【孤城閉〜仁宗、その愛と大義〜】の全話あらすじ一覧とネタバレ感想を結末まで詳しく紹介します。本作は、「琅琊榜」や「明蘭」の制作会社が手掛けた正統派時代劇。中国では周到な脚本や俳優陣の高レベルな演技が評価され、趣のある調度品も話題になりました。
【孤城閉】あらすじ/作品概要
北宋の皇帝・趙禎は、実母が自分を育ててくれた太后の劉娥ではなく、太后の婢女であった李蘭恵だと知る。
趙禎は太后に反抗心を抱くようになり、生母に孝行できなかったことを悔やむ。
一方、趙禎に憧れを抱いていた曹丹姝は胸を躍らせながら後宮に入るが、夜伽のない日々が続くのだった。
【孤城閉】全話のあらすじ一覧
1話のあらすじネタバレ
北宋の天聖年間。
太后 劉娥の補佐のもと皇位に就いた若き皇帝 趙禎は、乳母を呼び出し自分の母親について尋ねました。
乳母が太后の名を出すと、趙禎は「そなたまで朕を欺くのか!」と声を荒げます。
趙禎は乳母を問い詰めた末に、生母は自分を育ててくれた太后ではなく、先帝の陵墓を守っている李蘭恵であることを聞き出しました。
趙禎は従者ひとりだけを連れ、怒りのままに無理やり開門させて陵墓へ。
入り口に着くと、陵墓の侍衛は趙禎の前に回り込んで跪き「本日は先帝のお参りですか?」と尋ねます。
「先帝の供養ではない、母に会いに来たのだ」
すると、侍衛は乳母と同様に太后の名を出し、太后なら宮中におられます!と声を張りました。
趙禎は「太后ではなく、生みの母親のことだ」と言い、陵墓の奥にある李蘭恵の住まいへ向かおうとしますが侍衛に阻まれます。
趙禎は思わず、侍衛に剣を突きつけました。
そこへ、先帝を供養する儀仗兵とともに、趙禎の師である晏殊が現れます。
晏殊は「李蘭恵は先帝の遺勅で陵墓を守っており面会は許されていない」と言い、趙禎に帰宮を促しました。
しかし、趙禎は皇位を捨てて母の李蘭恵と2人で暮らしたいと言い出します。
そこへ、李蘭恵の従者が李蘭恵の言葉を伝えに来ました。
その言葉は、趙禎が民のために良い皇帝になることを願う言葉でした。
落ち着きを取り戻した趙禎は、幼い頃に李蘭恵が作ってくれた砂糖漬けのことを思い出します。
「あの方の作った砂糖漬けを、ひと時でも味わいたい」
すると、李蘭恵の従者は、李蘭恵は陵墓に来てからは砂糖漬けを作っておられないが、砂糖漬けのレシピは梁家の菓子店で学ばれたものだと教えます。
それを聞いた趙禎は、梁家の菓子店へ向かいました。
すると、門前で書生の韓琦と悪漢が対峙している最中でした。
趙禎は従者に悪漢を追い払わせ、通報しようとします。
ところが、韓琦は「悪の根源はあいつらではなく、すべての役人を束ねる皇帝だ」と言い、通報させまいとしました。
趙禎は自身が皇帝であることを隠したまま、皇帝が悪の根源である理由を説明させます。
韓琦は、宋の法律では市場外での出店を禁じられていることと、梁家が先ほどの悪漢を訴えれば出店できなくなってしまうことを説明して役人を批判しました。
趙禎は「規則を破って店を出す民も裁かれるべきだ」と役人を擁護します。
韓琦は「あなたは下界に降りてきた仙人か」と皮肉り、わずかな食糧のために法に背かざるを得ない民の苦しみを語りました。
趙禎は去り際に「そうも役人を批判しながら、なぜ科挙を受ける」と聞きます。
韓琦は、「皇帝は民の苦しみを知らない、高官が都合の良い話だけを報告するからだ。私がその状況を変える」と言うのでした。
1話の感想
「琅琊榜」や「明蘭」の制作会社が手掛けたとあって、1話から堅実で正統派な雰囲気が感じられます。
そして、ドラマが醸し出す独特な閑静さに、引き込まれるのと同時に寝落ちしそうになりました(笑)
ストーリーは、時代背景がかぶっている【大宋宮詞】で予習済みということもあり、すんなりと頭に入ってきました。
皇帝の趙禎は【大宋宮詞】と同様に、皇帝としては少し心が弱いような印象を受けましたが、将来、そんな趙禎の支えになってくれるのが韓琦でしょうか?
