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【ラスト・キングダム】シーズン1ネタバレと解説。
奇襲により太守である父を失くし、次期太守であるにも関わらず奴隷として敵に捕らわれてしまった上、叔父からも命を狙われる主人公ウートレッドの数奇な人生を描いた物語。
かつてイングランドの七王国のひとつ、ウェセックス王国の歴史と共に楽しめる、今最高におすすめのドラマです。
Netflix【ラスト・キングダム】作品情報
▽製作
イギリス 2015年~ |
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▽原題・原作
バーナード・コーンウェル著 「The Saxon Stories」 |
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▽監督
スティーブン・ブッチャード |
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▽配信情報
Netflix |
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▽キャスト |
アレクサンダードレイモン、デビッド・ドーソン、イアン・ハート、トビアス・サンテルマン、エミリーコックス、エイドリアン・バウアー、トーマス・W・ガブリエルソン、ジョセフ・ミルソン、サイモンクンツ、ハリー・マッケンタイア、チャーリー・マーフィー、ルーンテムテ、ブライアンバーネル、エイミー・レン、チューアリンドハート、エヴァ・ビルシスル、トビー・レボ、ミリー・ブレイディ、イライザバターワース
【ラスト・キングダム】シーズン1のあらすじ
ベバンバーグの太守の息子でサクソン人のオズバート(後のウートレッド)は、デーン人(ヴァイキング)の侵略により偵察していた兄が殺され、父は戦場で失った。
オズバートは、戦場で父の仇を撃とうとするもまだ子供。
大きな男が相手では、せいぜいスズメバチがつつく位の力しかなかったのだ。
ところが、デーン人はオズバートの戦い方が気に入り、そのまま彼を連れ去ると長・ラグナルの元に連れて行く。
さらに、本来父亡き後はオズバートが太守となるはずだったが、彼の叔父アルフリックがオズバードに刺客を向かわせ、その座を奪った。
(オズバードは連れ去られたため、アルフリックは彼が死んだものと思っていた)
ノーサンブリア王国:ロイディス/現在のリーズ
オズバートは、デーン人の奴隷としてラグナルに仕えさせられていたが、その後次第に馴染み始め、ブリーダやテューラ(ラグナルの娘)という少女とも遊ぶようになっていた。
ある日、オズバートがブリーダとテューラと森で遊んでいると、スヴェンという少年が本物の剣を持って襲い掛かって来た。
オズバートとブリーダは危険を感じて逃げ出したものの、テューラは逃げ遅れてスヴェンに捕まり上半身を脱がされてしまう。
その後、3人から報告を受けたラグナルは、仲間を連れてスヴェンの父キャルタンの家に乗り込み、掟に背いたこととテューラの服を脱がせたと責め立てた。
息子と話をさせるか、自分と剣を交えるかと詰め寄り、キャルタンは渋々息子と話しをさせることにした。
しかしラグナルは、娘の裸を見たことは許せないとして、スヴェンの片目を潰し、この地を出ていくようキャルタンに言い渡したのだ。
これにより、キャルタンはラグナルを恨むようになった。
この頃から、ラグナルはオズバートを実の息子のように可愛がるようになり、オズバートもラグナルを父親のように慕うようになる。
一方で、追放されたキャルタンはラグナル、そして告げ口したオズバートへの恨みからアルフリックを訪ね、今後協力していくことを条件に「オズバートが生きている」と伝えた。
脅威に思ったアルフリックは、オズバートを奪い返すためラグナルとその仲間であるアバに交渉を持ち掛ける。
交渉には、アルフリックや数人の部下と共に、父に仕えていたベオカ神父も同席していた。
ベオカ神父はオズバートに、こっそり「アルフリックが殺そうとしているから帰らないように」と伝える。
それを聞いたオズバートの態度が一変し、ラグナルも彼の異変を見逃さなかった。
アルフリックとは、銀貨200枚で交渉が終わったかのように見えたが、ラグナルがアバに耳打ちしてそれ以上の銀貨でオズバートを買い取る形で終了する。
ラグナルは、オズバートに「息子のように思い手放したくなかった」と話した。
