古相思曲(こそうしきょく)7話・8話・9話ネタバレ。元啓元年の上巳節の日。21歳の陸鳶は妓楼で働いていました。陸鳶は同僚の妓女から曲をつけてほしいと言って詩が書かれた紙を渡されます。その紙には”李丞相は追われる身に”と書かれていて……。
7話 三度目の上巳(じょうし)節
皇帝の風車
沈不言は自分の著作を破り、陸鳶の運命を変えてみせると誓うのでした。
元啓元年(沈不言の前回のタイムスリップの5年前)の上巳節の日。21歳の陸鳶は妓楼で箜篌(ハープのような楽器)を弾いていました。
演奏が終わった陸鳶は同僚の妓女から曲をつけてほしいと言って詩が書かれた紙を渡されます。実はそれは密書で”陛下が北伐の意向 李丞相は追われる身に”と書かれていたのです。
その時、妓楼に兵たちが誰かを捜して踏み込んできます。その兵の中には後に虎豹隊の副将となる楊冲と范松の姿もありました。急いで2階に上がった陸鳶は廊下に割れた花瓶と血痕があるのを見つけます。
血痕は近くの部屋の方へ続いていました。陸鳶は花瓶の破片で自分の腕を傷つけ、その部屋に入ります。兵たちはすぐに血痕を見つけ、陸鳶の入った部屋に踏み込みました。
部屋の中では腕に包帯を巻いた陸鳶が平然と座っていて、兵たちに「不注意で花瓶を割ってしまいました」と言います。楊冲が「30歳前後で足を負傷した男を見なかったか」と尋ねると陸鳶は「見てません」と答えました。
陸鳶はさりげなく”沐”と書かれた風車を楊冲と范松の方へ向けます。それに気づいた范松は急に愛想がよくなり、楊冲を連れて部屋から出て行きました。”沐”とは今年即位した皇帝の御名である”楚沐”を意味していたのです。
兵たちが去った後、陸鳶は部屋の奥に隠れていた李擁を連れてきて座らせました。陸鳶は風車を次のように説明します。
現皇帝が太子の時にお忍びで妓楼に来て入宮を望まれた。その時は断ったが、気が変わったらこれを持って皇宮に来るようにとこの風車を渡された。
李擁は先帝の時代に丞相でしたが、現皇帝の北烈討伐に反対したために今は官を解かれ追われる身となっていたのです。また李擁は年が近い陸時に北伐をやめるよう皇帝を説得させようと考えていました。
しかし陸時は西南へ出征中でいつ戻れるかわからない状況……。陸鳶は自分に考えがあると言った後、薬を取りに部屋を出て行きました。
鬼面の男
間もなく外から扉を叩く音がして「陸さんの命で薬をお持ちしました」という声が聞こえます。李擁が扉を開けると鬼面を着けた男がいきなり斬りかかってきました。
駆けつけた陸鳶が男を突き飛ばすと鬼面が外れます。その男はこの時代にタイムスリップしてきた沈不言だったのです!
実は先ほど廊下で花瓶を割って兵たちに李擁が部屋に隠れたことを知らせようとしたのは沈不言でした。しかし沈不言は陸鳶が自身を傷つけてまで李擁を守ろうとしていることにショックを受けていました。
沈不言はこの時代の陸鳶は自分のことを知らないだろうと思っていました。ところが陸鳶は沈不言を見て「戻ったの?」と言ったのです!
その時また李擁を捜す兵たちの声が聞こえてきて、陸鳶は李擁を逃がします。
2人きりになり陸鳶は沈不言に近づき「ずっと捜していたのよ」と言いました。沈不言は陸鳶を抱きしめます。
その後、陸鳶は沈不言に「なぜ李丞相を殺そうと?」と尋ねました。
沈不言が李擁のことを悪く言うと、陸鳶は李擁は朝廷の不正を正そうとしていて、そのために自分は妓楼で情報収集をして汚職の証拠を集めていると言って反論します。
それでも沈不言は李擁は北烈に通じていて君たち姉弟は利用されていると忠告しますが、陸鳶は無実の人を罪に問うのかと言い返すのでした。
沈不言はうまく説明できず、陸鳶は「丞相を殺すならこれでお別れよ」と言って帰っていきます。