「黒豊と白夕(こくほうとはくせき)」12話・13話・14話のあらすじとネタバレ感想。
白風夕が刺客に応戦していると黒豊息が現れました。刺客たちは逃げて行きます。白風夕の肩に虫がとまっているのに気づいた黒豊息が伸ばした手を白風夕が反射的に掴み……。
12話:豊萇の魔の手
白風夕が刺客に応戦している時、黒豊息が現れました。黒豊息の顔を見た刺客たちは逃げて行きます。
その後、白風夕から白建徳と連絡が取れないことを聞いた黒豊息は自分が調べると申し出ました。
話をしている時に白風夕の肩に虫がとまっているのに気づいた黒豊息が伸ばした手を白風夕が反射的に掴みます。照れた黒豊息は酒を飲みすぎたと言って先に帰ってしまうのでした。
その帰り道、白風夕はまた刺客たちに襲われます。白風夕は今は戦う気分じゃないと言って逃げようとした時、近くで様子を窺っていた豊萇にぶつかってしまいます。
通りがかりの人を巻き込めないと思った白風夕は刺客たちと戦うことにしました。豊萇は白風夕の背後から刺客たちに退くように目で合図するのでした。
刺客たちが退却した後、豊萇は白風夕に「私を覚えていないのか?」と尋ねながら、密かにたもとから短剣を抜こうとします。ところが白風夕は無邪気に「思い出せない」と答えて帰ってしまうのでした。
実は白風夕は豊萇を覚えていましたが、病を口外させないために口封じするつもりだと察し覚えていないふりをしていました。
白風夕は一緒に滞在している天霜門の門弟たちをこの件に巻き込まないために今後も覚えていないふりを通すことにします。
一方、雍州王は朝議で家臣たちに、大東国が6州を招いて開催する六合宴に雍州から誰を遣わすか相談しました。百里氏の根回しにより豊莒が推薦され、雍州王もそれを認めるのでした。
黒豊息は先日如玉軒で豊萇が発作を起こし、その時に白風夕も店にいたという報告を受けて白風夕を襲ったのは豊萇の配下だと考えます。
ある日、街で買い物をしていた白風夕は豊萇が自分を尾行していることに気づきました。白風夕はわざと豊萇を路地裏に誘い込みます。
豊萇は再びたもとから短剣を抜こうとしますが白風夕はそれを阻止し、持っていた饅頭を豊萇に渡しました。豊萇は持病が発覚する前、まだ優しかった百里氏が饅頭をくれたことを思い出すのでした……。
屋敷に帰った豊萇は配下に白風夕の住まいの隣に家を借りて見張るように命じました。
大東国で六合宴が行われる日。六合宴に遅れて到着した皇朝は皇帝に道中で刺客に襲われ玄極令を奪われたと報告しました。
他の5州の世子たちが自分たちを疑っているのかと言ってざわつく中、皇朝が皇帝に事件の真相を調べるために自分に権限を与えてほしいと申し出て皇帝はそれを認めました。
皇朝が襲われたという急報は豊蘭息のもとにも届きます。豊蘭息は皇朝が偽物の玄極令を返還して自分が疑われないために盗難事件を自作自演したと考えるのでした。
そんな中、百里氏は雍州王の前で豊蘭息に自分の姪を娶るように勧めますが、豊蘭息は自分にはまだ功績がないと言って辞退します。
すると百里氏はすかさず鳳棲梧を娶るつもりなのかと尋ねました。豊蘭息は鳳棲梧は私にとって女子である前に臣下ですと答えます。
その話を伝え聞いた鳳棲梧はそれが豊蘭息の本心なのかと密かに傷つくのでした。
13話:科挙での不正
雍州の科挙の日。入場の際に厳重な持ち物検査が行われたにも関わらず、試験開始後に解答が書かれた書付を持っている受験生が見つかります。
その受験生は仲介人から”事前に手付金を払って受験番号を教えれば仕切りに書付を挟んでおく”と持ちかけられたと白状しました。
試験は中止され、受験生が全員庭に出されて全室が調べられた結果、他にも6通の書付が発見されます。
その席に座っていた者のうち4人は今回の出題者であり主監督の裴有説の教え子でした。さらにそのうちの1人は鳳棲梧の弟だったのです!