それでもオズバートは、いつかベバンバーグを取り戻すことを胸にウートレッドと名乗って生きていく。
【ラスト・キングダム】シーズン1ネタバレ(前半)
ウートレッド
数年後、デーン人として成長したウートレッドは、ブリーダと互いを必要とする大人の関係になった。
ある日の夜、ウートレッドとブリーダが森で2人きりの時間を楽しんでいると、デーン人が通って行くのが見えた。
急いでラグナルに知らせに戻ったが、その時すでに家は炎に包まれていた。
今出て行っても殺されるだけだと察したウートレッドは、ブリーダと草陰で見ているだけしかなかった。
そんな中、彼らが目にしたのは、炎にまみれながらも最後まで剣を振りかざしていたラグナルの最期だった。
襲撃して炎を放ったのはキャルタンとアルフリックの部下だったが、ウートレッドがラグナルを殺して火を放ったという噂が流れてしまう。
*キャルタンはラグナルを、アルフリックはウートレッドを始末するために計画した襲撃だった。
これによりウートレッドは、アバからも追われる身となってしまった。
ウートレッドは、敵いる火事場に忍び込みアルフリックの側近スカリオンを抹殺。
敵が去った後、ウートレッドとブリーダはラグナルが隠していた銀を掘り起こし、ラグナーに渡すため別の場所に隠す。
そしてウートレッドは、すべて奪われたままでは耐えられないとして”始まりの場所”へ戻る決心をした。
2人が向かったのは、ベバンバーグつまりアルフリックのいる城だった。
「俺はベバンバーグのウートレッド。ここは俺の土地だ!」
ウートレッドは、獲ったスカリオンの首を高く上げて叫び、投げ捨てて馬で走り去った。
仕組まれた忠誠と結婚
ウートレッドは、ラグナルの死の真相を伝えようとアバのアジトに潜入。
チャンスを狙ってアバに接近して真相を伝えたが、自分がサクソン人であることや、過去に洗礼を受けていたことを理由に信じてもらえず、ラグナル殺しの汚名を着せられたままになった。
これで、ウートレッドはアバと同盟を結んでいたグスルムとも敵対し追われることになる。
ウートレッドとブリーダが向かった先は、ウェセックス王国のウィンタンセスター(現ウィンチェスター)だった。
かつて、ウートレッドの父に仕えていたベオカ神父が、今はウェセックス王国の王に仕えていた。
王が多忙と言うこともあって、ウートレッドとブリーダは王の弟のアルフレッド殿下に目通りすることになる。
ところが、ウートレッドがラグナルを殺害したという噂がアルフレッドの耳にも入っていたこともあり、2人はベオカ神父が責任を負うと言う形で滞在が許された。
その後、ウートレッドはデーン人を偵察し、数日以内に侵略して来ると予想して王に伝えた。
しかし、アルフレッド殿下と小オダ(オッダの息子:王国の太守)は、デーン人として育てられたウートレッドが自分たちを陥れようとしているのではないかと疑う。
話し合いの結果、ウートレッドの戦略とおり戦うことになったが、なぜかアルフレッドの指示でウートレッドとブリーダは牢に入れられてしまった。
ウートレッドは、ベオカ神父は約束を守るという自信から牢の中でも慌てずにいたが、ブリーダは違う。
牢を蹴り上げたりベオカ神父が運んできた食べ物を投げつけたり、気性の荒さを見せつけた。
その後、王が逝去し次期王について賢人会議で話し合われることとなる。
ところが、本来息子のエゼルウォルドが継ぐはずだった王位を、叔父のアルフレッドが横取りする形で奪ってしまった。
(息子に王位継承権はあったが、王が任命しなければ継承できなかったよう。)
これによりエゼルウォルドは一民となり、長きに渡る王位奪還計画を企てる。
王になったアルフレッドは、ウートレッドを使えると判断してとブリーダと2人を釈放した。
その後、ウートレッドとブリーダはラグナーと再会。
王となったアルフレッドは、サセックス王国を守るにはウートレッドが必要だと認め、褒美と引き換えに1年間彼を仕えさせたのだ。
デーン人のブリーダは、王に仕えるつもりはないとラグナーと旅立ち、ウートレッドに別れを告げた。
【ラスト・キングダム】のネタバレ(後半)
ウートレッドの結婚と小オダの復讐
ウートレッドがルフレッドから受けた褒美は、農場を持つ美しい花嫁・ミルドレス。
彼女と結婚すれば膨大な土地が手に入る、いわゆる領土を持つことが出来るというわけだったが、実はこれには罠があった。
ミルドレスは多額の借金を抱えており、それを返すには何年もかかる。
つまり、借金が返済し終わるまでウートレッドは土地を離れることが出来ないと言う仕組みだった。
