6話 大芝居
虎豹面
火烽堡の城門の前で北烈軍を待ち構える沈不言と陸鳶。沈不言は北烈軍の宇文都尉の不名誉な来歴を挙げて兵たちの笑い者にすることで心理的に攻撃します。
宇文都尉は陸時が死んだことは知っていると言い返しますが、その時城門の上に陸時の虎豹面を着けた男が現れました。兵たちは騒然とし、虎豹面の男は北烈軍の旗を射落とします。
また背後の山から馬の蹄の音と兵たちの怒号が聞こえました。沈不言の作戦は山の中に潜ませた民たちに道具を使って馬の蹄の音を出したり、兵のように怒号を上げたりさせることだったのです!
北烈軍が動揺する中、陸鳶は李擁が養子である陸時を殺すわけがない、これは2人が仕組んだ策だと言いました。北烈軍は退却するのでした。
その後、兵を率いた李擁が火烽堡に到着すると、虎豹軍が「皇后の許可なく火烽堡には入れませぬ」と足止めしました。北烈の間者である趙啓龍が「晟国に皇后はおらぬ」と言うと、陸鳶は鳳凰牌を見せます。
李擁は「冊書がなくば皇后に認められぬ」と言い返しますが、楊副将は「私は鳳牌を信じる 皇后の命に従うのみ」と答えました。
趙啓龍は一旦退却して再び攻め入る姿勢を見せます。陸鳶は晟国が内乱にならないよう李擁について都に戻ると言い、楊副将に虎豹隊を任せました。実は先ほど虎豹面を被り陸時のふりをしていたのも楊副将だったのです。陸鳶とともに都に戻ることになった倚華は陸時の体から抜いた矢を隠し持っていくのでした。
皇帝の裁き
李擁が陸鳶と倚華を罪人のように護送して都に戻ると、”皇后を解放せよ”との勅命があります。李擁が参内すると、5年前に突然子供のようになってしまった皇帝が元の威厳のある姿に戻っていました。
皇帝は李擁に皇后への不敬罪と陸時殺害の罪を追及します。李擁が陸時は不慮の死だったと言い訳すると、陸鳶に捕らえられていた間者が連れて来られ李擁の罪を証言しました。実は皇帝はまだ元に戻っておらず、都に先回りした沈不言が皇帝に台詞を覚えさせていただけだったのです。
会話するうちに本当は皇帝が元に戻ってないのではと気づいた李擁は鎌をかけて陸鳶を”鳶姉さん”と呼びました。
皇帝もつられて”鳶姉さん”と呼びそうになりますが、陸鳶は皇帝の言葉を遮って「陸将軍のためにも厳正な裁きを」と叫んでごまかします。ところが皇帝は李擁に向かって「鳶姉さんに代わりお前を謀反の罪に問う!」と言ってしまい、李擁に本当は元に戻っていないことを確信させてしまうのでした。
李擁は皇帝に「戻ってお休みください」と語りかけ、皇帝は思わず「いいの?」と言ってしまいます。そして李擁は家臣たちに現在皇帝は8歳児と同じ知能だと暴露してしまうのでした。
また李擁は陸鳶が皇帝を操り、罪を捏造して自分を陥れようとしたとも言いました。家臣たちが陸鳶を非難する中、倚華は隠し持っていた矢を持ち李擁に向かっていきます。それを見た沈不言は倚華から矢を取り上げて李擁を刺しました。しかし沈不言も背後から趙啓龍に剣で刺されてしまいます。慌てて駆け寄った陸鳶に沈不言は「10年後 上巳節の夜に」と言い遺して息絶えるのでした。
沈不言が目覚めると現代に戻っていて、玉佩の亀裂がまた1つ消えて破片は2つになっていました。李擁が死んで全てが変わったと思った沈不言でしたが、歴史書を見ると”元啓の変”は変わっていませんでした。インターネットで李擁について調べても”大病を患った”としか書かれておらず……。
感想
沈不言が「心に決めた人?」と聞き返した時、陸鳶が沈不言をじっと見つめたのは「心に決めた人」が沈不言ということでしょうか?
陸鳶は過去は知ってるけど未来は知らない、沈不言は未来は知ってるけど過去は知らないという状況の中、お互いの言葉の真意を理解するのは難しいです。
陸時がいくら「殺神」と呼ばれていても毒を盛られたら刺客に太刀打ちできないですよね。陸時を想っていた倚華もかわいそうです……。
それにしても沈不言の民に兵のふりをさせる作戦は成功しましたが、皇帝に元に戻ったふりをさせるのはちょっと難しかったみたいですね。
一旦現代に戻ってきた沈不言ですが、歴史は変わってなかったようです。玉佩の破片が2つになってしまったのはもしかしてあと2回しかタイムスリップできないということ??
沈不言は限られた時の中で陸鳶を救うことができるでしょうか。見ている方も時々頭を悩ませてしまう展開ですが、続きが楽しみです!