最終回【宮廷恋仕官~ただいま殿下と捜査中~】34話・35話・36話のあらすじとネタバレ感想を結末まで詳しく紹介します。秦欒は蕭恒の殺害を企てた罪と、張太医を殺害して西平公主を陥れた罪で連行されました。しかし蕭瑾瑜は、秦欒がまだ何かを隠していると確信し……。
34話のあらすじネタバレ
さらなる証人として召喚された楚楚は、蕭恒を襲った宦官の遺体とともに皇帝に謁見しました。
そして皇帝に、遺体が所持していた内侍札を提出します。
その札は、秦欒の管理下にある宮廷侍従の札でした。
これが証拠となり、秦欒は蕭恒の殺害を企てた罪と、張太医を殺害して西平公主を陥れた罪で連行されます。
秦欒の不気味な笑みを見た蕭瑾瑜は、秦欒がまだ何かを隠していると確信し、投獄された秦欒を見張りました。
秦欒がずっと時間を気にしているのを見て、蕭瑾瑜は宮中で皇帝の暗殺が行われるのではないかと察します。
そこで、蕭瑾瑜は景翊たちに一芝居うってもらい、皇帝の愛用する杯に毒が仕込まれていることを秦欒の口から引き出しました。
しかし秦欒は、「暗殺の計画を知ったところで、この場所(大理寺の牢屋)から皇宮までは早くても30分かかるからもう間に合わない」と勝ち誇ります。
蕭瑾瑜はここは大理寺の牢ではなく後宮の牢だと言い、皇帝の寝殿まで数分で着くから今ごろ暗殺を阻止しているはずだと言い返しました。
大理寺までの道順を詳しく知らない秦欒は、ここが大理寺の牢だと蕭瑾瑜に思い込まされていたのです。
皇帝暗殺の失敗を悟った秦欒は、その場で壁に頭を打ちつけて死亡しました。
秦欒の死後、失踪した周将軍は配下とともに薛汝成に帰伏しました。
34話の感想
7歳の時から宮仕えしていたのであれば、秦欒は生涯を宮中で過ごしたようなものですね。
幼少期から宦官だった彼が、男らしさの象徴といえる”髭”に執着していたのも分かる気がします。
いっそ、秦欒には付け髭をつけたまま死を迎えてほしかったですが、髭なしで死亡してしまったのが残念。
それにしても、一芝居打っている最中の景翊の演技が絶妙にヘタで笑ってしまいました。
また、薛汝成の演説を、ひとり興味なさそうに聞いている周将軍も面白かったです。
35話のあらすじネタバレ
冷月は数年ぶりに誰もいない冷家に戻りましたが、扉の鍵が閉まっていました。
そこに現れた景翊は、冷沛山から預かったという鍵で扉を開け、冷沛山からの言葉を冷月に伝えます。
冷月は誠意を持って接してくれる景翊に感謝を伝えた後、頬にキスして立ち去りました。
一方の楚楚は、蕭瑾瑜に結婚しようと言い出します。
突然そんなことを言い出したのは、昌王(薛汝成)をおびき出すためでした。
皇帝の親戚である蕭瑾瑜の婚儀ならば、皇族や高官が集まるため、薛汝成を引っ張り出せると踏んだのです。
蕭瑾瑜も薛汝成を捕らえたいのは山々でしたが、結婚をエサにしたくありませんでした。
そんな蕭瑾瑜に楚楚は、相手があなたならどんな婚儀でも構わないとゴリ押しします。
折れた蕭瑾瑜は楚楚との結婚を皇帝に願い出ました。
しかし、皇帝は身分の違いを理由に反対し、どうしても結婚したいのなら楚楚の検視官の資格を剝奪する(身分を合わせるため)と言うのでした。
楚楚はこうなることを見越してすでに検視官を辞めており、それを知った皇帝は2人の結婚を認めます。
そんな中、三法司の門前に瀕死状態の許如帰が捨て置かれました。
もともと、許如帰の身柄は秦欒を脅迫するための駒として薛汝成の手中にありましたが、秦欒が死んだ今となっては許如帰に利用価値はなく、理屈でいえば殺すのが普通です。
それなのに、わざわざ自分のところに送り込んできたのは何か理由があるはずだと思う蕭瑾瑜は、瀕死の許如帰から話を聞き出しました。
すると、許如帰は大きな団子を丸飲みさせられたと話します。
蕭瑾瑜は許如帰を送り込んできた薛汝成の目的は自分を殺すことだと察し、体内の“団子”に何かが隠されていると推測します。
それを聞いた楚楚は、自分が許如帰の体内から団子を取り出すと申し出ました。
35話の感想
冷月の不意打ちのキス!!
