30話(最終話)
穆川が配下に山中の偵察を命じた後、陸安然の侍従が穆川の贈ったウサギの形の燭台を持って訪ねてきて陸安然の伝言を伝えました。
”決して自分を曲げないで 私は死んでも信念を貫く 同じ過ちは繰り返さない”
山中に兵の気配を感じた穆澤は追っ手だと思い込み、眠らせた陸安然を隠れ家に残して皇宮に攻め入る決意をします。穆澤は配下に家族の元へ帰るように言いますが、兵たちは穆澤に従うことを選ぶのでした。穆川が隠れ家に着くと陸安然だけが残されていました。
皇宮の兵は穆澤に降伏を求めますが、穆澤は配下に攻撃を命じます。応戦され多数の矢を受けて瀕死になった穆澤のところへ穆川が駆けつけ、とどめを刺そうとしていた兵を止めました。そこへ皇帝が来ます。穆澤は皇帝にあなたから与えられたのは皇帝としての評価だけで、父としての愛情は皆無だったと言いました。
穆川は兄上は憎しみを断ち切りたいだけで父上を襲う気はないと言おうとしますが、穆澤が遮ります。皇帝が行かせてやれと言い、穆澤は穆川を皇宮の庭の井戸へ連れて行きました。その井戸は穆澤の生母が毒酒を飲んだ後、投げ込まれた場所だったのです。穆澤は穆川に自分を生母の墓の隣に埋葬してほしいと頼みました。
そして穆澤は穆川に短剣を持たせ、穆川を抱きしめました。短剣が刺さり、穆澤は絶命します。穆澤のそばで泣き続ける穆川を陸安然が背後から見つめていました。
その後、穆川はかつて穆澤が国境で戦って国土を守り、穆川が稲を育てて民の生活を守ると約束したことを思い出すのでした。やがて穆川は太子になります。一方、陸安然は穆澤が離縁状を遺していたのを見つけました。
翌日、陸安然は穆川に会い、蘇城に帰ると伝えます。それを聞いた穆川は人には担うべき役割があると言い、君の幸せを祈ると告げました。穆川と陸安然は別れの挨拶をし、それぞれ反対の道へと帰って行くのでした。
30話(最終話)の感想
1回目の人生での穆澤は悪人でしたが、今回は皇帝との確執が明らかになったり、自分の最期を前にして配下たちを家族のもとへ帰そうとしたりする姿を見て復讐されたのがなんだか哀れに思えてしまいます。穆川は本当にずっといい人でしたが、今回の穆澤を亡くした時の子供のような泣き顔から穆川の純粋さがより伝わってきました。
陸安然は今回の人生で穆澤への復讐は果たしましたが、最後は穆川との愛は成就させずに蘇城へ帰ってしまったのですが、それでよかったのでしょうか。時代劇のタイムリープものを見たのは本作が初めてだったので最初は戸惑いもありましたが、伏線が随所にちりばめられていて見応えのあるストーリーでした。
また本作はどちらかというと癒し系のジャイ・ズールーがヒロインの相手役で、王道イケメンのジン・チャオが二番手というのも意外性があり、定番の時代劇に飽きた人にもオススメの作品です。
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