1年仕えろというアルフレッドとの誓いだったが、それで終わるものではなかった。
アルフレッドはこうしてウートレッドの人生を縛り付けたのだ。
また、ミルドリスとの結婚はさらにウートレッドの首を絞めることになる。
小オダ(オダの息子)はミルドレスに好意を抱いており、その怒りの矢がウートレッドに向けられる。
小オダは、ウートレッドを陥れようと目論み、まず手始めにアバとの一戦でウートレッドの手柄を横取りした。
デーン人の中で、「アバは敵に回すな」と言われていたが、アバはウートレッドがラグナルを殺したと思い込んでいたため、ウートレッドは彼を殺すしかないと決意する。
ところが、アバとの戦いでは明らかに戦力不足だった。
そこで、ウートレッドはオダに「自分が野営地に侵入して、アバの軍の船に火を放って奇襲する。船を数隻燃やして混乱を起こし、無防備になったところを攻め込めばいい」と提案した。
オダは、ウートレッドの戦略にうなずいた。
ところが、この計画に横やりを入れたのが小オダだった。
彼はオダに、「攻めるより逃げた方がいい。それなら犠牲者を出さずにウィンチェスターに戻れる」と、つまりはウートレッドを見殺しにするよう提案したのだ。
オダは、小オダの提案も一度は受け入れようとしたが、アバの船が夜空を赤く染めたのを確認し攻め込む方を選択した。
攻め込むのが送れた間に、ウートレッドはアバに見つかり1対1で戦ことになったが、倒せないち思っていたアバの首を獲ることが出来た。
しかし、ウートレッドは王への報告の前に妻に会いに行ってしまったため、小オダに手柄を横取りされてしまった。
「自分がアバを殺した」と王に訴えるも、逆に「神聖な場所に剣を持ち込んだ」と王の逆凛に触れ、飲んだくれて牢に入れられてたエゼルウォルドと共に、”屈辱”の罰を与えられることになる。
さらに、信仰心の厚いミルドリスから「分別ある行動が出来ないのか」と責め立てられ、理解してくれない妻にウートレッドは腹を立てた。
そして、罰を受けた翌日になっても腹の虫がおさまらなかったウートレッドは、農場に戻るや否や、長い間農場の管理人としてミルドリスに仕えていた使用人オズワルドを泥棒の罪で殺した。
これを機に、ウートレッドとミルドリスの関係は悪化する。
2人の間に息子がいたが、ウートレッドはある目的のために妻に別れを告げ、レオフリッチ(ウートレッドとは戦友であり友人)と兵士を連れウィンチェスターを離れた。
レオフリッチを含む複数の戦士たちも、小オダが横取りした褒賞に納得がいかず、ついていくことにした。
ところが、戦士の中にこっそりエゼルウォルドが紛れていた。
*エゼルウォルドは、酒と女に溺れみんなから見下されていた。父が亡くなった時も、酔って豚小屋で寝ていたというだらしなさ極まる男。アルフレッド王の甥で王になれなかったことを逆恨みしている。
レオフリッチは、「王の耳に入ったら全員処刑だ」とエゼルウォルドを殺そうとしたが、ウートレッドは彼に借りがあるとして連れていくことにする。
ウートレッドたちは、デーン人に見せかけた格好でいくつもの村を襲撃したが、5日たっても収穫は得られなかった。
そこで今度は西に向かうことにしたが、その途中でアッサーという神父が数人の兵を連れて話しかけてきた。
ウートレッドたちの噂を聞ききつけたブリトンのペレダー王が、奪われた要塞を取り返すのを手伝って欲しいと言っているとのこと。
そして、ほんのお近づきの印として”粗末な腕輪”が入った小袋を手渡し、報酬は王に直接聞いて欲しいと小さな村に案内した。
美しき預言者
ペレダー王の話では、要塞にいる敵兵士は40人~50人で、自分たちには30人ほどの戦士がいる。
ウートレッドたちの戦士20人を合わせれば、敵の戦士を上回る数になるとのこと。
王は銀を100枚支払うと言うが、ウートレッドは銀400品で交渉を進めた。
そこで王は、第2の妻で影の王妃イゾルトを呼びつける。
イゾルトはウートレッドに近づくと、彼の運命を見たのか王に「本物」だと伝えた。
それを聞いたペレダー王は、銀400品を払うと約束するが、銀は要塞に隠しており取り返した後に渡すと約束する。
ウートレッドたちは、王とその兵士たちと共に要塞を目指したが、要塞を奪ったのがデーン人であることが判明。
デーン人はデーン人と戦わないという決まりがあること、ウートレッドたちがデーン人に成りすましていることもあり戦いを躊躇した。
すると敵が数人、交渉をするつもりなのか、ウートレッドたちに向かって歩いてきた。
敵のリーダーは”白馬のスコルパ”と名乗り、ウートレッドに銀の山分けを条件に手を組もうと言ってきたのだ。