普段はツンツンしている冷月のデレが、ついに見れました!
頬にキスされた景翊の反応がなかなかリアルで、見ている側も思わずドキッとさせられました。
その後に景翊が、薛汝成の民心掌握術に対抗して、“恋の詩”で民心を奪ったのが面白かったです。
“君の心が欲しい”って、冷月への恋歌ですよね(笑)
最終回(36話)のあらすじ
*重大なネタバレ有り
楚楚が許如帰の体内から取り出した“団子”には、気化する毒が仕込まれていました。
それを知った蕭瑾瑜は、薛汝成の狙いは、許如帰を検視するであろう楚楚を殺すことだったのだと気づきます。
楚楚が毒を見抜いたから良かったものの、毒に気づかないまま蕭瑾瑜が検視に付き添っていた可能性もあり、その場合は蕭瑾瑜も気化した毒で死んでいたかもしれません。
そしてさらに、未知の毒で死亡した遺体は祖廟に送る規定があるため、祖廟に参拝するであろう皇帝を狙うこともできた――という一石三鳥の薛汝成の策略だったのです。
蕭瑾瑜はしばらくの間、楚楚の命を狙った薛汝成に対して怒りが収まりませんでした。
そんな彼に景翊は、「2日後の婚礼に、薛汝成は必ず来る」と断言。
蕭瑾瑜は景翊に、結婚招待状の配布を頼みます。
そして、蕭瑾瑜は周将軍に会いに行き味方に引き入れました。
その頃、蕭瑾瑜との婚礼を控えた楚楚は、元検視官の自分は西平公主に歓迎されないのではないかと不安でしたが、蕭家の家宝を授けられます。
婚儀当日。
薛汝成の居場所を襲撃した景翊と冷月は、計画に従いわざと捕まります。
わざと捕まったのは、薛汝成に勝ち目があると思わせ全兵力をおびき出すためでした。
そして蕭瑾瑜の狙いどおり、薛汝成は景翊と冷月を人質に取りながら婚礼場に乗り込みました。
薛汝成は声高に、自分は先帝の嫡子であり正当な主だと自称します。
「何が正当な主だ。お前の本名は薛堂、昌王府の使用人であり昌王の近侍にすぎぬ」
蕭瑾瑜はそう言った後、さらに追い込みをかけます。
「昌王は幼少時に天然痘にかかった。治っても痘痕が残っているはずだ。お前の体にその痕はあるのか?」
その瞬間、人質になっていた景翊と冷月は縄をほどき(あらかじめ周将軍の配下が縄を切っていた)、薛汝成から逃れることに成功。
しかしそこへ、黒い布をかぶせられた皇帝が薛汝成の手下に連れてこられます。
薛汝成は瞬時に皇帝を人質に取りますが、黒布を取ると皇帝ではなく楚楚でした。(これも計画通り)
その時、周将軍は「以前に風呂で見た時、薛汝成の体に痘痕はなかった。本当に昌王か?」と言い、薛汝成に疑いの目を向けさせます。
そして、薛汝成に追い打ちをかけるかのように 皇帝の聖旨が読み上げられました。
「反乱軍は投降するなら情状酌量するが、薛汝成に従う者は断じて許さぬ」
周将軍は真っ先に「投降します!」と叫び、他の皆にも投降を促します。
ここで蕭瑾瑜は計画通り、楚楚の代わりに自分が人質になると申し出ました。
薛汝成は蕭瑾瑜を人質に取って逃げるしか活路がないと判断し、蕭瑾瑜の申し出を承諾します。
薛汝成に剣を突きつけられたまま門のほうへと後退する蕭瑾瑜は、最後に薛汝成に尋ねました。
「私の師であった時、母上や景閣老に取り入る目的以外に、私への思いは?」
「思いだと?お前の剛直な性格を利用し 朝廷をかく乱しようとしただけだ。すべては自分のためだ」
その瞬間、あらかじめ準備されていた門の仕掛けが発動し、薛汝成は仕掛けの兵器に頭を射抜かれて死亡しました。
こうして、逆賊の薛汝成は成敗され、この一件に大きく貢献した楚楚は皇帝から検視官の資格を再び与えられるのでした。
<完>
最終話(36話)の感想
*重大なネタバレ有り
メインキャラクターがそれぞれの役割を果たし、それぞれが幸せになった“良い最終話”でした。
蕭瑾璃にも最後にお相手ができて良かったです!