韓琦の「下界に降りてきた仙人か」という皮肉が面白かったです。
演者の戰宇は【夢織姫】では謝啓臨役でしたが、本作でも相変わらず声のトーンが優しく、思わず聞き入ってしまいました。
2話のあらすじネタバレ
福寧殿。
皇帝 趙禎は、叔父で八大王の趙元儼から言われたことを思い返して涙を流します。
《太后は非情にも、生母の李氏から陛下を奪って皇后(現在は太后)に登り詰め、朝廷を牛耳っているのです!!》
心乱れる趙禎は福寧殿に引きこもり、しばらくの間 誰にも会おうとしませんでした。
ある日の朝議で、八大王は「県令の范仲淹が母親の喪に服するために退官を願い出ています」と報告しました。
趙禎は「母への孝行はおろそかにできない」と言い、垂簾聴政の席に座っている太后に当てこすります。
八大王も追随するかのように「生母に孝を尽くさぬのは、獣にも劣る!」と発言。
太后は范仲淹の後任の名前を挙げて受け流した後、趙禎の未熟さを遠回しに指摘するのでした。
退朝後、太后は八大王に医者を派遣し病だと診断させ、静養させることに成功します。
八大王は「太后め!! 私は病などではなく いたって健康だ!」と怒り狂いました。
一方、皇后の郭清悟は、福寧殿の前で楊美人と出くわします。
郭清悟は楊美人に難癖をつけるも言い負かされた悔しさから、趙禎に「楊美人が盗みを働いた」と訴えました。
趙禎は微笑みを貼り付けながら「それよりも砂糖漬けの話がしたい」と言い、郭清悟に砂糖漬けの作り方を学ばせます。
その後、郭清悟は自作した砂糖漬けを太后の前に並べ、趙禎の言葉を無邪気に伝えました。
「この砂糖漬けが、李氏と同じ味かどうか確かめてほしいそうです!」
李氏こそが趙禎の生母だと知らない郭清悟は、趙禎から聞いた李氏や砂糖漬けについての話をペラペラと喋り太后を不機嫌にさせます。
それを察した太后の従者は、わざと配下を叱りつけることで郭清悟の話を中断させるのでした。
この時の太后の様子を従者から聞いた趙禎は、自分の出自は八大王の言うとおりだったのだと確信を深めます。
7歳の時からお付きの宦官として趙禎に仕えている張茂財は、趙禎から最も信頼されています。
そんな張茂財を呼び止めた都知の江徳明は、「お前の話なら陛下も聞き入れて下さるだろう」と言い、先帝時代の話をしました。
その夜、張茂財は趙禎に、「生母李氏への思いは心の奥にしまい、太后を苦しませなさいますな」と助言します。
お前までそんなことを言うのか!と怒る趙禎に張茂財は、江都知から聞いた話をしました。
「病がちな先帝に代わり、太后が大臣たちの陰謀を阻止されてきました。そしてかつて、太后が先帝に、陛下(趙禎)が出自を知ったらどうすれば良いかと尋ねたところ、先帝は太后に、朝廷が太后派と李氏派の派閥に分かれるのを防ぐため“何があっても李氏に権力を持たせるな“と言ったそうです」
張茂財はこの話が真実であるように思うと付け足しました。
趙禎はふと、太后が無能な張耆を要職に就けたことを思い出し、それが太后の警告であることに気づきます。
「このまま朕が反抗を続ければ、朝廷は混乱することになるという太后の警告なのだ」
2話の感想
1話は危うく寝落ちしかけましたが、2話はすごく面白かったです!
