「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第28話・29話・30話あらすじネタバレと感想。
皇帝ムラトは皇子カスムの幽閉を解き、トランシルバニア公国の王女ファリアと婚姻を結びます。しかしこの婚姻は宮殿内外に多大な影響を及ぼし、民と歩兵常備軍は爆発寸前でした。
そんな中、皇帝妃アイシェの懐妊が判明します。
第28話:結婚
トプカプ宮殿。ついに皇子カスムは幽閉を解かれ、鳥籠の外へ出ます。
外には自ら出迎えにきた皇帝ムラトと後宮宦官長ハジュの姿があり、ムラトはカスムの顎に手を添えてまじまじと顔を見つめました。カスムはずっと目を伏せたまま言葉も発さず、怯えているのは明らかでした。
その後、カスムはハジュに連れられ、母后キョセムの部屋へとやって来ます。キョセムはこの日を待ち侘びていたと再会を喜びますが、カスムは自室に戻りたいと言ってすぐに部屋から出ていってしまいました。
カスムは自室に戻る途中で遭遇した皇女アティケと皇子イブラヒムの誘いも断り、1人でいることを望みました。
翌日。カスムの部屋から出てきたイブラヒムは、兄の皇子バヤジトと出会します。
バヤジトは幽閉の原因を作ったことを謝罪しに来たようですが、イブラヒムは部屋に入ろうとするバヤジトを押し返しました。そして、カスムを追い詰めたことは許さないと断言してバヤジトを拒絶しました。
帝都。バヤジトの母ギュルバハルは国璽尚書 兼 宰相シナンと共に、イスラムの長老アヒザーデ・フセインを訪ねます。
本当はアヒザーデが会いたがっているバヤジトも連れてこなければならず、案の定アヒザーデからバヤジトがいないことを指摘されました。
すると、ギュルバハルはキョセムの目があるゆえ連れてこれなかったと説明し、バヤジトも玉座を得るためならどんなことも辞さない姿勢だと、真っ赤な嘘をつきます。
一方、ムラトはトランシルバニア公国の王女ファリアを連れ、ガラタ塔を訪れていました。ファリアはガラタ塔に来るのがずっと夢だったようで、満足そうに顔をほころばせます。
それでも襲撃により子を産めない体になった現実が頭をよぎると、すぐにまた顔を曇らせてしまいます。そんなファリアにムラトは、ガラタ塔の物語を話し始めました。
それはローマ時代の話で、男女が初めて共に出かけた場所がガラタ塔なら必ず結婚するというものでした。ムラトは戸惑うファリアの手を引き、塔の中へと連れていきます。
塔の中では旅行家エヴリヤと発明家ヘザルフェンを始めとする証人らと、前イスラムの長老ゼケリヤザーデ・ヤフヤが集まり、今まさにムラトとファリアの婚姻契約を行なってる最中でした。
第29話:蓄積する不満
トプカプ宮殿。皇帝ムラトとトランシルバニア公国の王女ファリアの婚姻は、宮殿内外に多大な影響を及ぼします。
宮殿内では、皇帝妃アイシェと母后キョセムが婚姻に反対しており、特にアイシェはひどく荒れていました。アイシェは自室に篭り、子供たちがいるにもかかわらず、部屋を荒らして怒り狂います。
そこへちょうどムラトが現れ、ムラトはすかさず子供たちを避難させると、アイシェの親らしからぬ言動を咎めました。
キョセムは皇帝妃となったファリアを呼び出し、ファリアを祝福します。思わず笑顔を浮かべるファリアに、キョセムは本来なら婚約の解消に努めるところを黙認したとの現実を突きつけました。
さらに、皇子を産めないファリアは後宮にとって無価値であり、ムラトは哀れみから婚姻を結んだだけだと付け加えます。その後、ファリアはキョセムの計らいで後宮の一室を用意されるも、心中穏やかではありませんでした。
帝都。宮殿外では、民と歩兵常備軍が、ムラトのあまりに残忍なやり方に不満を募らせます。
というのもムラトはファリア襲撃事件にて、すでにキョセムが沙汰を下したにもかかわらず独自に調査を行い、無実の者すら処刑していたのです。これにはさすがの民も我慢の限界を迎え、イスラムの長老アヒザーデ・フセインに助けを求めました。
とんでもない数の人々が不平不満を記した請願書を手に、アヒザーデの元へ押し寄せます。その一方で、歩兵常備軍はキョセム付き用人ケマンケシュに、ムラトへの伝言を託します。
それは、兵士らがイリヤス討伐の際にムラトが軍団を置いていったことを根に持ち、遠征を望んでいるという内容でした。なお、中には商人から金を巻き上げるなど、道を踏み外した者も出ているようです。
こうした民や軍団の声はキョセムにも届いており、キョセムは不当な処刑で家族を失った遺族の支援に乗り出します。直ちにキョセムは配下の者を集め、自身はもちろんのこと、皆にも私財を投げ打って民を救済するよう命じました。
第30話:皇帝妃アイシェの懐妊
トプカプ宮殿。皇子バヤジトの母ギュルバハルは、国璽尚書 兼 宰相シナンを通じて、母后キョセムが民の救済に乗り出したことを知りました。
キョセムは得意の金で事態の収拾を図っており、このままでは民はキョセムの意のままになってしまいます。そこでギュルバハルは、キョセムの力の源である金を干上がらせるべく行動に出ます。
その夜。皇帝妃ファリアの結婚を祝う宴が開かれます。
宴は皇帝家のみで行われ、久しぶりに皆が一堂に会しました。とはいえ、皇子カスムの幽閉を巡って揉める兄弟たちは殺伐としており、ファリアは目の前で皇帝妃アイシェの子を可愛がるムラトに複雑な思いを抱きます。
宴が終わり、ムラトとキョセムは緊張が高まる帝都の現状ついて話し合っていました。民に寄り添わねば反乱につながると説くキョセムに対し、ムラトは力でねじ伏せると豪語します。
一方、アイシェは子供たちだけが宴に招かれた現実を受け入れられず、悲しみに暮れていました。ついに理性を失ったアイシェはファリアの部屋に潜み、戻ってきたファリアに襲いかかります。
アイシェの手には短刀が握られており、2人は激しく揉み合います。何とかファリアがアイシェから短刀を奪い取ったその時、アイシェは突然気を失い倒れてしまいました。
直ちにアイシェは部屋に運ばれ、医女の診察を受けます。すると、アイシェの気絶は病ではなく、懐妊によるものだと判明しました。
翌日。キョセムは、宮殿に届いたファリアの母からの手紙に不快感を露わにします。その手紙はファリアに宛てたものでしたが、後宮出納官ラーレザールが念のために内容を確認していました。
そこにはムラトとの結婚によりファリアも帝国の統治に発言権を得ることや、ファリアがムラトと共に世界を統べるのだという大それた夢が記されていました。
そんな中、バヤジトは弟たちとの関係と、母ギュルバハルが独断で玉座を奪うために動いていることに頭を抱えます。カスムからは全て忘れるよう言われ、ギュルバハルには勝手に事を進められていたうえ、自分以外は信頼せぬよう懇願されました。