また、エンディング後のおまけ映像でも「ひと言では言えん」という口ぐせが聞けて大満足。
それにしても、薛汝成の本当の正体が“昌王を騙る一般人”だったとは驚かされました!
彼が鏡の前で「私は先帝の嫡子だ」と呟いていたのは何だったのか。
昌王になりきって、自分に言い聞かせていただけ?(笑)
昌王になりきるために 普段から皇帝のコスプレをしていたのかと思うと笑ってしまいます。
不思議なのは、本当は昌王ではないのに、どうやって周りの者たちに昌王だと信じ込ませたのでしょうか?
そのあたりの経緯を、もう少し知りたかったかも。
ともあれ、最後まで驚き(薛汝成の本当の正体)が用意され、引き込まれる展開でした。
全体の感想
本作は単発の捜査モノではなく、すべてが繋がる構成になっているのが非常に自分好みでした。
また、ドラマの中心軸となる「謎」があったことも、ドラマに没入できた理由のひとつです。(蕭恒の生死や楚楚の出自など)
やはり、ドラマの縦となる題材があるかどうかで、没入できる度合いは変わるものだと認識させられました。
そして何より、本作を楽しめた大きな理由は、主要人物5人のキャラクターが全員魅力的だったこと。
まずは蕭瑾瑜についてですが、とても自分好みの男性キャラクターでした。
軽はずみな行動は決してせず、常にやり方が確実で危険を最小限に抑える――といった 冷静沈着なキャラクターだったので、最初から最後まで安心して見ていられました。
天才的な頭脳を持ち、観察眼も優れているので、一見すると完璧な人物のように見えるのですが、実は病弱で武術もできなかったり、ヒロイン楚楚のことになると急に感情的になったりと、完璧すぎないキャラクターのバランスが良かったです。
相手が誰であれ尊重し、何事も相手に同意を得るといった人間性も素敵でした。
恋愛初心者すぎるところも、かわいくて面白くて、何度も笑わせてもらいました。
ヒロインの楚楚も好ましい女性で、おっとりとした柔らかい雰囲気がキュートでした。
マイペースだけど検視の腕はピカ一という、特化した能力があるのも魅力的。
たまに見せるズレた言動(骨の刺繡をしたり、蕭瑾瑜の頭蓋骨が好きだったり)も面白可愛くて、ほっこりさせられました。
景翊も非常に自分好みの男性キャラクターです。
聡明で優れた才能を持ちながら、普段はそれをあまり大っぴらにはせず、大事な時にちゃんと決めてくれる“デキる男“っぷりが素敵でした。
ちょっとした場面のちょっとしたサポートも毎回完璧でしたし、なぜか窓から入ってくるという「癖」も笑えました。
蕭瑾瑜が「剛」なら、景翊は「柔」といった感じでしょうか。
そんな2人のツーカーぶりや信頼関係には何度も萌えさせられました。
冷月はカッコ良くてかわいくて優しくて、こちらも大好きなキャラクター。
蕭瑾璃との婚姻話が出た後、「承諾したら殺す」と蕭瑾璃を見張るエピソードが面白かったです。
そして、ブラコンすぎる蕭瑾璃も面白いキャラでした。
彼の口ぐせ「ひと言では言えん」を、もっと聞きたかったです(笑)
悪役の秦欒も最後まで不気味なキャラクターを演じきってくれましたし、薛汝成は見ごたえのある策略で楽しませてくれました。
全体を通して本作は、伏線や布石がしっかりと敷かれ、なおかつツッコミどころの少ない良作でした。すごく面白かったです!
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