26話
雷損の葬列に傅宗書の使いが”黄泉への路銀”を持ってきます。雷純たちはそれを受け取らずに通り過ぎました。金風細雨楼の楊無邪と主事たちは葬列に英雄酒を捧げます。
その後、雷媚が1人で飲んでいるところへ白愁飛が来ます。仇討ちを成し遂げ、生きる理由がなくなったと言う雷媚に、白愁飛はこれからは自分のために生きるように言いました。
また白愁飛は李念堂を成敗しに六分半堂に行った時に自分を助けてくれたのは雷媚だと気づいていました。白愁飛は雷媚に「必要な時は俺がいつでも君を守る」と言うのでした。
金風細雨楼に戻った白愁飛は収蔵庫で白游今の絵を眺めていました。そこへ蘇夢枕が来て「いい絵だ そうだろ?白游今」と白愁飛に話しかけます。蘇夢枕が白游今の正体を知っていたことに驚く白愁飛。蘇夢枕は白愁飛が金風細雨楼を出て行くのを尊重すると言って立ち去るのでした。
その後、王小石は”挽留剣の物語を聞きに来てほしい”という文を蘇夢枕、温柔、雷純、白愁飛に出しました。その日、王小石は次のように話します。
挽留剣は最初は両刃だったが、切れ味が鋭すぎてそれを作った刀工は大切な人を傷つけてしまった。それを悔やんで刀工は片刃を潰して挽留と名付け、大切な人を”引き留める”よう願った。
やがて挽留剣は自在門へ。自在門の創始者には3人の弟子がいた。諸葛正我、元十三限、そして王小石の師匠である天衣居士。しかし誰も挽留剣を継げなかった。
蘇夢枕と白愁飛が話を継いで自在門の3人の弟子について語ります。
諸葛正我は大切な女子を引き留めることができず剣を継承できなかった。元十三限は傷心小箭という術を取得したが、その日に自分の妻を殺してしまい良心を引き留められず剣を継げなかった。
続けて王小石は天衣居士について語ります。
天衣居士は義兄弟である諸葛正我、元十三限を引き留められなかったため、継承を自ら諦めた。
そこへ遅れて雷純が来ます。雷純は挽留剣の物語に補足します。
小鏡という女子がいて、父を諸葛正我と元十三限に殺された。小鏡は父の仇を討つために2人を離間しようと元十三限に嫁いだが、のちに元十三限に殺された。
雷純は蘇夢枕に”私たちはまだ杯を交わしていない”と言います。蘇夢枕が杯を飲み干すと、雷純は自分の杯の中身を捨てました。そして雷純は今後は私も父と同じ気持ちだと宣言して立ち去ります。蘇夢枕は衝撃を受けるのでした。
その後、元十三限が六分半堂を訪ねてきます。元十三限は丞相の命で新総堂主を連れてきたと言いました。夜になると、新総堂主となった男は雷純の寝室に勝手に入り込んで新堂主夫人になるよう迫ります。
騒ぎを聞きつけた狄飛驚が助けに向かいますが、雷純の部屋の前に元十三限が立ちはだかりました。元十三限の術に苦戦する狄飛驚。その時、目に簪を刺された新総堂主が雷純の寝室から出てきて倒れます。
続いて出てきた雷純は「全ての責任は私がとる」と言いました。元十三限は明日、丞相に目通りするよう雷純に言って立ち去ります。雷純はその場に座り込んでしまい、狄飛驚が駆け寄ると泣き出しました。
翌日、丞相に会った雷純は自分が六分半堂の後継者となり父の商いも引き継ぐと言います。丞相は雷純に父と同じ力があることを証明するよう言うのでした。
その後、白愁飛が1人で酒を飲んでいると外から琴の音が聞こえてきました。白愁飛が窓から見ると雷純が琴を弾いていました。雷純は雷損が息絶える直前にもし仇討ちするなら白愁飛を捜せと耳打ちされていたのです。
雷純の侍女が白愁飛のところへ来て、雷純は六分半堂を取りしきるために霹靂堂を支配下に置こうとしていると明かしました。そして霹靂堂までは危険な道中だが護衛がいないため、雷純を守ってほしいと白愁飛に言うのでした。
感想
狄飛驚がせっかく雷純のために雷損を逃がす方法を考えたのに、雷損は金風細雨楼に決戦を挑んで自ら死を選んでしまうとは!そしてその行動は蘇夢枕と雷純の関係性も変えてしまいました……。
今まで負けたことのない狄飛驚が歯が立たないとは元十三限は本当に手ごわいですね。
雷純は白愁飛を利用しようとしているのでしょうか。白愁飛は雷純側の申し入れにどう答えるのでしょうか。