【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン5ネタバレと解説。労働党の議員になったトミーにファシストのオズワルド・モーズリーが近づく。彼の目的は?
【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン5あらすじ
1929年、ウォール街の株の大暴落はトミーたちの資産に大きな影響を与えた。トミーは今は労働党の議員となっているが、実は内部から政府に共産主義者の情報を与えるスパイである。
一方で、裏の稼業は相変わらず続けていた。議員をゆする相手の殺しを請け負ったり、サッカー賭博にも手を出す計画をしていた。そんな中、オズワルド・モーズリーなる議員がトミーに近づく。
彼は、トミーの隣の選挙区の労働党の議員であり大臣だった。労働党を離党してファシズムの政党を作り、トミーを仲間にと誘う。
トミーは断るが、その頃スコットランド・グラスゴーの犯罪組織ビリー・ボーイズが、トミーの周りに見え隠れしていた。
ビリー・ボーイズは、アメリカから戻る船上にいるマイケルの前に現れ、株で損した責任のためトミーに殺されるから裏切るなら今だと誘いをかけた。
そしてアベラマを襲撃し、彼の息子ボニーを殺した。やがてビリー・ボーイズが、モーズリーとつながりがあることが判明する。トミーはモーズリーの党に入り、ファシストを内側から倒す事を計画した。
【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン5新キャスト情報
オズワルド・モーズリー/サム・クラフリン
労働党から離党し、ファシストの新党を作るためにトミーを勧誘する。家柄はいいが根っからの差別主義者。実在の人物をモデルにしている。
モーズリー役のサム・フランクリンは【パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉】(2012)の宣教師役を皮切りに、【スノー・ホワイト】(2012)【スノーホワイト/氷の王国】(2016)の王子役、【ハンガー・ゲーム2】(2013)【ハンガー・ゲーム FINAL】(2014-2015)等代表作が多いイギリスの人気俳優。
ジーナ・グレイ/アニャ・テイラー=ジョイ
シーズン5でマイケルと結婚したアメリカ人で妊娠している。若いのにふてぶてしく、ピーキーファミリーにも全く動じない。両親はアメリカで犯罪関係の仕事をしているらしい。
ジーナ役のアニャ・テイラー=ジョイは、モデル兼アメリカの女優。【ウィッチ】(2015)のトマシン役で話題を集め、【スプリット】(2016)【サラブレッド】(2017)、最近では【クイーンズ・ギャンビット】(2020)でも主演を務める。
ジミー・マッカバン/ブライアン・グリーソン
スコットランド・グラスゴーのギャング集団ビリー・ボーイズのリーダー。差別主義者でモーズリーに雇われている。ビリー・ボーイズも実在したプロテスタントのギャングである。
ジミー・マッカバン役のブライアン・グリーソンは、アイルランドの俳優。【ファントム・スレッド】(2018)【ヘルボーイ】(2019)等に出演している。
【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン5ネタバレと解説
マイケルの裏切り
今回、株を売れとトミーに指示されていたにも関わらず、無視して遊び惚け 一族の資産の大部分を減らすという大失態を演じたマイケル。IRAの連絡から、トミーの敵であるアルスター義勇軍との関係も怪しまれていた。
それでも、最終的にはビジネス復帰という形でトミーから信用され始めたが、最終話で謀反を起こす。「ビジネスを再編成して自分が仕切る、トミーは臨時会長職でいい」と言い出した。
「古臭いギャングはアメリカでは相手にされない。」
若い自分がデトロイトやボストン、NYの連中と麻薬ビジネスをすると宣言する。ジーナのファミリーがこの手の商売に詳しいという。トミーは怒り、マイケルに言う。
「チャンスをやったのに裏切った。」