一方、天霜門では白琅華が白建徳から連絡がないことを知ってしまいました。門弟の1人、顧宇がバラしたようです。しかも顧宇は門弟たちの前で、白風夕は白建徳の失踪を隠して自分が宗主になろうと狙ってると言い出します。
白風夕は自分は宗主になる気はないと宣言し、門弟たちをなだめますが……。
豊蘭息は科挙での不正の件が百里氏の罠だと知りながら、朝議で鳳棲梧に調査は豊蘭息に担当させるべきだと進言させて雍州王から調査を任じられるように仕向けます。
最初に不正が発覚した受験生を尋問した豊蘭息は、なぜ仲介人が持っていたお題を本物だと思ったのかと尋ねました。すると受験生はお題が金箔紙に書かれていたからだと答えます。
金箔紙は限られた大臣しか使えないもの。豊蘭息は金箔紙の使用記録を調べることにします。また豊蘭息は受験生から仲介人の人相を聞き出し、その人物を探すことにしました。
天霜門では、顧宇のところに高利貸しの男が来て借金返済の督促をして帰って行きます。顧宇に返す当てがないと知った白風夕は代わりにその高利貸しの店に行きました。
白風夕が元金だけ渡して立ち去ろうとすると、高利貸しの男が利息分も返すように迫ってきます。白風夕は雍州では高利貸しは違法だと言って男の腕をひねりあげ、顧宇の借用書を出すように言いました。
高利貸しの男は借用書はここにはないと言います。そこへ黒豊息が現れました。実はその高利貸しの男こそ科挙の不正の仲介人だったのです。
黒豊息は白風夕に借用書は私が取り戻すと言い、配下に高利貸しの男を連行させるのでした。
14話:黒豊息と豊蘭息
黒豊息は天霜門の滞在先に、高利貸しの男から取り上げた借用書を届けに行きます。その時、白風夕は門弟たちと蹴鞠をしていました。白風夕は黒豊息に蹴鞠での勝負を挑み、黒豊息は受けて立ちます。
実はこの時、豊萇が配下に借りさせた隣の家に来ていました。豊萇は病弱なはずの豊蘭息が元気に蹴鞠をしてるのを見て驚きます。
豊萇は豊蘭息が温泉宮に滞在するふりをしてどこかへ行ったのも、軟弱なふりをしながら狩りで功績をあげたのも許せるが、病弱なふりをしていたのだけは許せないとつぶやくのでした。
その後の調べで科挙のお題を仲介人に渡したのは梁国公府の家職だと判明。梁国公府の金箔紙の在庫も1枚足りないことがわかります。
豊蘭息が朝議でそれを報告すると、百里氏の息のかかった家臣、王亥が突然その足りない1枚の金箔紙は自分の手元にあると言い出しました。
王亥は、梁国公は娘の燕娘と豊莒の婚姻の許可を雍州王にもらえるよう取り計らってほしいと金箔紙に書いて自分に渡していたと言うのです。
そして王亥は豊蘭息は自分と親しい鳳棲梧の師である裴有説を守るために梁国公を陥れようとしたと指摘しました。その言葉を聞いた雍州王は豊蘭息を禁足処分にします。
その後、刑部が受験生の取り調べを引き継ぎ、拷問を受けた裴有説の弟子の1人宋思翰は裴有説が試験前夜にお題を紙に書いて弟子たちにくれたと言い出しました。
続けて宋思翰は、裴有説はお題漏洩の目くらましのために自分に模範解答を書かせて仲介人に売らせ、騒ぎを起こしたと証言します。
証拠として裴有説がお題を書いた紙と宋思翰が模範解答を書いた紙が提出されました。
しかし他の3人の弟子たちは裴有説が紙に書いてくれたのはお題ではなく自分たちを励ますための漢字だったと証言するのでした……。
一方、豊蘭息は鳳棲梧と配下たちに、梁国公が漏洩したのではないとわかっていたがわざと百里氏の仕掛けた罠にかかったのだと明かしていました。
そんな中、天霜門に如玉軒から”白建徳は霧山で旧友の太陰老人の後継者を決める腕試しが行われているので行った”という内容の文が届き、白風夕は安堵します。
豊蘭息が配下に密かに調べさせた結果、梁国公の家職は試験会場の監視責任者の盧休穆からお題を受け取ったようだと判明。
同じ頃、百里氏は豊莒に自分の配下の手は汚さずに盧休穆を始末するようにと命じていました。
ある日、顧宇が賭場の近くで他の博徒から金を借りてトラブルになっていると、1人の男が借金を肩代わりした上に仕事を紹介すると言ってきます。その男は顧宇に盧休穆という悪徳役人を始末してほしいと依頼したのです!
口封じのために盧休穆が始末されるのではと考えた豊蘭息は任穿雨たちを盧休穆の屋敷に向かわせますが、すでに顧宇が盧休穆を刺して逃げるところでした。
顧宇を見張っていた門弟から怪しい商談の話を聞いた白風夕も盧休穆の屋敷に向かい、顧宇が任穿雨たちに連行されていくのを目撃します。
白風夕が任穿雨たちを尾行すると豊蘭息の屋敷に入って行きました。白風夕は黒豊息に仕えている任穿雨が豊蘭息の屋敷に入って行ったことで黒豊息と豊蘭息の関係に疑問を持つのでした。
その後、白風夕が豊蘭息の屋敷を訪ねると、書斎に座っていたのは黒豊息だったのです!黒豊息は君に隠すつもりはなかったと言い、顧宇のことで来たのだろうと言いました。
白風夕は黒豊息にきっと顧宇は利用されただけ、真相を暴いてほしいと頼みます。その時、顧宇が牢で毒を飲んで自害したとの報告がありました。
報告を聞いた白風夕は顧宇のために自分も調査に加わると言います。白風夕はお題の書かれた金箔紙を見て文字が薄くなっていると言い、これは複製したものではないかと言いました。
翌日、鳳棲梧は雍州王に謁見して試験前まで保管されていたお題は複製であり、原本は盧休穆に持ち出されていたと報告します。そして豊蘭息は何者かに陥れられたと言いました。
豊蘭息は盧休穆が言い遺した言葉から城外にある狩りの道具の保管庫に証拠が隠されていると考えます。
任穿雨たちが保管庫に到着すると何者かが火をつけようとしているところでしたが、それを阻止し無事にお題の原本を発見するのでした。