ウートレッドはその条件を飲み、ペレダー王を裏切ることに決めた。
スコルパとウートレッドが組んで王の兵士を始末し、銀の在り処を聞くとスコルパはペレダー王を刺殺した。
しかし、スコルパはイゾルテを人質にしてウートレッドまでをも裏切り、銀を全て持ち去ってしまう。
スコルパが去った後、ウートレッドは奴らを追いかけようとしたがイゾルテが「自分が銀を用意する」と、別に隠しておいた大量の銀を渡した。
また、イゾルテ自身もウートレッドに惹かれていたこともあり、そのまま彼と共に国を去って行く。
しかし、すべての裏切り行為を隠れ見ていたアッサー神父は、その足でウィンチェスターに向かいアルフレッド王にすべてを話してしまった。
アルフレッド王の逆凛に触れたウートレッドは、レオフリッチと剣を交えどちらかが死ぬまで戦うという罰を与えられる。
親友、戦友とも言うべく信頼する仲間と命を争うことに耐えられない夜を送ったウートレッド。
ところが翌日、レオフリッチと剣を交えはじめた直後、幸運にもラグナーやブリーダ率いるヴァイキングがウィンチェスターを襲撃。
この騒動に紛れ、ウートレッド、イゾルテ、レオフリッチの3人と、ヴァイキングに襲われていたゼルダの4人で逃げた。
一方で、王一家がベオカ神父らや従者と共に、ウェセックス王国の湿地帯アルセニーに逃れようとしていた時に出くわしたウートレッドたちは、共にアルセニーを目指す。
しかし、要塞を奪われ憔悴した王にさらなる追い打ちが掛かる。
まだ赤子の長男エドワードが謎の病に掛かり、熱が引かない状態になり、王自身も体調を崩していた。
その様子を見たイゾルテは、まず王に治療薬を作って信用を得る(彼女も異教徒だったため受け入れられていなかった)
王は最初は拒んでいたが、日に日に体調が良くなるのを実感し、深い信仰心のある妻の反対を押し切り、息子の病をイゾルテに託すことに決めた。
但し、エドワード王子の病を治せば、どこかの家の子供が犠牲になる。
イゾルテは、どこかの子供が身代わりになったことを悲しみ、生涯背負う覚悟でエドワードの病を治した。
また、ウートレッドは戦う気力を失くしたアルフレッド王に、沼地を利用して敵を叩き潰しウィンチェスターを奪い返そうと助言。
勝機を見込んだアルフレッド王は、逃げたことにより失った信頼を回復させ、サセックスを取り戻すために兵を集めることにした。
それにはまず、オダと会って知らせなければならないと、ウートレッドとレオフリッチと共にオダの家を訪ねた。
ところが、小オダは王が不在なのをいいことに無断でスコルパと交渉し「スコルパかグズルムと手を組みたい」と、デーン人に寝返っていたのだ。
ウートレッドとレオフリッチ、王の3人がちょうどオダの家に着いた時、小オダが兵や民に「アルフレッドはもう終わりだ。彼は自分の身を守るためにウェセックスを見捨てた。ずるがしこくて逃げ足の速いやつだ」と熱弁していた。
さらに、小オダは自分の部下であるレオフリッチにウートレッドを殺すよう命じる。
この時オダは、民に紛れて見ていた王の存在に気づき、息子の不始末を自ら罰するため、ナイフで小オダの胸を刺し改めてアルフレッド王に忠誠を誓う。
小オダは、ウートレッドを殺すことでミルドリスを我が手にすること、さらに王座も狙っていたのだ。
その後、アルフレッド王はウートレッドのおかげで勝利し、無事ウェセックス王国をデーン人から取り戻した。
【ラスト・キングダム】シーズン1の感想
9世紀のイギリスを舞台に裏切り、争い、略奪など、まるで歴史を見せられているような印象でした。
中だるみなく、次から次へ展開される壮大なストーリで、敵なのか味方なのかも見分けられない部分もありますが、これがまたそそられる展開でもあります。
とにかく登場人物が多く、名前も間違えてしまうほど似たものが多いという印象。
ウートレッドが目指すところは、叔父に奪われた「ベバンバーグ」を取り戻すこと。
それまでの道が長く、何かとアルフレッド王に阻まれてしまうようです。
アルフレッド王は、ウートレッドの”才能”に気づき始めているようで、手放したくなくなっているのか、それともウェセックスに縛り付けておく方が安心と思っているのか。
彼も頭がキレる人物なので、今後もウートレッドとはひと悶着あるでしょう。
物語の冒頭は、暗いイメージでしたが見すすめるうちにぐいぐい入ってしまい、いつの間にか【ラスト・キングダム】の虜になること間違いないです。
2020年4月にはシーズン4も配信。
Netflixの中でも超おすすめのドラマといっても過言ではありません。