トミーの計画
トミーは内輪もめより、ファシストであるモーズリーを殺すと言う大きな仕事があった。
モーズリーのファシズムを危険視していたトミーは、コミュニストの情報を政府に伝達していた情報部のヤンガーに、モーズリーの情報も報告させようとしていた。しかし、ヤンガーは上層部から左遷を告げられ、その後 殺される。実は、このファシズムは政府関係者にも歓迎されていた。
当時はまだユダヤ人虐殺のような恐怖のイメージは伝わっていなかったので、共産主義国の惨状に比べ好感をもって迎えられていたのだ。チャーチルのようにファシズムを危険視する者は少数だったのである。
モーズリーはトミーの開いたリジーの誕生日パーティーで排他主義的な熱烈なスピーチをし、その場にいた上流階級の人々は魅了される。これに一層危機感を抱いたトミーは、モーズリー殺害のために念入りな計画をする。
- 来たるモーズリーのスピーチの日に、ソロモンズの力でユダヤ人ギャングを乱入させ騒ぎを起こす
- 混乱の中どさくさに紛れて、モーズリーを警備しているビリー・ボーイズのジミーをアベラマに襲わせる。アベラマも息子の復讐を遂げる事ができる。
- トミーの戦友である名スナイパー、バーニーにモーズリーを殺害させる。バーニーは精神障害者なので、絞首刑の心配はない。
- この騒ぎで、バーミンガム中の警察がスピーチ会場に集中する中、運河でアヘンを運ぶ。
これがトミーが描いたシナリオだった。しかし思うようにはいかなかった。密告者がいたのだ。
密告者とは?
事件の少し前、フィンがビリー・グレードの前で不用意に、これから「ファシストを撃つ」事を漏らす。ビリーは電話に手を伸ばす。このビリー・グレードは元サッカー選手で、ピーキーのためにサッカー賭博・八百長の橋渡しをしていた。
もちろんこれはビリーの本意ではないが、アーサーたちに睨まれたら断れない。泣く泣く八百長に手を染めるが、次第に服装は派手になりコカインを常用し、すっかりピーキーに染まってしまう。アーサーの妻リンダも、最初は敬虔なクリスチャンで強かながらも上品さを保っていた。
しかし、ファミリーの一員となり色々な経験をしていくうち、周囲に染まりコカインを常用し「汚い言葉」を多用するようになっていった。そんな自分を嫌悪し、最後はファミリーから出ていく。
ビリーもリンダと同じで自分に嫌悪を感じたのか、この世界から抜け出したいと思ったのか、恐らく彼がモーズリー殺害計画をある組織に洩らしたと思われる。
グレースの亡霊
ビリー・ボーイズが地雷を仕掛けた時、トミーはこぶしを振り上げ爆破させようとした。ふとした瞬間に死への欲望が湧くようだ。幾度もグレースの亡霊が現れトミーを甘く誘う。
「私のところへ来て」と。
グレースの亡霊=死への誘惑であり、トミーは何度もそこに行きたくなる。叔父のチャーリーに母の死の真相を訪ねると、自殺だったと言う。トミーの母も祖父も自殺した、そういう家系なのだと。
自殺との戦いはトミーを悩まし夜も眠れない。トミーは「みつけたかもしれない。俺が勝てない相手を」と、アーサーに言う。それは「死への誘惑」なのかもしれない。
ラストシーンはトミーが自分の頭に銃を向けた姿だった。
【ピーキー・ブラインダーズ】シーズン5の感想
アベラマが死んだ事は大ショックだった!これからどんどん活躍してくれるキャラだと思っていたのに。息子も殺され、悲惨過ぎる。ただアルフィーも死んだと思ったのに生きていたから、もしかしたらと一縷の望みをかけたい。
それから、リジーがどんどん素敵な女性になってきて嬉しい。リンダが離婚の相談をした時、「私の選んだ人生だからね」ときっぱり言ってたのはカッコ良かった。
気になるのはマイケル。アメリカでマフィア相手に麻薬ビジネスができると本気で思っているのだろうか。ジーナの行く末も気になる。
ポリーがジーナのお腹を触って「心臓の音が聞きたかった」と言っていた。未来を読むことができるポリー、ジーナの子は産まれないのか?トミーはどうなるのか。巻き返しに期待したい。
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