「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第40話・41話・42話あらすじネタバレと感想。皇帝ムラトはブルサから戻るなり、前代未聞の行動に出ます。
これまで決して行われてこなかったイスラムの長老の処刑に踏み切ったのです。長老の息子から反乱の首謀者は皇子バヤジトの母ギュルバハルだと聞かされたムラトは、ギュルバハルの処刑を決め、バヤジトが動き出しました。
第40話:反逆者の構図
トルコ北西部、イズニク。皇帝ムラトは宿泊先のアナトリア軍政官の屋敷で休んでいたところ、献上された女性に暗殺されそうになります。
女性は隠していた短剣をムラトに振り翳すもとどめを刺そうとはせず、あっさり目を覚ましたムラトに取り押さえられました。すると、女性はあとで全て話すことを約束し、ムラトに皇子らを救うよう急かしました。
ムラトは女性のただならぬ様子を察し、すぐさま皇子カスムとイブラヒムの元へと向かいます。ムラトが部屋に着いた頃には、すでに歩兵常備軍長官ケマンケシュと主馬頭デリ・フセインが暗殺者を始末した後でした。
この騒動に乗じてアナトリア軍政官は逃走し、ムラトはケマンケシュとデリ・フセインに連行を命じます。部屋に戻ったムラトは、献上された女性から詳しい話を聞きます。
女性はサナーベルという名前で、過去に会ったムラトに密かに想いを寄せる人物でした。そのためサナーベルは自らムラトの暗殺役に名乗りを上げ、ムラトを暗殺から守ったのでした。
トプカプ宮殿。皇子バヤジトの母ギュルバハルは、国璽尚書 兼 宰相シナンとの密会を母后キョセムの金庫番エステルに見られ、口封じに走ります。
ギュルバハルはキョセムの元へと急ぐエステルを部屋に連行して、自分たちの仲間になるよう持ち掛けました。ところが、エステルはギュルバハルの提案を拒絶し、側にあった火かき棒でギュルバハルに襲い掛かります。
すぐにギュルバハルはエステルから火かき棒を奪い取り、エステルに叩きつけました。その衝撃で、エステルは床に倒れ込んでしまいます。
一方、母后キョセムはイスラムの長老アヒザーデ・フセインの会合に潜入したことにより、ギュルバハルの関与を確信します。
会合でアヒザーデ師がムラトを玉座から下ろし、バヤジトを玉座に就けるとの発言をしたからです。そこでキョセムはバヤジトに、自分やムラトら兄弟と、母ギュルバハルのどちらにつくのかを選択するよう迫りました。
バヤジトは即答こそしませんでしたが、その後キョセムによって地下牢行きを命じられたギュルバハルを助けようとはしませんでした。
第41話:前代未聞の処刑
トプカプ宮殿。皇帝ムラトは自身を救ったサナーベルを宮殿に連れ帰り、皇帝妃ファリアは戸惑いを隠せませんでした。
ファリア付き女官マルグリットがファリアは正妃なのだからと宥めるも、ファリアは我慢できずにムラトの気持ちを確かめます。早速、ムラトを訪ねたファリアはサナーベルのことを問い詰めました。
すると、ムラトは何もないと答え、ファリアを部屋から追い返します。サナーベルの件では母后キョセムも苛立っており、ムラトはなぜ反逆者からの贈り物を受け取ったのかと嘆きます。
また、皇子イブラヒムは宮殿に戻っても拭えぬ死の恐怖と戦っていました。兄カスムの幽閉から死を恐れるようになったイブラヒムにとって、今回の暗殺未遂は恐れていた死が現実味を帯びた瞬間であり、平常心を保つのがやっとでした。
そんなイブラヒムの身を案じたキョセムは見舞いに訪れ、改めて自分が生きている限りイブラヒムに危険はないと説明します。とはいえ死の恐怖に慣れる必要があるとも話し、イブラヒムに死と共に生きるよう求めました。
*
ムラトはイスラムの長老アヒザーデ・フセインと息子セイイドを呼び出し、キプロス島への追放を言い渡します。アヒザーデ師の後釜には、前イスラムの長老ゼケリヤザーデ・ヤフヤが据えられました。
しかしこれは建前で、ムラトは歩兵常備軍長官ケマンケシュにアヒザーデ師とセイイドを連れ戻させました。そして、ムラトはセイイドの前でアヒザーデ師を処刑させ、セイイドのみキプロスへ追放します。
翌日。地下牢に投獄された皇子バヤジトの母ギュルバハルと宦官ゼイネルの食事に毒が盛られる事件が勃発します。
恐らくこれはギュルバハルを黙らせようと皇帝妃アイシェが仕組んだもののようですが、あいにくギュルバハルは食事に手をつけていませんでした。先に食事に手をつけたゼイネルが亡くなり、大事な腹心を失ったギュルバハルは怒り狂います。
その一方で、太刀持ち兼小姓頭ムスタファは、修道場での精神修行の最終日を迎えていました。
第42話:ギュルバハルの処分
トプカプ宮殿。皇帝ムラトは皇子バヤジトを呼び出し、どこまでバヤジトが母ギュルバハルの企みに加担していたのかを確かめます。
まず、ムラトはイスラムの長老アヒザーデ・フセインの息子セイイドが、反乱の首謀者にギュルバハルの名を挙げたことを明かします。次にムラトは1度だけ聞くと前置きし、ギュルバハルの企みを知っていたのかとバヤジトに詰め寄りました。
バヤジトは少し悩んだ末、何も知らないとシラを切ります。とはいえ、もし弟への愛があるならギュルバハルを殺さずに幽閉するよう願い出ました。
そんなバヤジトの願いも虚しく、ムラトに呼び出されたギュルバハルは処刑を言い渡されます。これはバヤジトがムラトの信頼を失ったことを意味しており、バヤジトは人生を狂わせたギュルバハルに怒りを露わにします。
ただ、処刑人に実の母を殺されるのだけは許せなかったようで、バヤジトは初めて国璽尚書 兼 宰相シナンを頼りました。バヤジトはシナンづてに入手した毒を、密かにギュルバハルに手渡します。
そんな中、皇女ゲヴヘルハンとアティケは、太刀持ち兼小姓頭ムスタファが修行を終える日を翌日に控え、落ち着かない時間を過ごしていました。
ゲヴヘルハンは太刀持ちムスタファとの今後を不安がり、アティケはムラトが結婚を許せば太刀持ちムスタファを永遠に失うと嘆きます。
また、皇帝妃ファリアはムラトが連れ帰った側女サナーベルが気になり、不安を募らせます。
翌日。ついに太刀持ちムスタファが40日間の修行を終え、宮殿に戻ってきました。
迎えに来た主馬頭デリ・フセインと宮殿に入ろうとした太刀持ちムスタファは、ゲヴヘルハンと宰相アバザ・メフメトが一緒にいるのを目撃します。太刀持ちムスタファは一瞬足を止めたものの、すぐに宮殿へと入っていきました。
その後、太刀持ちムスタファはムラトの元を訪れ、2度と失望させないことを誓います。
どんな決定も受け入れると話す太刀持ちムスタファに、ムラトは今後は皇帝たる自分のために生きるよう告げ、再び小姓頭の印章を授けました。
その頃、ファリアは宦官を通じてギュルバハルからの手紙を受け取ります。それは皇帝妃アイシェの秘密を暴露したもので、アイシェは共犯者かつファリア襲撃の黒幕であると記されていました。