登場人物それぞれのキャラ造形がしっかりしていますし、感情の機微もうまく描かれていたと思います。
皇帝の趙禎は、生母のことを知ってからというもの、太后への当てつけや反抗心が増したようですが。
この趙禎の行動は、太后に対して母子の愛情があったからこそ傷ついてしまった末の行動のようにも見えます。
一方の太后は、李氏から趙禎を奪ってまで皇后(現在は太后)に登り詰めた、歴史上では三大悪女とも言われる人物です。
どれほど恐ろしい人物かと思えば、表面上はそれほど怖くもなく、透き通るような美しい声も意外でした。
でもやはり、後宮で登り詰めただけのことはあり、邪魔者の八大王を速攻で排除するやり口は流石すぎました。
そんな太后に対して、怒り狂っていた八大王はなかなか強烈なキャラクターなので また出てきてほしいです。
皇后の郭清悟は【大宋宮詞】と同様に浅慮で、手が出るのも早くて笑ってしまいました。
太后の前で「母の愛」や「李氏」や「砂糖漬け」の話をしたのは悪意からではなく、ただ思ったことを口に出しただけなのでしょう。
聞いている太后の顔がどんどん険しくなっていくのが印象的でした。
それを察して、わざと配下を叱りつけて話を中断させた従者が有能すぎます。
この従者は八大王の件でも、太后の曖昧な言葉から太后の本心を正しく汲み取り八大王を静養させました。(有能!)
太后は間違いなくやり手ですが、郭清悟を利用して砂糖漬けで太后に当てこすった趙禎もなかなかのもの。
3話のあらすじネタバレ
趙禎の師である晏殊は、太后が無能な張耆を要職に就けたことを抗議する奏状を提出しました。
晏殊は太后の怒りを買うことを見越し、わざと従者を殴る事件を起こして職を解かれます。
そうすることで、自分は太后の人事を非難して職を解かれたのではないという表向きの理由を繕ったのです。
そんな中、科挙の及第基準について范仲淹からの提案書を読んだ趙禎は、范仲淹の言うとおり書院の教育を変えるべきだと考えます。
そこで趙禎は、晏殊宛ての手紙に、書院の長を范仲淹にすげ替えて欲しいとしたためました。
数年後――。(ここから大人キャスト)
以前、梁家の菓子店で皇帝と役人を批判した書生の韓琦は科挙に合格しました。
趙禎と対面した韓琦は、皇帝を批判した当時のことを思い出し「以前は思い上がったことを言ってしまいました」と謝罪します。
趙禎も当時のことを覚えていたので「山ほど意見があるのでは?」と尋ねました。
すると、韓琦は梁家の悲惨な末路を目の当たりにしたから軽率なことは言えないと答えます。
「悲惨な末路?あの悪漢は牢に入れたが、まさか梁家に報復しに行ったのか?」
韓琦は梁家を滅ぼしたのは砂糖漬けだと言い、砂糖漬けが流行ったことが原因で材料の価格が高騰し、梁家の若主人は薬を買う金もなく破滅したのだと説明します。
それを聞いた趙禎は自責の念に駆られました。
この一件を知った太后は、幼い頃から趙禎に恋心を抱いている苗心禾(趙禎の乳母の娘)に趙禎への食事を届けさせます。
すると、趙禎は「いつの間に太后の伝書鳩になったのだ」と苗心禾を責めるのでした。
3話の感想
このドラマは面白いのですが、たまに言い回しが分かりにくく、会話の要点が掴めないときがあるのが難点です。
結局何が言いたかったのかを理解するのに時間がかかる時があります。
それを深みがあると感じるか、回りくどいと感じるかは視聴者によって分かれるところでしょうね。
さて、今回から大人キャストに代わりました!
繊細さの溢れる少年趙禎も良かったけど、大人キャストの王凱も色気ダダ漏れでカッコイイです。