37話
尹岐の帰還
夜になり、同じ床につく尹崢と李薇。尹崢が李薇が新川に来たばかりの頃に尹崢が死ぬことを願っていた話をすると、李薇は自分の口で尹崢の口をふさぎました。
尹崢がおもしろがって何度も自分が死ぬ話をすると李薇はそのたびに自分の口で尹崢の口をふさぐのでした。そうしているうちに夜は更けていき……。
翌朝、尹峻は許しを乞うために早朝から川主に面会を求めていましたが、許されずに部屋の外に立ったままでした。尹崢と尹岸はその横を通り過ぎて川主に朝の挨拶に行きます。
尹岸は川主の部屋から下がる時、尹峻が尹崢を見殺しにしようとしたことを非難しました。そして尹崢と尹岸が立ち去ろうとすると、尹峻は尹崢と自分は庶子として息を潜めて生きて来たところが似ていると言います。
すると尹崢はそれを否定し、自分は尹峻のように兄弟を傷つけないと言って立ち去って行きました。尹峻が長時間待っているとやっと川主が部屋から出てきますが、尹峻に戒めの言葉をかけた後に倒れてしまいます。その後、病床の川主に、川夫人は最愛の息子であった尹嵩を流刑されたことを恨んで冷ややかな言葉をかけるのでした。
川主には7日間も面会ができず、家臣の中には世継ぎの話を持ち出す者も出てきます。尹崢と尹岸はそんな家臣を叱責するのでした。
そんな中、川主が倒れた知らせを受けた尹岐が都に駆けつけました。平民となった尹岐は衝立越しに病状を伺いますが、川主が咳込むのを聞いた尹岐は思わず衝立を越えてしまいます。尹岐は来月は誕生日ですと言って川主を励ましました。川主は尹岐が誕生日を覚えてくれていたことに感激するのでした。
その後、川主は回復し、和夫人、淳夫人、尹崢、尹岸、尹岐、尹崽との食事の席で来月李薇を正式に正室にすると言いました。そこへ尹峻が安曦元を連れて挨拶に来ます。
川主は尹峻の来訪を喜ばず、身重なのだから早く帰って休めと言って帰らせました。歓迎されなかったことが悔しい安曦元は屋敷に戻り、街の産婆に頼んで川主の誕生日と同じ日に出産すると宣言します。誕生日当日、安曦元は男子を産みました。川主は初の男孫に喜び、尹峻が名づけを頼むと考えておくと答えるのでした。
37話の感想
病がきっかけとなり、川主が尹岐と和解できたのは不幸中の幸いでしたね。
それにしても安曦元は街の産婆に頼んで出産を早めるとは……命がけで川主に取り入ろうとする姿勢がすごいです。