「有翡(ゆうひ)」48話・49話・50話あらすじネタバレと感想。いよいよ劉有良が残した海天一色のありかを表す詩の場所を突き止めた周翡たちが中へと入ると、そこは斎門の禁所でした。中にはあちこちに仕掛けが施されており、周翡と謝允は落とし穴に落ちてしまいます。周翡と離れ離れになってしまった李晟たちの元へ、地煞山荘の大宗主の沈天庶が大勢の配下を連れてやって来ました。
48話: 海天一色のありか
大薬谷。周翡は地煞が監禁した村人を救出すべく、二荘主の谷天顕と七荘主の陸天曠を同時に相手して時間を稼いでいました。今や破雪刀を完成させた周翡にとって、谷天顕と陸天曠など恐れるほどの相手ではありませんでした。
周翡は2人の攻撃をあしらいながら五荘主の胡天瑛に心酔する陸天曠に対し、大荘主の沈天庶は胡天瑛を見殺しにしたと煽り、心理戦に持ち込みます。しかしそれを見抜いた谷天顕が間に入り、周翡と谷天顕は一騎打ちになります。
周翡と谷天顕は激しい攻防を繰り広げますが、一瞬の隙を見逃さなかった周翡は谷天顕の首元に刀を這わせました。そのまま周翡が谷天顕を捕らえたところに、村人の救出を終えた謝允(蕭川)と李晟たちも合流します。
すると、陸天曠は構えていた刀を弓に持ち替え、地煞の名誉のためだとして自ら谷天顕の胸を射抜きました。谷天顕の死を確認した陸天曠は配下に皆殺しを命じ、一斉に周翡たちに弓を向けます。
次の瞬間、安平軍の副将の聞煜に助けを求めに行っていた呉費将軍の娘の呉楚楚が、安平軍を引き連れて戻ってきました。呉楚楚も弓で応戦し、安平軍の勢いに押された陸天曠は撤退を余儀なくされます。
全員揃った周翡たちは、目の前に広がる景色こそ劉有良が残した海天一色のありかを表す詩の情景だということに気づき、先を急ぎます。
海天一色のありかと思しき林。詩が表す林の中へとやって来た周翡たちは3手に分かれ、入口を開閉するための仕掛けを探します。周翡たちは斎門の全てを伝授された李晟のおかげで仕掛けを見破り、林の中から盛大に現れた入口を進んでいきます。
海天一色のありかの入口が発見されたことは、近くに潜んでいた陸天曠の配下を通じて地煞にも知らされ、陸天曠に案内された沈天庶も中へと入りました。
周翡たちが見つけた入口は斎門の禁所に繋がっており、中にはたくさんの仕掛けが施されていました。あらゆるところに隠し扉や矢が発射する装置があるため慎重に進む周翡たちでしたが、周翡と謝允だけは足元の落とし穴に気づかず、下の空間に落ちてしまいます。
残された李晟たちが周翡との合流を目指して仕掛けと格闘していると、そこへ沈天庶が大勢の配下と共に現れ、周翡の居場所を尋ねます。
49話:ついに姿を現す海天一色
斎門の禁所。ついに李晟たちは、水波紋の印が彫られた扉のある部屋までやって来ました。恐らくこの扉の先こそ海天一色のありかと思われるも扉には複雑な仕掛けが施されており、斎門の全てを伝授された李晟ですら苦戦します。
その時、部屋の外まで迫っていた地煞山荘の大荘主の沈天庶が義手を使い、無理矢理壁を壊して部屋の中に侵入してきました。水波紋の印が彫られた扉を見た沈天庶はこの先に海天一色があると確信し、李晟に扉の仕掛けを解くよう言い渡します。
そこで李晟は沈天庶に対して3つの条件を提示し、条件を飲むならば扉の仕掛けを解くと持ち掛けました。李晟が出した条件は、仲間を無事に外に出すこと、”薬王経“を渡すことの2つに加え、3つ目は後で話すとのことでした。
李晟を殺せば仕掛けは解けないと考えた沈天庶は、二つ返事で李晟の条件を受け入れます。早速、李晟は扉の仕掛けと格闘し、この仕掛けを解くには5つの海天一色の品が必要であることに気づきます。
李晟は沈天庶から受け取った5つの品を、斎門の道長の沖霄に教わった八卦の術を使いながら仕掛けに収めていき、見事仕掛けを解除しました。重々しい石の扉が開くと、そこにはたくさんの宝飾品などの宝があり、中央の箱の中には“宿鉄法“と“薬王経“が保管されていました。
真っ先に中へと入り宿鉄法と薬王経を手にした沈天庶は李晟を裏切り、薬王経を渡さず配下に皆殺しを命じます。
一方、落とし穴に落ちた周翡と謝允(蕭川)は呂潤の部屋におり、周翡が“斉物訣“という功法を試したせいで身動きが取れなくなっていました。どうやら斉物訣は命に危険のある功法だったようで、周翡は斉物訣の世界に捕らわれてしまったのです。
謝允の呼びかけで何とか現実に戻った周翡は謝允と共に呂潤の部屋から脱出し、沈天庶と戦う李晟たちに合流します。ところが、間もなくして仕掛けが作動して禁所が崩れ始めたため、止むを得ず周翡は沈天庶と取り合っていた宿鉄法と薬王経を真っ二つに切り、脱出を図ります。
この騒動に乗じて謝允は地煞の人質にとられ、周翡たちと引き離されてしまいました。斎門の禁所から脱出した周翡は半分になった薬王経を大薬谷の応何徒に託し、李晟と共に謝允の救出へと向かいます。
50話:生死を分ける解毒薬
四十八寨。斎門の禁所を出て以来、体調を崩していた謝允は籠ってばかりでは息が詰まると、周翡を遊びに誘います。謝允が周翡を連れてやってきたのは、春回鎮の仕立て屋でした。
謝允は前もって周翡に贈る赤い衣を用意しており、周翡が試着をしている隙にお茶に薬を仕込みます。実は、謝允は周翡が透骨青の解毒薬を試そうとしていることに気づいており、ある決断を下していました。それは、2つに1つの確率で生死を分ける薬ならば自分で選ぶというものでした。
謝允は解毒薬を作る大薬谷の応何徒に鎌をかけ、周翡が解毒薬を試そうとしていることを聞き出していた
とはいえ、もしこれを周翡に知られては猛反対にあうことから、謝允は応何徒に一晩目覚めない睡眠薬を貰っていたのです。謝允は試着室から出てきた周翡に睡眠薬入りのお茶を差し出し、赤い衣を用意したのは蓬莱で描いた赤い衣の女子と旅をしたいと思っていたからだと明かします。
やがて薬が効いて朦朧とする周翡を謝允は抱き抱えながら、自分が死んでも元気でいるよう告げました。四十八寨に戻った謝允は周翡に再会を誓い、2つの解毒薬から1つを選んで飲み干すと、そのまま眠りにつきます。
その頃、周翡は謝允を失う夢を見ており、破雪刀を会得しても全ては無に帰して何も成せなかったと絶望していました。
翌朝。目を覚ました周翡は隣で眠る謝允の安否を確認し、まだ息をしていることに安堵します。しかし謝允はいつまで経っても目覚めないどころか、体調は悪化を辿る一方で、ついには息も絶え絶えになっていました。周翡は居ても立っても居られず、斎門の禁所で覚えた斉物訣を試すものの謝允は力なく倒れ込んでしまいます。
その一方、応何徒は大薬谷を再建するため、四十八寨を後にします。李晟の妹の李妍と擎雲溝の掌門の楊瑾が門まで見送り、生死を共にした仲間との別れを惜しんでいました。