皇太子が黒幕だとひねりがないのも事実。
中国の視聴者によれば、本作の脚本家は逆転劇を好むようなので、【慶余年】でも意外な真相が待っているかもしれません。
次に二皇子ですが、今のところ長公主との関わりは皆無です。
なので、もしも二皇子が「黒幕の殿方」だとしてもピンときませんが、この脚本家のことですから必ず伏線は張られているでしょう。
「殿方」が慶帝である可能性も考えましたが、それだと長公主が范閑の命を狙う理由がないので 慶帝はいったん除外しました。(でも慶帝だったら面白い)
ともあれ、長公主は都から追放された程度では失脚しなさそうですし、きっとまた范閑の命を狙ってくるのではないでしょうか。
【慶余年】32話のネタバレ
潔白を証明するための北斉行き
慶帝に呼び出された范閑は、なぜか皇太子や二皇子と一緒に食事をさせられます。
そんななか、慶帝は、范閑が言氷雲を北斉に売った疑惑について話を切り出しました。
「潔白を証明するために、范閑が自ら北斉へ行き言氷雲を連れ戻してこい」と。
北斉に行かないなら林婉児との結婚をとりやめると言われた范閑は、仕方なく了承します。
一方、長公主の一味だったために地位を剝奪され辺地に追いやられた燕小乙は、長公主に別れを告げるために信陽の地に来ていました。
長公主は燕小乙に、北斉行きの道中で范閑を襲うようにと ほのめかします。
花畑の誓い
鑑査院長(陳萍萍)に会いにいった范閑は、そのついでに三処のメンバーにも会います。
彼らから最新式の武器や様々なアイテムをもらい帰路につくと、道中で師匠の費介と再会しました。
師匠は危険すぎる北斉行きを阻止したいようでしたが、現れた院長に「勅命だから行かせるしかない」と言われて口論に……。
范閑は2人の間に割って入り「北斉へ行く」と宣言しました。
出発の数日前。
范閑は花畑で林婉児と散歩をしながら「北斉へ行くことになった」と告げます。
本当は行きたくないけれど、慶帝の命令だし、もし行かなければ結婚が破談になるから行くことにしたと。
すると林婉児は「駆け落ちする」と大胆発言をします。
「駆け落ちをすれば二度と戻ってこれないんだぞ。怖くないのか?」
「守ってくれるでしょ?♥」
そう言われた范閑はおでこにキスをし、北斉行きの決意は変わらないことを告げます。
林婉児は范閑に浮気しないことを誓わせ、自分から口づけをしました。
【慶余年】32話の感想
皇太子と二皇子の対比がなかなか興味深く描かれていました。
皇太子の食べ方はとても上品で、慶帝の問いにも模範解答で返すところがいかにも優等生という感じ。
それに対して二皇子は、食べ方に品はないけれど どこか親しみを覚える「庶民」っぽさがありつつ、ただ者ではない雰囲気も醸し出しています。
二皇子の胸の内が読めない感じは、慶帝に似ているかも。
それにしても、今回一番気になったのは「兄弟3人で食え」という慶帝の言葉。
やはり范閑は慶帝の息子なのでしょうか。
こんなにもハッキリと匂わせているというのに、作中のキャラクターが誰もその考え(范閑が慶帝の息子かもしれない)に行きついていないのが不思議です。
それとも、気づいているけど口に出さないだけ??
一方、相変わらずフレンドリーな三処のメンバーと范閑のやりとりは、完全なるコントで笑えました。
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花畑のラブシーンがとても可愛かったです。
林婉児の駆け落ち発言は、范閑とならどこへ行くのも怖くないという、絶対的な信頼と愛情を感じました。