5話 兵よ、聞け!
運命
赤子が泣きやまず、郭さんは馬乳を取りに出て行きます。その後、外で物音がして陸時は倚華と赤子を家の中に残して様子を見に行きました。家の前に倒れている男を見た陸時は郭さんだと思った近づきます。
ところがその男は刺客で、陸時の手の甲を斬りつけてきました。陸時はすぐに応戦しますが、次々と刺客が現れて襲いかかってきます。複数の刺客を相手に戦い続ける陸時でしたが、手の甲の傷から毒が回ってきて……。
沈不言と歩いていた陸鳶は、もし運命を変えられたのなら自分が過去に会った沈不言は存在していないはずだと考えます。運命を変えられていないのなら陸時の命が危ないと気づき、自分を呼びに来た兵を怪しむ陸鳶。
陸鳶が攻撃すると兵は逃げて行き、陸鳶と沈不言は慌てて家に引き返します。家の中で外の異変に気づいた倚華は扉を開けようとしますが、陸時は外から扉を押さえて倚華に赤子を守れと言うのでした。陸鳶と沈不言が戻ると、陸時は扉の前に立ったまま息絶えていたのです。
鳳牌
沈不言は刺客の武器に塗られていた毒が北烈ではなくこの国(晟国)のものだと気づきます。また沈不言は鎧も虎豹面も着けていなかった陸時を北烈が虎豹隊の将軍だとわかったり、家の場所を知っていたりするはずがないとも言いました。それを聞いた虎豹隊の楊副将は先ほど陸時の死を触れ回っている者がいて、その者が間者だったのではと言います。
捕えられた間者は自分は北烈人だと自白しました。そう言われた楊副将は間者の体を斬りつけると見せかけて髪を切り落とします。間者が安堵した顔をしたのを見た陸鳶は北烈人なら髪を大事にするはずだと言って、その間者が晟国の者だと見破りました。
その時、北烈軍が再び迫っているとの報告があります。沈不言は陸鳶と楊副将をその場に残し、ある作戦を実行するために出て行きました。
その後、陸鳶に火烽堡の民たちが城門を開けろと騒いでいるとの報告があります。陸鳶が城門に着くと、1人の男が北烈が襲ってくると言って民たちを煽っていました。
陸鳶は男を矢で射り、民たちにこの者は北烈の間者だと言います。そして陸鳶は民たちに「私が守ってみせる」と言いますが、将軍でも何でもない陸鳶の言葉を民たちは信じようとしません。
そこで陸鳶は以前に皇帝からもらった鳳牌を取り出し「私は晟国の皇后である」と宣言します。民たちは陸鳶にひざまずき、騒動を聞いて駆けつけた沈不言はたとえ宿命は変えられなくても共に困難に立ち向かうという約束は守ると誓うのでした。