【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン2ネタバレと解説。トミーと別れ、街を立つグレースに銃を向けるキャンベル。しかし撃たれたのはキャンベルだった。それから2年後。トミーはロンドンへの進出をもくろむ。新キャストにイギリスの名優トム・ハーディがアルフィー・ソロモンズとして登場。彼は敵か味方か?
【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン2あらすじ
トミー(キリアン・マーフィー)の前に、再びキャンベル(サム・ニール)が現れた。彼はSIS(秘密情報局)の少佐に昇進していた。
キャンベルは、チャーチル(リチャード・マッケーブ)から指令を受けた汚れ仕事をトミーにやらせ、その後は彼を嵌めるつもりでいるのだ。
一方ロンドンでは、イタリア系ギャングのサビーニ(ノア・テイラー)とユダヤ系ギャング、アルフィー・ソロモンズ(トム・ハーディ)が揉めていた。
これに目をつけたトミーは、アルフィー・ソロモンズとの取引を画策。一旦は手を組むアルフィーだが、サビーニから停戦を提案されトミーを裏切った。
さらにキャンベルは、トミーの弱点が家族であることに気づき、アーサー(ポール・アンダーソン)とマイケル(フィン・コール)を嵌める。
トミーは窮地に陥った。
【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン2新キャスト紹介
アルフィー・ソロモンズ役/トム・ハーディ
ロンドンのユダヤ系ギャングのボスで、パン屋と称してラム酒を醸造している。イタリア系ギャング、サビーニと敵対している。アルフィー役のトム・ハーディは【ダークナイトライジング】(2012)のベイン役で知られているイギリスの俳優。
トミー役のキリアン・マーフィーとは上記作品の他、【インセプション】(2010)【ダンケルク】(2017)でも共演している。他にも【マッドマックス 怒りのデス・ロード】(2015)【ヴェノム】(2018)など代表作品多数。
マイケル・グレイ役/フィン・コール
ポリー(ヘレン・マックロリー)の息子で、幼い頃に引き離されて里親に育てられていたが、トミーが見つけてファミリーの一員となる。「賢い目」をしており、齢のわりには落ち着いている。トミーに憧れている。
マイケル役のフィン・コールは、ジョン・シェルビー役のジョー・コールの実弟。【スローターハウス・ルールズ】(2018)に出演。2021年公開予定の【ワイルドスピード/ジェットブレイク】の出演も決まっている。
メイ・カールトン役/シャーロット・ライリー
競走馬のオークション会場でトミーと出会う、裕福だが孤独な未亡人。トミーが競り落とした馬の調教を請け負う。
メイ役のシャーロット・ライリーは、アルフィー役のトム・ハーディと【嵐が丘】(2014)で共演し、後に結婚している。【オール・ユー・ニード・イズ・キル】(2014)【白鯨との戦い】(2015)等に出演している。
【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン2ネタバレと考察
トミーと馬
【ピーキー・ブラインダーズ】は、全編を通して馬がよく出てくる事にお気づきの方も多いだろう。今シーズンの舞台もクライマックスは競馬場である。そして、傷だらけのトミーが叔父チャーリーに言ったセリフ
「I’m a horse」(日本語訳は「馬と変わらんさ」)、「走れない馬は殺されてしまう」に注目して頂きたい。トミーが上を目指す理由はここにあるのかもしれない。
弟のジョンは、トミーがロンドンまで事業の拡張を試みる事に不満を漏らすが「ピーキー」たちが少しでものんびりと構えていたら後釜を狙うギャングはいくらでもいる、と。
自分たちがそうしてきたように。
だから走らないと殺されてしまう。
トミーがアルフィーに裏切られてサビーニと敵対し、キャンベルに嵌められていた時、トミーの馬を競争馬として育てていたメイが言う。
「あなたの馬は勝てない。でもあなたはあきらめない」
戦争の傷跡と恩恵
ある時、ボクシングで訓練中のアーサーは少年を殴り殺してしまう。戦争によるPTSDのために、一旦血が上ると自分を抑えきれなくなるのだ。そんなアーサーにトミーは言う。
「もう戦争は終わったんだ。忘れちまえ。俺と同じように忘れるんだ。」
トミーは戦争を忘れたわけではないが、戦争経験を自分の武器として使っていた。
チャーチルに直接手紙を書き、戦争中フランスで危険な任務を遂行して多くの仲間を救った事をアピールし、カナダやアメリカへの輸出承認証の発行まで勝ち取る。
高官でありながら、前線で戦ったというチャーチルの自尊心をくすぐると同時に、自身が勇敢で有能であると認識させる事に成功したのだ。
そして、それは後々トミーを助ける事になる。また、アルフィーとの付き合い、仲間たちの信頼を得る事にも優位に働く。一方、兵役を免除されたキャンベルは違った。
キャンベルの最期は【トスカ】のスカルピア
キャンベルは、人をバカにし傲慢な態度を取る事やシェルビー家に対する卑怯な振る舞いから、部下であるモス警部から軽蔑されていた。
売春婦の女将が経営する怪しげなホテルを用意して影で笑い物にしたりと、他の警官からもバカにされていた。
自分を撃ったグレースにまだ未練がありトミーも振られたと固く思い込むが、トミーからはグレースと再会して一晩過ごす予定である、と余計な報告を聞かされる。
ドラマの嫌われ役を一手に引き受けるキャンベルだが、このように小出しに制裁を受ける事で留飲が下がる視聴者も多いのではないだろうか。
しかし、キャンベルにはさらなるお仕置きが用意されていた。筆者は前シーズンの考察で「キャンベルはスカルピアを体現している」と述べた。
無実のマイケルを刑務所にぶちこむ、と脅されたポリーはキャンベルから身体を要求され、応じたポリーはマイケルに軽蔑される。
そして、クライマックスのエプソム競馬場でポリーはキャンベルを撃ち殺す。キャンベルの最期はスカルピアの最期を重ねたと考えていいだろう。
【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン2の感想
グレースは本当にしたたかである。シーズン1の時のような謎めいた存在ではないがトミーに本意を悟らせず、しかし自分のやりたいように振る舞い欲しい物は全て手に入れるという様は、結局のところトミーと同じである。
メイとトミーがうまくいくのかと思っていた矢先、ついに本意を明かす。さすがのトミーもグレースには振り回されている。トミーは幸せをつかめるのか?新たなる野望は?ピーキーたちの活躍に目が離せない!