「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第10話・11話・12話あらすじネタバレと感想。トランシルバニア公国の王女ファリアは母を理由に脅され、とんでもない行動に出ます。
その代償は大きく、ファリアは皇帝ムラトから地下牢行きを命じられました。そんな中、ついにトプカプ宮殿に皇子バヤジトの母ギュルバハル妃が到着します。
第10話:裏切り
※ 本記事は、物語が前後する箇所があります。
エステルの家。母后キョセムは、金庫番エステルの家で行われた宰相たちとの会議を終え、馬車に乗り込みます。
すると、そこに用人ケマンケシュが座っており、キョセムを待っていました。キョセムがケマンケシュの無礼な行動を咎めると、ケマンケシュは謝罪をしたうえで内密に話がしたいと申し出ます。
それというのもケマンケシュはキョセムが裏で手を引いていることに気づいており、ここにムラトが皇帝として尊重されない原因があると考えていました。
そのためケマンケシュは、母后であるキョセムがムラトを皇帝として尊重しなければ皆も尊重しないと進言しました。
ただ、キョセムがムラトにとって誰よりも信頼できる存在なのは変わりないゆえ、今後はキョセムがムラトの相談役になるべきだと付け加えます。
トプカプ宮殿。キョセムは皇子カスムに呼び出され、皇子バヤジトの生母ギュルバハル妃が宮殿に戻ってくることを知らされます。
何の相談もなしに決めたムラトに苛立ちを隠せないキョセムは、直ちにムラトの元へ向かいました。そこでキョセムとムラトは、ギュルバハル妃の件を巡って激しい口論を繰り広げます。
まるで過去を忘れたかのようなムラトの口ぶりに、キョセムはギュルバハル妃は反逆を企てた人物なのだと声を荒らげました。そんな中、トランシルバニア公国の王女ファリアがムラトの部屋に潜入します。
ファリアは全身に黒服を纏い、人目を忍んでベランダから室内へと入りました。そして、玉座に何かを置くと、ファリアは脱出を図ります。
そこへムラトとキョセムが口論をしながら入ってきて、玉座に置かれた物に気づいた2人は怒りに身を震わせます。ファリアが玉座に置いた物は豚の頭で、これはイスラム教徒にとってこの上ない侮辱を表していました。
すぐにムラトは太刀持ち兼小姓頭ムスタファを呼び出し、共に犯人の後を追います。まさかファリアが犯人だとは思わぬムラトは、犯人を見失った場所がファリアのいる真珠宮殿付近だったことから、慌ててファリアの無事を確認しに行きます。
最初こそファリアの話を信じたムラトでしたが、ファリアの左腕の怪我からファリアが犯人だということに気づき、ファリアに牢屋行きを命じました。
犯人は逃走中に発砲されて負傷していた
第11話:ギュルバハル妃の到着
トプカプ宮殿。皇女アティケは太刀持ち兼小姓頭ムスタファを呼び出し、トランシルバニア公国の王女ファリアに会わせてほしいと頼み込みます。
アティケは太刀持ちムスタファに難色を示されながらも言葉巧みに丸め込み、何とか面会を取り付けました。その後、ファリアと面会を果たしたアティケは、ファリアの胸の内を確かめます。
そこでアティケはファリアが皇帝ムラトを愛していることを知り、その旨をムラトに伝えました。しかしムラトは興味を示すどころか、2度と余計な首を突っ込まぬようアティケに釘を刺します。
というのも、ムラトはファリアの件を解決すべく独自に調査を進めていました。まず、ムラトは国璽尚書 兼 宰相シナンを呼び出し、以前託した勅命について問いただします。
ムラトは、このタイミングでトランシルバニア公イシュトヴァーンがファリアの母を捕らえたことから、シナンの裏切りを疑ったのです。ところが、シナンは皇帝であるムラトを前にしても平然と嘘を重ね、無実を主張します。
シナンは自ら跪いて首を刎ねるよう求めましたが、ムラトがシナンを処することはありませんでした。難を逃れたシナンはコーネリウス司教と接触を図り、ムラトが遠征に出たら作戦を決行するよう言い渡されます。
次に、ムラトはファリアに母の件を伝えた間諜の女を捜索させます。捜索を託された太刀持ちムスタファは母后キョセムの金庫番エステルを頼り、女の潜伏先を突き止めました。
早速、太刀持ちムスタファとキョセム付き用人ケマンケシュで女の潜伏先を訪ねたものの、女はすでに亡くなっていました。そんな中、ついにトプカプ宮殿に皇子バヤジトの母ギュルバハル妃が到着します。
バヤジトはギュルバハルを出迎え、2人は8年11ヶ月ぶりの再会を心から喜び合いました。その様子を宮殿から見ていたキョセムは、疫病神が来たと呟きます。キョセムは自分が摂政から引退した矢先にギュルバハルが宮殿に戻ったのは偶然ではないと考えており、ギュルバハルの部屋を自室の近くにさせるなど目を光らせます。
第12話:出立
トプカプ宮殿。母后キョセムは、皇帝ムラトの遠征を止めようと奔走します。
宰相らを通じて遠征を諦めさせようにもムラトの決意は揺るがず、逆にムラトが信頼を置く前イスラムの長老ゼケリヤザーデ・ヤフヤから遠征を認めるべきだと進言されてしまいました。それでもムラトの玉座を案じてやまないキョセムは自ら説得すべく、ムラトを食事に誘います。
呼び出されたムラトは最初から不機嫌そうな様子で、キョセムが遠征の話を出した途端に眉間に皺を寄せて部屋から出ていこうとします。すると、キョセムはムラトを宥めて留まらせ、一か八かの勝負に出ます。
キョセムはこの忠告は母としてのものであり、それすら嫌がるなら追放すればいいと言ってのけたのです。対するムラトはそれは有り得ないと反論し、自分にとってキョセムは頭の王冠なのだと母キョセムへの信頼を示しました。
ただ、ムラトはもう少し自分のことを信頼してほしいようですが、ムラトの遠征については信頼の問題ではありませんでした。
キョセムは皇帝であるムラトが遠征に出ることの危険性を今一度説明し、もし遠征に出るなら玉座を守るためにも弟のバヤジトを同行させるよう提案します。
そして、真の脅威はバヤジトではなく、バヤジトの母ギュルバハルであり、ギュルバハルは笑顔で死を運ぶと説明しました。しかしキョセムの説得もむなしく、ムラトは”狩り”と称して数名の家臣と共に遠征へ出てしまうのでした。
一方、ギュルバハルはかつて面倒をみていた側女たちを集め、自分とバヤジトを虐げた者たちへの復讐を誓います。側女たちはギュルバハルが戻ったことを喜び、命を賭けて仕えることを誓いました。
帝都。騎士隊のサルは、キョセムが世話をする反乱者の息子メフメトに接触を図ります。
サルの目的はメフメトを利用することで、メフメトの父を殺害したのはキョセムだと明かして復讐心を煽りました。そのままサルはメフメトを騎士隊の隠れ家へ連れて行き、父の敵を討つために力を貸すよう打診します。